ガーデン の商品レビュー
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植物の青々しさ、女性を花に例えるような表現、人間たちの生々しい会話や表情が言葉でうまく表現されていました。 帰国子女だけどそのことについて騒ぎ立てず、周りに溶け込もうとする感覚は共感しました 物語は少し物足りなく感じたけど、情景や設定はすごく好きだったので一瞬で読み終えました。 千早茜さんの作品、もっと読んでみたくなりました。
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「他者理解と距離感」の話。 幼少期を過ごした帰国子女としてのエピソードと、 主人公の繊細で神経質な性格とがリンクせず、最後までいまいち腑に落ちなかった。 ただ都会に住んでいると「自分をさらけ出してもどうせ理解されないのだから、これくらいの距離感を適度に保っておこう」とか、「自分はどうしてここにいるのだろう」とふと疑問を抱き、他者と関わることで逆に孤独を感じる瞬間は確かに共感する部分がある。 そこから一歩踏み込むことで得られるものがあるのではないかと思い、ムズムズしながらの読了。(レビューもスッキリしない・・)
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主人公が帰国子女ということを知って、自分も帰国子女なので、これはぜひ読んでみたい!と思った本。 大切な人を亡くしたとかではないけど、前まで住んでいた場所を離れて、感じる喪失感を誰かに説明するのは難しいっていうところはすごい分かる。 今まで当たり前のように、悪目立ちすることなく使っ...
主人公が帰国子女ということを知って、自分も帰国子女なので、これはぜひ読んでみたい!と思った本。 大切な人を亡くしたとかではないけど、前まで住んでいた場所を離れて、感じる喪失感を誰かに説明するのは難しいっていうところはすごい分かる。 今まで当たり前のように、悪目立ちすることなく使っていた言語も、環境が変わると使う場面もめっきり減って、自分の個性の一部を一時的に強制的に失っている感覚--これも喪失感かな? 人を理解することが難しいから、理解してもらえるようなことを人には望まない。 この本の主人公の考え方や人との距離の置き方を知ってちょっと安心した。一緒だ〜って思った。(笑) 主人公にとっては、植物は管理がしやすいけど、人って求めるものがその時々によって違うし、変わるし、複雑でおもしろい。主人公の心が変化するところ読むのが楽しかったです。 心をかき乱されるようなことがあるって素敵なことだし、もっと人から影響を受けて人生楽しもうよ!っていわれているような物語に思いました。
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昨日の夜は嵐のように雨が吹き荒れていましたが今は小雨になってきました。ベランダの観葉植物を部屋に入れて避難。植物たちの安心したような呼吸が聞こえてくるよう。県内の少し離れた地域では線状降水帯となったところがあり、皆さんが無事で過ごせることを願っています。 こちらの本はさてさてさんのレビューで気になってお取り寄せ。千早茜さんの作品を知るきっかけを作ってくださりありがとうございます。 主人公の羽野は、海外滞在した経験のある、雑誌の編集勤務で、3,4カ月先の季節を追いかけて取材という毎日。「季節なんて人間が勝手に区切るものかもしれない」自宅はそんな人間関係からの壁を作るように観葉植物にあふれた空間。 「同じ社会に属しているからって、どうして頭の中まで共有しなきゃいけないんだと思う」 同僚ミカミさんのことを「心の底に何か得体のしれないものを抱えていそう」 「「ひとり」に過剰に敬称をつけると、「お殿さま」に似た小馬鹿にしたニュアンスがただよう気がする」 「見えない台本は人と人との間には必ずある。仕事でもプライベートでも」 「会社にいると、どんどん毛穴が塞がれていくようで、廊下に出る度に深呼吸をしてしまう」 人間関係のわずらわしさ、違和感を抱えつつ上手に距離を置いて生活しているつもりの主人公。 「しばらく苔といっしょになって木漏れ日を浴びた。木々や草花にあふれているわけでもないのに、どこまでも緑が満ちていた」作中に出てくる京都の苔寺は実際に訪れたことがあるので追体験できて贅沢な気分。 タナハシさんの部屋から救出した苔玉が回復しますように。居心地の良い庭から飛び出して、赤い唇の彼女に会いたい気持ちを確かめるような結末が晴れ間を見せる空のようでした。 いくつもの観葉植物、時々気になって検索。チュベローズ、ユーパトリウムの本物を見てみたい。
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このテの小説の感想は苦手なんですよね。持論になってしまいがちになるので。なので ・植物に詳しくなった ・文章が好き ・表現が多彩 ・人との距離感は大切に ・やっぱり千早茜さんの本は良い になります。
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「この人(あの人)が理解できない」と話題に上がるときに、この人は他人が理解できると思ってるのか?と不思議な気持ちになります。 自分自身のことも理解できているとは到底思えないのに、他人のことなんて理解できない。理解できずとも、「そういうこともあるか…」と許容するくらいで良いのではな...
「この人(あの人)が理解できない」と話題に上がるときに、この人は他人が理解できると思ってるのか?と不思議な気持ちになります。 自分自身のことも理解できているとは到底思えないのに、他人のことなんて理解できない。理解できずとも、「そういうこともあるか…」と許容するくらいで良いのではないかと思います。 レッテルを貼るのは簡単だけれど、貼った時点から変化しててもなかなか剥がすことができなくて、どんどん乖離していく。苦しい。 でも、この主人公は極端だし、「傷付きたくない、ぶつかりたくない」や「手の届く範囲はコントロールしていたい」が強すぎる気がしました。 自然だと思ってた世界を「不自然」だと指摘された羽野は、外の世界に手を伸ばせるのかな。ぶつかって傷付く事ができるといいなと思いました。 誰も好んで傷付きたくないけど、人と関わっていくとは傷付く事でもあります。しんどくなっても、わたしも諦めずにいたい。 千早茜さんの目線はとてもフラット。 なので読んでいてとても落ち着くのだけれど、読んでいる間にどんどん熱が高くなってきて気付いたら心が焼かれています。冷静なまま、息苦しくなってくる。 言葉で植物が描かれる、噎せ返る世界でした。尾崎世界観さんの解説も良かった。
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うまく言葉にできないけど心の中に漠然とあるものを掴み言葉で表現することができる作者。 「自分のためだけに生きること、足りないものを自分で埋めていくことって時々虚しく思えてくることがある。」 「結婚の目的が存在の肯定なのだとしたら…自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい。でも誰かと...
うまく言葉にできないけど心の中に漠然とあるものを掴み言葉で表現することができる作者。 「自分のためだけに生きること、足りないものを自分で埋めていくことって時々虚しく思えてくることがある。」 「結婚の目的が存在の肯定なのだとしたら…自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい。でも誰かとペアにならなくてはいけないと思い込むのは強迫観念に近い」 神仏への願い事について、「お願いごとをすることは、自分にとってなにが大切かを考えること。自分を見つめなおす場をつくることがお寺の役割で、願いを叶える叶えないではない」 「あまりに沢山の願いことがあるのと、まったくないのとは、何も願えないという点では似ている」 心を掴まれた表現の一部。 ストーリーもおもしろいのだけど、自分を見つめなおすきっかけになった。
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何って言うわけじゃないけど いろんなものや人をたくさんの植物や花で 例えてくれるから 読みながら調べたりして楽しかった 等々力渓谷や、小石川植物園に いってみたくなりました
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植物の、みずみずしい色と香りが むわっと漂って染み渡るようなお話でした。 どうしたって理解できないもの、 他人と自分の境界、 これまで沢山ぶつかってきて なお戸惑っているこうしたこととは、 そのまま向き合っていればいいのかなと 思えました。 植物園に行きたいな シンガポールに...
植物の、みずみずしい色と香りが むわっと漂って染み渡るようなお話でした。 どうしたって理解できないもの、 他人と自分の境界、 これまで沢山ぶつかってきて なお戸惑っているこうしたこととは、 そのまま向き合っていればいいのかなと 思えました。 植物園に行きたいな シンガポールにも行きたいな
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植物が好きなので、自然が好きなのかと思いきや人の手が入って整理された植物の方が好きそうな主人公。持っている鉢植えを手入れするのが好きなようで、女の人を支配したいのか、価値観にはめ込みたいのかその辺はよくわからなかったのですが、なにかの暗示…?自分の殻に閉じこもってる感じ? 女の...
植物が好きなので、自然が好きなのかと思いきや人の手が入って整理された植物の方が好きそうな主人公。持っている鉢植えを手入れするのが好きなようで、女の人を支配したいのか、価値観にはめ込みたいのかその辺はよくわからなかったのですが、なにかの暗示…?自分の殻に閉じこもってる感じ? 女の人に興味ないふりしてるけど、好き?。正論ばっかりぶつけて女の人達に呆れられて最後は離れられてく。でも、小さな理想の心の庭から最後は出て行く。その先はきっとちゃんと本音で他人と付き合っていきそう。
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