ガーデン の商品レビュー
千早さんの描く人は、どこか異常なほど清潔で、静謐な狂気を感じる。 美しい箱にひとつひとつ包装されたような印象。 羽野にしても理沙子にしても緋奈にしても、なんだか真っ白な部屋に真っ白なお洋服を着てひとりずつ部屋に閉じ込められているような、妙な絵が浮かんでしまう。 まるでアンリ・...
千早さんの描く人は、どこか異常なほど清潔で、静謐な狂気を感じる。 美しい箱にひとつひとつ包装されたような印象。 羽野にしても理沙子にしても緋奈にしても、なんだか真っ白な部屋に真っ白なお洋服を着てひとりずつ部屋に閉じ込められているような、妙な絵が浮かんでしまう。 まるでアンリ・ルソーの夢に描かれている匂いたつジャングルのような植物の描写に、鼻が反応してしまう。 言葉でここまで匂いを発せられるなんてすごいな。 羽野の人生はこれからどこに向かうのだろう。 『男はいつも間違える』らしいから、また間違えてしまうのかもしれないね。 ファンタジーから抜け出して、生身の人間になるのか、そのままファンタジーのプリンセスでいるのか。 羽野と会って話をしてみたい。 読みながら、彼は一体どんなセックスをするのだろうと、下衆な疑問まで持ってしまった。
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【他人との距離を保ち、植物を溺愛する男】植物を偏愛する編集者の羽野は、深い人間関係を築くことがない。だが、彼を取り巻く女性の変化を通し、自身の変化にも気づいていく。
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植物にしか興味がない人がちょっとずつ心を開けるようになる。 久しぶりに小石川植物園に行きたくなりました。
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