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fishy の商品レビュー

4.1

54件のお客様レビュー

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2020/10/20

同世代だなぁ…と嬉しくもあり切なくもなった。デビューからずっと読んでますが、本当になんでこんなにいろんな意味で痛いんだろう。言語化、そう、金原さんって叫びとか言葉にしづらい感情をしっかりと言語化できるひと。 アラサーにはこれ、すごく響くと思う。3人の女性どれも痛くて。でもわたしは...

同世代だなぁ…と嬉しくもあり切なくもなった。デビューからずっと読んでますが、本当になんでこんなにいろんな意味で痛いんだろう。言語化、そう、金原さんって叫びとか言葉にしづらい感情をしっかりと言語化できるひと。 アラサーにはこれ、すごく響くと思う。3人の女性どれも痛くて。でもわたしはきっと美玖が一番近い気がする。や、ユリな部分もあるかも。なんかもう最後が怖かった。それでもみんな一緒にいる感じ、真実か嘘かなんてもはやどうでも良い感じ。本音でぶつかってるのかそうでないのか曖昧な感じ。怖い。けど、好き。

Posted byブクログ

2020/10/18

日本経済新聞社小中大 記事利用について 印刷 印刷 fishy 金原ひとみ著 三人三様 女たちの尖った今 2020/10/17付日本経済新聞 朝刊 冒頭で描かれる、久しぶりに居酒屋で集った3人の女たちの会話。 「自分がどうしたいかなんて、相手がどうしたいってこと抜きには語れな...

日本経済新聞社小中大 記事利用について 印刷 印刷 fishy 金原ひとみ著 三人三様 女たちの尖った今 2020/10/17付日本経済新聞 朝刊 冒頭で描かれる、久しぶりに居酒屋で集った3人の女たちの会話。 「自分がどうしたいかなんて、相手がどうしたいってこと抜きには語れない」 「弓子って、そんな後出しじゃんけんみたいなことして生きてるの?」 遠慮なく相手を切り崩す言葉は「女友だち」の柔(やわ)な響きを一蹴するものだ。しかし、おたがいに逃げもせず、会っては酒を飲み、ひりつく会話を繰り返す。 東京で生きる女3人の語りを入れ替えながら、複数の視点によって現代の生を描く長編小説。最先端の美容やSNSを巧みにあやつる様子が細部に織り込まれ、時代という言葉が大雑把(ざっぱ)に聞こえるほど、三人三様の「今」はいっそ残酷なほど尖(とが)っている。 28歳のフリーライター、美玖は、不毛な恋愛に打ちのめされている。子育てをしながら出版社に勤務する37歳の編集者、弓子は、夫の不倫によって離婚を突きつけられる。いっぽう、32歳のインテリアデザイナー、ユリは、さんざん闘いを積み重ねて生きてきたと自負する2人にたいして、容赦のない論評や批判を展開する(冒頭の「後出しじゃんけん」は、家を出た夫との関係に苦しむ弓子へ叩きつけた言葉だ)。 集うたびに繰り広げられる、あけすけな告白や愚痴。3つの視点が交差し合ううち、美玖が拠(よ)りどころにする恋愛、弓子がすがりつく家庭、それぞれのありさまがスリリングに露(あら)わにされてゆく。彼女たちの内面にくぐもっているのは無数の女たちの声だと気づくとき、読者は美玖や弓子やユリとの紐帯(ちゅうたい)を感じはじめるはずだ。詳細に描き込まれるセックスの場面にも、リアルな生身が呼吸している。 ところが、ある陰惨な事件によって、論理の正当性をまとっていたユリの存在が、じつはもっとも希薄で虚構性を帯びていることが露呈する。その薄ら寒さのなかにも、谺(こだま)のように反響する女たちの声を声を私たちは聞くだろう。 本作の題名「fishy」とは、嘘臭い、胡散(うさん)臭いという意味。しかし、女たちは虚無もろとも同時代を共有し、生の確かさをもぎ取ろうとする。そのありさまを描き切る金原ひとみの凄(すご)み。戦慄と温(ぬく)もりが共存する圧倒的な小説世界だ。 《評》エッセイスト 平松洋子 (朝日新聞出版・1500円) かねはら・ひとみ 83年東京都生まれ。作家。『蛇にピアス』で芥川賞。そのほか著書に『マザーズ』『持たざる者』など。

Posted byブクログ

2020/10/17

あんなにズバズバ言い合っても、また集まって飲み会できるユリと弓子と美玖の関係性が、なんだかちょうどいいのかなと思った。嫌いと思う日があったり、助けられたと思う日があったり、その時々によって正反対に変わる。だから友達じゃないって言うのかな。実際その感情は分かる。女の30歳前後ってそ...

あんなにズバズバ言い合っても、また集まって飲み会できるユリと弓子と美玖の関係性が、なんだかちょうどいいのかなと思った。嫌いと思う日があったり、助けられたと思う日があったり、その時々によって正反対に変わる。だから友達じゃないって言うのかな。実際その感情は分かる。女の30歳前後ってそんな感じなんだと思う。 弓子の家族4人のシーンは泣いた。小学生の子供達がそれぞれの性格でいろいろ考えてて、胸が苦しかった。 ユリの発する言葉が毎回哲学的で、頭良すぎて羨ましかった!絶対口喧嘩負けないタイプ。 っていう感想文書いた自分が、美玖のガールズバーに来る頭の悪いオッサンみたく語彙力もなくうまく伝えられず…美玖に馬鹿にされそう。。。

Posted byブクログ

2020/09/17

世界観に引き込まれて、一気に読みきりました。 「友達」とは何なのか? 人との関係をつないでいるものは何なのか? ユリが言い放った言葉に答えが見えた気がします。 その関係に友達という名前を与えた瞬間、友達を所有してしまうから。所有の概念こそが、他人を排除する意識を自身の中に生じ...

世界観に引き込まれて、一気に読みきりました。 「友達」とは何なのか? 人との関係をつないでいるものは何なのか? ユリが言い放った言葉に答えが見えた気がします。 その関係に友達という名前を与えた瞬間、友達を所有してしまうから。所有の概念こそが、他人を排除する意識を自身の中に生じさせてしまう。 時間ができた時に、また読みたいと思います。

Posted byブクログ