あなたを閉じ込める「ずるい言葉」 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分が子供にずるい声かけをしていたら嫌だなと思って、読んでおこうと思った。こういうのをずるい言葉と言うんだなと納得したのと同時に、気をつけていこうと思った。 確かに、腹を立てて話している時に言葉遣いを注意するのはズルい。
Posted by
モヤッとくる一言がどういう精神構造から発されているのか言語化してもらえると分かるようになるので言われた側も心を守りやすいはず。解説が丁寧。関連用語の概説も便利。 言葉は抽象的な概念を規定してしまう暴力性を孕んでいる。 自分も例に挙げられたような発言をしているかも知れないのでヒヤヒ...
モヤッとくる一言がどういう精神構造から発されているのか言語化してもらえると分かるようになるので言われた側も心を守りやすいはず。解説が丁寧。関連用語の概説も便利。 言葉は抽象的な概念を規定してしまう暴力性を孕んでいる。 自分も例に挙げられたような発言をしているかも知れないのでヒヤヒヤした。こういうのって相手の事情に向き合おうとしない、想像力を巡らせられないからよく考えずに言えてしまうけれどそれはハラスメントと変わらない。 相手に真摯に向き合うことはエネルギーが要るので回避したい気持ちはわかる。だが自分が悪者にならないためとか、見栄を張るために相手を下げるのが一番良くない心象を残す(例えば自分の発言で相手が傷付いたなら、相手に向かって「貴方が弱いから傷付くのだ」と更に塩を塗り込むようなケース)。 差別も多様なので、ピンポイントで自分が受けた経験が無いものはその苦しさや厄介さも真の意味では理解できない。断絶があると思う。だからこそ、ダメなことはダメ。言ってはいけないという認識を共有するのが効率的だ。もちろんこうした問題について考え続けることが大切。差別は悪だと言い続けることは現在苦しんでいる誰かの救いになるし、巡り巡って自分を守ることにもなるだろう。
Posted by
✳︎ あなたを閉じ込める「ずるい言葉」 森山至貴 「あーあの人そういうとこあるよね。でも、悪気はないから。」 そんな風に、あなたの違和感を無かったことにした経験はないだろうか。 わたしは、無数にあるのだ。 例えば。中途入社した会社で、 初めての上司から言われた言葉は忘れない...
✳︎ あなたを閉じ込める「ずるい言葉」 森山至貴 「あーあの人そういうとこあるよね。でも、悪気はないから。」 そんな風に、あなたの違和感を無かったことにした経験はないだろうか。 わたしは、無数にあるのだ。 例えば。中途入社した会社で、 初めての上司から言われた言葉は忘れない。 『雑用は全てreinaさんに任せればいいから。ゴミ箱みたいにぽいぽい彼女のメールボックスに入れていって。』 彼女にとっては、 わたし=ゴミ箱、雑用といってもお客様対応ごとなので、お客様=ゴミ、なのだ。 わたしは、反応できなかった。 その程度と扱われるのか。だってまだペーペーだし、仕方ないのかぁ。なんて流そうとさえした。 横にいた先輩が、その言い方酷くないです? と言ってくれた。 その時、やっぱり、酷いよなぁと思った。 だけど、その後、他の人から、あの人悪気はないから。と言われた。 "だから気にしないでね"という意味だ。 それくらいわたしにもわかるので、笑顔で、はい。とだけ答えた。 でもわたしには、今でもあの時の、わたしのこころの一部がグシャッと踏み潰されたような心地を忘れられないのだ。 今流行りの、『反応しない』という態度も、心を落ち着けてくれるかもしれない。 でも、人から投げかけられる言葉は唐突に、本当に突然、無抵抗の状態でやってくることが多いのではないだろうか。 ずるい言葉は、明らかな暴言ではないからだ。 なんとなく、もやっとするような… そんなじとっとした空気を、纏った言葉たちなのだ。 そんな時、無反応でいられるわけがない。 わたしの個人的な意見だが、 反応は、絶対にした方がいい。 見逃してはいけない。心と身体の反応は、正直だからだ。目を逸らして、押し殺しても、どこかでふと自分が忘れていたころに膿のようにあふれ出たりするものだ。 そんな時に気づく。 ああ、あの時、わたしは傷ついたんだな、と。 ブッタのように悟りを開く必要はない。そもそも、おそらく世捨て人となる覚悟がなければ悟りなど開くことはできない、とわたしは思う。 自分や、他人の感情や言葉にいちいち反応するべきだ。 そうすることで、より直感や感性が磨かれ、感受性となりそれがあなた自身になる。 どのような社会背景や感情から、 その言葉が発せられたのか。 何がわたしを反応させる要因なのか? ちゃんと考えるのだ。 嫌だったのなら、相手に伝え、対話をする。 そしてもし、それでもなお、あなたの感受性を守れない立場にいると感じるなら、すぐにその場所から逃げよう。反応せずに、どんどん感覚を鈍らせあなたがあなたでなくなる環境に居続けることはやめよう。 反応することは、美しいのだ。まさにあなたが生きているという証拠だからだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず、「はじめに」の箇所で、「言い返せないような言葉を相手があえて選んでいるような気さえします。」とあって、そういうズルイ言葉への対処が分かる本なのかと期待した。 そして、下記の言葉には共感した。 あなたのためを思って言っているんだよ。 この言葉は私自身も、相手のためが100%ではなく、自分のためも含んだ思いで相手を動かしたい時に使ったことがある。 全く相手の事を考えず、自分の利益のためだけに使った言葉ではないが、こういう言い方はズルイなと心の中で思っていた。 相手が反論しにくいし、自分のためを思って言ってくれるのだから…と、その意見に従いやすい。 最終的に決断するのは、言葉を投げかけられた本人だが、自分は誘導しているなと感じていたので共感した。 それに対する切り返しが、どうして私のためになるのか説明して欲しいという点も納得した。 しかし、その他のカクレた言葉たちについては、あまり共感することができなかった。 例えの会話を元に、真意のカクレた言葉とその意味について説明されているが、該当の言葉が状況によっては問題ないように思えたからだ。 言葉は、対話の流れや状況、相手との関係性の距離感などによって同じ言葉でも持つ意味が変わってくる場合がある。 また、受け取り手によって千差万別の解釈があり、良かれと思って言ったことでも、相手を傷つけたり怒らせたりする事は往々にしてある。 以上のことから、ここに記載されているずるい言葉を使うのを控えるとなると、かなり言葉を選ばなければならず、会話するのが難しくなると感じた。 この本から得たものは、このような言葉で傷つく人もいるのだなぁとか、こういう解釈をする人もいるのだなぁと、相手を思いやり話をしなければと気持ちが引き締まった。 また、法律に基づいた関連用語や法律を用いた例え話は参考になった。 最後に、自分の発する言葉を気をつけることや相手の言葉に隠れた真意を考えるのも大切だと思うが、もし、相手から言われた言葉で傷ついたら、自分が感じた事を率直に相手に伝えるのが、本当の意味で相手との関係性を築ける第一歩ではないか。 口に出さないと他人に思いは伝わらない。 聞いてみないと相手の思いもわからない。 口に出す事で、相手と摩擦を起こしたくなかったり、相手が誠意ある対応をしてくれない場合は、その相手とは心理的な距離を置いて付き合う事も良い気がする。 そして、自分が発した言葉で相手を傷つけてしまったのなら、違う意図で話したと誤解を解くか、そのままの意図で悪気がなかったなら、傷つけたことを素直に謝る。 その繰り返しで、信頼関係ができてくるのではないかと感じた。
Posted by
噂通りの良い本でした。 「あなたのためを思って言ってる」 「そんな言い方じゃ聞いてもらえない」 「良い意味で○○」 「私は偏見ないけど」 などなど、言いがち、言われがちな言葉が「なぜずるいか」、モヤッとするか、丁寧に読み解いていく構成。 多くは論点のすり替えだったり、偏見だったり...
噂通りの良い本でした。 「あなたのためを思って言ってる」 「そんな言い方じゃ聞いてもらえない」 「良い意味で○○」 「私は偏見ないけど」 などなど、言いがち、言われがちな言葉が「なぜずるいか」、モヤッとするか、丁寧に読み解いていく構成。 多くは論点のすり替えだったり、偏見だったり思い込みだったりするわけですが、丁寧すぎてくどく感じられることも。 相手の(無意識の)話法に乗らないためにどう切り返すとよいか、まで掲載されているのがとても良かった。
Posted by
たしかに言われたら嫌だなと思う言葉の連打によって、終盤では若干食傷気味。自分自身も言ってしまっていないか気をつけながら読む。人の言葉なんて気にしなければいいのでは?と言う人もいるだろう反面、気になる人は気になる。そういう人の気持ちも少しは考えてあげられる人が増えたなら社会全体が優...
たしかに言われたら嫌だなと思う言葉の連打によって、終盤では若干食傷気味。自分自身も言ってしまっていないか気をつけながら読む。人の言葉なんて気にしなければいいのでは?と言う人もいるだろう反面、気になる人は気になる。そういう人の気持ちも少しは考えてあげられる人が増えたなら社会全体が優しくなるような気がする。
Posted by
ずるい言葉を言われたとき、停止ボタンを押して、ちょっと考える時間を取れたら、この本に書かれているように言い返せそうな気がする。 実際にはモヤモヤしたまま何も言えないことの方が多いだろう。でもそのモヤモヤをなかったことにせず、しつこく考えることが大切なのだと思った。
Posted by
大人が使いがちなずるい言葉を、10代でも親しみやすい例で記した本。 大人が読むと耳が痛いが、それと同時に、社会でも使われがちな言葉でもあるので、やっぱり嫌な思いしてきたけど「ずるい」んだ、と腑に落ちた。 序盤より、印象に残った言葉 ※ドラマ「相棒」のエピソード 人は100%誰...
大人が使いがちなずるい言葉を、10代でも親しみやすい例で記した本。 大人が読むと耳が痛いが、それと同時に、社会でも使われがちな言葉でもあるので、やっぱり嫌な思いしてきたけど「ずるい」んだ、と腑に落ちた。 序盤より、印象に残った言葉 ※ドラマ「相棒」のエピソード 人は100%誰かのためにだけ話をすることはできない。必ず主観というものが入る。でも、それはあなたを裏切ったことにはならない。
Posted by
関連用語解説をよんでると、社会は徐々によくなっていってるんだなと改めて気付かされる 「みんなが気がねなく使える言葉を守るために、誰かを指す言葉が否定的な意味合いを帯びないように気をつけて使い続けることも重要」このスタンスはとてもいいと思う
Posted by
この本を手に取ったきっかけは、 若い人にずるい言葉をかけないようにする戒めのためでした。 しかし、一部の言葉は大人にもかけられるもので、 読んでいて、自分自身も心が軽くなりました。 友達の悩みを聞いている時にも、 この本のずるい言葉が出てきて、本を紹介したことがあります。 本...
この本を手に取ったきっかけは、 若い人にずるい言葉をかけないようにする戒めのためでした。 しかし、一部の言葉は大人にもかけられるもので、 読んでいて、自分自身も心が軽くなりました。 友達の悩みを聞いている時にも、 この本のずるい言葉が出てきて、本を紹介したことがあります。 本当に世の中でよく聞く言葉ばかりが載っているので、 世代に関わらず、おすすめです。
Posted by