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ガーデン の商品レビュー

3.5

77件のお客様レビュー

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2021/09/28

何より誰より、植物たちを愛でる主人公羽野。たち、複数形だ。寝室ではなく、リビングルームの中央にはベッド、周りは濃厚な緑色のあふれる観葉植物、今が盛りと咲く花々。植物にならおしみなく与えられるのに女性(人)には与えることができない。仕事も人間関係も表面的にはそつなくこなすが、掴みど...

何より誰より、植物たちを愛でる主人公羽野。たち、複数形だ。寝室ではなく、リビングルームの中央にはベッド、周りは濃厚な緑色のあふれる観葉植物、今が盛りと咲く花々。植物にならおしみなく与えられるのに女性(人)には与えることができない。仕事も人間関係も表面的にはそつなくこなすが、掴みどころがない人。 それは、発展途上国で幼少期を過ごした体験が理由。としてるけど、それは言い訳にしか聞こえなかった。自分が足りないものを何かのせいにしている。(と言いつつ、それは自分にも向かった言葉だ。) 傷つくのが怖いから人に強く踏み込まない、人を傷つけるのも嫌。 主人公よりも、植物に生命力を感じたストーリーだった。後半に向かって、羽野の個性は薄らいでゆく。いっそのこと貫いてほしい。植物を。 羽野の冷めた人間観察の描写が面白い。 的を得る言葉を発した緋奈は何者か。そもそも緋奈は実在しているのか。 自分の中にも、植物、花が怖い、という感覚があるのに気づいた。知らないうちに咲いたり枯れたり、伸たり増えたりする。植物は目に見える成長をする。静かに、確かに。そこに不気味さを感じていたのだ。 読んでいる今、彼岸花が満開だ。群生している様を、血飛沫と例えている。 美しさと恐ろしさは似ている。 羽野のような男性は苦手だ。と言いながら、自分も羽野の分かる部分もありズキズキ複雑だった。

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2021/09/25

読んでいて、『草の花』の主人公の汐見を思い出した。理性的で自己完結しているが故に、愛する人に理解されずに去って行かれてしまう人。 彼の考え方や生き方が間違っているとは思わない。でも、もし自分の固定観念を壊してくれる相手を待っているんだとしたら哀れだと思う。緋奈の言葉が刺さる。...

読んでいて、『草の花』の主人公の汐見を思い出した。理性的で自己完結しているが故に、愛する人に理解されずに去って行かれてしまう人。 彼の考え方や生き方が間違っているとは思わない。でも、もし自分の固定観念を壊してくれる相手を待っているんだとしたら哀れだと思う。緋奈の言葉が刺さる。 初めて千早茜さんの小説を読んだけれど、引き込まれてあっと言う間に読み終えてしまいました。 2冊目も千早茜さんの本を買いました。

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2021/09/22

植物がいっぱいでてくる。 その植物のみずみずしさとか 文章に表してる言葉が すごくスッて入ってきて 読んでて気持ちがいい。

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2021/09/21

何度も何度も読み返している。 自然光の中でしか読めない、何故か。 人工的な灯りの下で読めない、特に蛍光灯の下では。 大きな事件が起こるわけでもなければ、謎解きがあるわけでもない。 ただ、読んでいると静かに、なにかが深い部分に染み込んでくるような感覚があって、読んでは何かに想...

何度も何度も読み返している。 自然光の中でしか読めない、何故か。 人工的な灯りの下で読めない、特に蛍光灯の下では。 大きな事件が起こるわけでもなければ、謎解きがあるわけでもない。 ただ、読んでいると静かに、なにかが深い部分に染み込んでくるような感覚があって、読んでは何かに想いを馳せ、外を眺める。 一人称で書かれた本は、作者本人の代弁をしているのかも。 読むたびに、響く言葉がある。

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2021/09/08

主人公は植物に特に思い入れが強く、人との深い付き合いを根本的に敬遠する静かな人物だが、私はこの主人公にとてもよい印象を持った。 人との会話の際に、心で思ったことがとても丁寧に書かれていて、そこに引き込まれた。また、他の人物の思いも、人からはわからない面があることが描かれ、物語の進...

主人公は植物に特に思い入れが強く、人との深い付き合いを根本的に敬遠する静かな人物だが、私はこの主人公にとてもよい印象を持った。 人との会話の際に、心で思ったことがとても丁寧に書かれていて、そこに引き込まれた。また、他の人物の思いも、人からはわからない面があることが描かれ、物語の進展と共に、色々考えさせられた。 人の思いは、外から見ているだけではわからない。自分に引き寄せて、強く引き付けられる作品だった。 ただ一点、文庫の表紙イラストが、私の作品イメージとは一致しなかった。そのため、買うときにどうしようか迷ったが、思いきって購入してよかった。

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2021/08/16

ひと言で言うと、この物語が好き。 コントロール出来ているはずの美しい世界、そこから新しい世界への扉を開ける。 美しくもあり、時に残酷で気持ち悪くもある。 登場する女性たちは脆さを持ちながらも、強い。 そんな強さが私も欲しいと思った。

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2021/07/05

感想は、怖い。 世界観さんと一緒笑  自分の知る範囲、コントロールできる範囲で安定的に受ける幸せを求め続ける人はつまらなかくなるのかもしれない。と改めて自分に言い聞かせる。

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2021/06/28

知らない花の名前が出てくる度に調べながら読んでいたら花に少し詳しくなりました だいぶ癖強めんどくささMAXで少し親近感を覚えてしまう羽野君 物言わぬ植物を愛でる彼 他人とは決してわかり会えないと一定の距離を置く そんな人との関わりが花との対比で描かれる 結局の所彼は傷付くのが怖...

知らない花の名前が出てくる度に調べながら読んでいたら花に少し詳しくなりました だいぶ癖強めんどくささMAXで少し親近感を覚えてしまう羽野君 物言わぬ植物を愛でる彼 他人とは決してわかり会えないと一定の距離を置く そんな人との関わりが花との対比で描かれる 結局の所彼は傷付くのが怖い臆病者で、今いる環境から腕を引っ張って連れ去ってほしい誰かを待っているのだと感じた。自分は でも一人にもしてほしい。ああめんどくさい 理由をつけて全てに納得する振りをするけど、理屈や言葉で言い表せないものもあるんだと どこかかったるいというか甘ったるいというか、そんな文章も彼を表してるようで、癖強 タナハシさんのその後が気になる

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2021/06/16

主人公は人間より植物が好きな人。 自宅に自分が気に入った植物を育てている。でも、なんか違和感。本当に植物が好きな人は作中に登場する植物園の先生みたいな人だと思うので。 植物を育てているというよりコレクターのようにみえてしまう。

Posted byブクログ

2021/05/20

主人公の気持ちがよく分からなかった… 全てにおいて冷めてる感じですかね。 物語と植物が絡み合って、イメージ的には静かな物語のように感じられます。 主人公は、最後は何かが変わり始めたんでしょうね。 人間ってのは複雑ですね。

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