ガーデン の商品レビュー
一度読んだだけでは、まだ主人公のことを理解し切れない。ただ過去の経験があったからこそ、主人公は周りに流されず強い芯を持って、自分のペースで生きるのだと納得した。 経験の積み重ねで価値観は変わっていくし、人生の方向性も刻々と変化していくのだと実感。一つひとつの経験を大切にしようと思...
一度読んだだけでは、まだ主人公のことを理解し切れない。ただ過去の経験があったからこそ、主人公は周りに流されず強い芯を持って、自分のペースで生きるのだと納得した。 経験の積み重ねで価値観は変わっていくし、人生の方向性も刻々と変化していくのだと実感。一つひとつの経験を大切にしようと思った。 様々な表現方法や言葉が使われていて、インプットが増えていく作品。千早さんの他の作品にもチャレンジしたい。 また、読み終えたとき猛烈に「植物図鑑」が読みたくなった!
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人間に対する愛情が欠如している男性が、1人の女性と出会って人間味を取り戻す話…かと思ってたら、そんな簡単な話じゃなかった(笑) 難しいな〜何て分類すればいいんや〜
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静かで落ち着いた語り口が良い。 一人で充足し、かつ社会と関わりを持たないわけでもない。植物を育て、淡々と生活する主人公。 こういう人と付き合うのは大変かもしれないけど、こういう人になりたい気はする。
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人は無自覚のうちに人や物に期待し、求めてしまう生き物なのだと思った。 主人公は人に対してあまり期待していないが、その分植物が欲望を満たす代わりになっていると思う。 自分自身は幸せを求めていないと思っていても、植物と接する行為そのものが幸せを求める行為だと思う。 緋奈の「不自然」と...
人は無自覚のうちに人や物に期待し、求めてしまう生き物なのだと思った。 主人公は人に対してあまり期待していないが、その分植物が欲望を満たす代わりになっていると思う。 自分自身は幸せを求めていないと思っていても、植物と接する行為そのものが幸せを求める行為だと思う。 緋奈の「不自然」という言葉に今まで主人公に対して抱いていたモヤモヤが収まった。 何が起きても泣かない、怒らない主人公自身が植物のようだ。
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きざしに敏感で不器用なひとたちの物語。 p.83『「いま、流行っているんですって」』 この物語の主人公にとって、この言葉が交わされる日常は苦痛ではないのだろうか。 生き方が不器用なひとたち。 器用、不器用とはいったいなんだろう、と考えてしまう。 もちろん、能力の高低もそ...
きざしに敏感で不器用なひとたちの物語。 p.83『「いま、流行っているんですって」』 この物語の主人公にとって、この言葉が交わされる日常は苦痛ではないのだろうか。 生き方が不器用なひとたち。 器用、不器用とはいったいなんだろう、と考えてしまう。 もちろん、能力の高低もそこに含まれるだろう。しかし、能力の高低は生き方の器用さを規定するそのものではなく、あくまでも因子に過ぎないようにも思う。 P.202『幸せはもしかしたら不自然なことなのかもしれない』 植物はどうなんだろう。 美しい花であるけれども、普段見えない土の下では根を広げてゆく。深く、広く浸食するように。 その様は暴力的でグロテスクでさえあるかもしれない。 人間も実際は、どんなに着飾っていようと、どんなにきれいな顔立ちだろうと、どんなに元気そうでいても、こころの奥底ではグチャグチャとどす黒いさまざまな感情が蠢いている。 気づかぬうちに枯れている花のように、ひとも突然、こころと身体がぽっきり折れたりする。 物語中盤の樹木医が語るきざし。 ひとにもきざしがあって、あまりにもそのきざしに敏感で触れたくないから、交流を避けるのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幸せはもしかしたらすごく不自然なことかもしれない 人が一人なのも、さびしいのも当たり前のことだ。それを不幸と思わなければいいだけのことだと思う。幸福でも不幸でもない、ただの事実なのだから。 私も発展途上国で子供時代を過ごしたけど、結局は環境じゃなくて親友達周りの人だと思う。 使用人、って呼ぶことはなかったから。 最後、主人公にちゃんとおかしいよ、をぶつけてくれて安心した。 前も思ったけど、千早さんの作り出す世界は独特で、湿度があって好きです。
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人に踏み込まない、心を開かない主人公。 主人公は壊されたくない景色や思い出がある。私もあると思った。それはもしかしたら美化されてしまっているかもしれないけれど、その景色が大切で、自分を支えている。
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みんな、それぞれの庭の中にいて、 壊してくれる人を待っているのかもしれない。 緑の濃い匂いに包まれて、 呼吸がしやすいようで、苦しいような読書でした。
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静寂に包まれていくような文章だった。 でもどこか熱を帯びていて、人間のにおいがしてた。 ミカミさんもタナハシも、理沙子も好きだった。 羽野は、最初に抱いたイメージが読み進めるにつれて崩れていって、人間らしさがでてきて、なんかほっとした。 読んだことのない作家の本を買うことって今...
静寂に包まれていくような文章だった。 でもどこか熱を帯びていて、人間のにおいがしてた。 ミカミさんもタナハシも、理沙子も好きだった。 羽野は、最初に抱いたイメージが読み進めるにつれて崩れていって、人間らしさがでてきて、なんかほっとした。 読んだことのない作家の本を買うことって今もうほとんどないから(だいたいの場合入り込めない)、貴重な1冊になった。せっかく出会えたから他の著書も読みたい。 ミカミさんの言葉。 お願いごとをすることは、自分にとってなにが大切かを考えるってことなんです。その人が自分を見つめなおす場をつくることがお寺の役割で、願いを叶える叶えないではないんですよ。 夏休み2冊目。
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