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ガーデン の商品レビュー

3.5

69件のお客様レビュー

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2023/06/13

このテの小説の感想は苦手なんですよね。持論になってしまいがちになるので。なので ・植物に詳しくなった ・文章が好き ・表現が多彩 ・人との距離感は大切に ・やっぱり千早茜さんの本は良い になります。

Posted byブクログ

2023/06/07

「この人(あの人)が理解できない」と話題に上がるときに、この人は他人が理解できると思ってるのか?と不思議な気持ちになります。 自分自身のことも理解できているとは到底思えないのに、他人のことなんて理解できない。理解できずとも、「そういうこともあるか…」と許容するくらいで良いのではな...

「この人(あの人)が理解できない」と話題に上がるときに、この人は他人が理解できると思ってるのか?と不思議な気持ちになります。 自分自身のことも理解できているとは到底思えないのに、他人のことなんて理解できない。理解できずとも、「そういうこともあるか…」と許容するくらいで良いのではないかと思います。 レッテルを貼るのは簡単だけれど、貼った時点から変化しててもなかなか剥がすことができなくて、どんどん乖離していく。苦しい。 でも、この主人公は極端だし、「傷付きたくない、ぶつかりたくない」や「手の届く範囲はコントロールしていたい」が強すぎる気がしました。 自然だと思ってた世界を「不自然」だと指摘された羽野は、外の世界に手を伸ばせるのかな。ぶつかって傷付く事ができるといいなと思いました。 誰も好んで傷付きたくないけど、人と関わっていくとは傷付く事でもあります。しんどくなっても、わたしも諦めずにいたい。 千早茜さんの目線はとてもフラット。 なので読んでいてとても落ち着くのだけれど、読んでいる間にどんどん熱が高くなってきて気付いたら心が焼かれています。冷静なまま、息苦しくなってくる。 言葉で植物が描かれる、噎せ返る世界でした。尾崎世界観さんの解説も良かった。

Posted byブクログ

2023/05/18

うまく言葉にできないけど心の中に漠然とあるものを掴み言葉で表現することができる作者。 「自分のためだけに生きること、足りないものを自分で埋めていくことって時々虚しく思えてくることがある。」 「結婚の目的が存在の肯定なのだとしたら…自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい。でも誰かと...

うまく言葉にできないけど心の中に漠然とあるものを掴み言葉で表現することができる作者。 「自分のためだけに生きること、足りないものを自分で埋めていくことって時々虚しく思えてくることがある。」 「結婚の目的が存在の肯定なのだとしたら…自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい。でも誰かとペアにならなくてはいけないと思い込むのは強迫観念に近い」 神仏への願い事について、「お願いごとをすることは、自分にとってなにが大切かを考えること。自分を見つめなおす場をつくることがお寺の役割で、願いを叶える叶えないではない」 「あまりに沢山の願いことがあるのと、まったくないのとは、何も願えないという点では似ている」 心を掴まれた表現の一部。 ストーリーもおもしろいのだけど、自分を見つめなおすきっかけになった。

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2023/01/06

何って言うわけじゃないけど いろんなものや人をたくさんの植物や花で 例えてくれるから 読みながら調べたりして楽しかった 等々力渓谷や、小石川植物園に いってみたくなりました

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2022/12/25

植物の、みずみずしい色と香りが むわっと漂って染み渡るようなお話でした。 どうしたって理解できないもの、 他人と自分の境界、 これまで沢山ぶつかってきて なお戸惑っているこうしたこととは、 そのまま向き合っていればいいのかなと 思えました。 植物園に行きたいな シンガポールに...

植物の、みずみずしい色と香りが むわっと漂って染み渡るようなお話でした。 どうしたって理解できないもの、 他人と自分の境界、 これまで沢山ぶつかってきて なお戸惑っているこうしたこととは、 そのまま向き合っていればいいのかなと 思えました。 植物園に行きたいな シンガポールにも行きたいな

Posted byブクログ

2022/12/10

植物が好きなので、自然が好きなのかと思いきや人の手が入って整理された植物の方が好きそうな主人公。持っている鉢植えを手入れするのが好きなようで、女の人を支配したいのか、価値観にはめ込みたいのかその辺はよくわからなかったのですが、なにかの暗示…?自分の殻に閉じこもってる感じ? 女の...

植物が好きなので、自然が好きなのかと思いきや人の手が入って整理された植物の方が好きそうな主人公。持っている鉢植えを手入れするのが好きなようで、女の人を支配したいのか、価値観にはめ込みたいのかその辺はよくわからなかったのですが、なにかの暗示…?自分の殻に閉じこもってる感じ? 女の人に興味ないふりしてるけど、好き?。正論ばっかりぶつけて女の人達に呆れられて最後は離れられてく。でも、小さな理想の心の庭から最後は出て行く。その先はきっとちゃんと本音で他人と付き合っていきそう。

Posted byブクログ

2022/11/22

他人との距離感を考えた1冊。場面が映像として容易に思い浮かびました。 他人と深く関わらないことで、他人を傷つけず、自分のテリトリー(ガーデン)も汚されない。そんな主人公の心情は、私自身にも通ずるところがあるので分かる。卑怯かもしれないけど、知らなければよかったってことを自分から知...

他人との距離感を考えた1冊。場面が映像として容易に思い浮かびました。 他人と深く関わらないことで、他人を傷つけず、自分のテリトリー(ガーデン)も汚されない。そんな主人公の心情は、私自身にも通ずるところがあるので分かる。卑怯かもしれないけど、知らなければよかったってことを自分から知って傷つくならいっそのこと関わりたくないと思う時があるし、羽野のように徹底できたら楽だと思う。一方では否が応でも他人との距離感を繊細に感じ取れることもあり、それはそれで寂しいし、「あっ、いま離されてる」って思った時は何とも言えず、肩に重い岩がのしかかったような気分になる。しかも、羽野は達観しておきながら他人に正論をぶつけるのはずるい。 最後は意外な展開だった。羽野が自分のガーデンを壊した瞬間。 「欲しいのは気のきいた返事でも、優しい嘘でも、不確かな約束でもないの。その瞬間の自分を分かってもらいたいだけ」最近同じようなことをよく言っている気がする。

Posted byブクログ

2022/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

繊細な心を持った主人公を見ているのは時に苛立たしかった。 誰とも深く関わる気がないのに相手のことを全て知っているような顔をするところ。誰のことも理解していないのに、自分の理解者は求めている矛盾。同性相手にも理解を得られていないのに、女性は女性はとやけに性別を重視するところ。 終盤になってやっと羽野の主張が分かってきた気がする。同族嫌悪かもしれないが、私が羽野と知り合ったら作中の女性たちと同じように離れていくだろうなと思った。 女から連想して観葉植物を買い求めるシーンで、そういう植物の愛し方もあるんだと思った。たぶん何よりも自分自身が求めずにはいられないのだろう。だって本来はあんなに欲深い住まいを作る人だから。 人は孤独に違いないけれど本当は誰かと分かち合いたいという矛盾のなかに生きている。 動物は笑わないという話が印象に残った。

Posted byブクログ

2022/05/07

最初から最後まで一つひとつの言葉が繊細で綺麗な一冊でした。また、登場人物の言葉の所々に伏線が散りばめられているのもとても面白かったです。私は同じ性ということもあるのか、本書に登場する女性キャラクター達が何故このシーンでこんな事を言ったのか、その後になんて言ってほしかったのかをなん...

最初から最後まで一つひとつの言葉が繊細で綺麗な一冊でした。また、登場人物の言葉の所々に伏線が散りばめられているのもとても面白かったです。私は同じ性ということもあるのか、本書に登場する女性キャラクター達が何故このシーンでこんな事を言ったのか、その後になんて言ってほしかったのかをなんとなくぼんやり考えながら読み進めていましたが、人によっては分からない人もいるのだと思うから、言葉って難しい。人生って難しい。チャンスは色々な場所にあるのに、その時々でも同じ言葉が違うニュアンスになったり、気持ちは同じなのに言葉によって反対の意味に捉えられてしまったりする。人間、誰でもあるような、日々での言葉の難しさによる誤解が招く事態には、あるあると共感しつつも自分の過去と照らし合わせて、自分の至らなさに対する恥ずかしさも思い出す。 本書では植物が沢山登場する。知ってる花をもっと詳しく知ることも出来たし、知らないものを調べてみると自分の好みの発見する事ができた。特に私が好きな文章を載せておく。 「長くのびた桜の枝は風が吹くたびにゆらゆらと揺れて、泡のような花を散らした。なんだか心許ない。実体が掴めない。桜は不安の代名詞のような花だと思う。」 本書を購入したきっかけは千早さんの本が気になっており、そして尾崎さんが解説を書いていたという何とも安易な選択ではあったが、読んで大正解でした。千早さんの織りなす言葉は美しいし、尾崎さんの解説もまた人間味があって一ファンとして書かれていたり、自分の語彙では説明できなかった気持ちを文章化して下さってとても納得できた。

Posted byブクログ

2022/04/18

あぁ、読中に感じていた忌避...。読後に突き付けられる。自分の中でひた隠しにしていたものが露わになる...。所々にひっそりと咲く、何気ない表現にふと感じ入る。上手いなぁ…。またいつか再読したい作品です。

Posted byブクログ