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首里の馬 の商品レビュー

3.4

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2021/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

緩やかな絶望って感じの本だった。 対比表現がかなりはっきりしてて好き。 最後の未名子の告白、気持ちを伝える苦しさはとても共感して泣きそう。それってとっても難しいよなって思う。警察とか倫理に少しはみ出してるって感覚は味わった事ないけど、薄らとその苦しさが分かる気がする。 情報を残す事が生き甲斐となってたけど、私もどこかで何かに小さな繋がりがあるんだろうなって考えた。この本を読んだあとだと、かなりセンチメンタルな気分。ギバノみたいに、どこかに閉じ込められてそのまま潰えるような。 芥川賞らしさが出ててかなり好き。盛り上がりが少し弱いから、おすすめは難しい……。でも、最近の直木賞の陳腐な物語よりずっと良いです!!!!

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2022/02/03

沖縄に住む主人公は資料館の資料の整理とオンライン通話でクイズを出題するオペレーターをしている。そんな主人公の日常を描いた作品。主人公の家にいきなり馬が迷い込んできたり、特殊な仕事内容だったり、“普通”ではなさすぎて、どこかSFを読んでいるような気持ちになった。あまり主人公に感情移...

沖縄に住む主人公は資料館の資料の整理とオンライン通話でクイズを出題するオペレーターをしている。そんな主人公の日常を描いた作品。主人公の家にいきなり馬が迷い込んできたり、特殊な仕事内容だったり、“普通”ではなさすぎて、どこかSFを読んでいるような気持ちになった。あまり主人公に感情移入できず、なぜ馬を交番に連れて行ったのか、なぜそこから連れ戻したのか今ひとつわからなかった。

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2021/09/14

居酒屋で隣になった方からオススメされた本作(笑) うーん…素直に言うとあんまり面白さが見出せなかったかなぁ… ただ作品のせいというよりも、自分の知識と想像力…というか人間力というか…そこらへんが足りてなかったのかと(笑) 特に戦後の状況とか、そのへんの雰囲気とか感覚というの...

居酒屋で隣になった方からオススメされた本作(笑) うーん…素直に言うとあんまり面白さが見出せなかったかなぁ… ただ作品のせいというよりも、自分の知識と想像力…というか人間力というか…そこらへんが足りてなかったのかと(笑) 特に戦後の状況とか、そのへんの雰囲気とか感覚というのがイマイチ掴めていなくて…よく分からんな…と思いながら、最後まで頑張って読み切ったという感じ。 沖縄の歴史、その情報を守ろうとする主人公。 作品に漂う、物悲しく孤独な雰囲気。 そこにアクセントを加える独自の設定。 「世界の果ての孤独な業務従事者へのクイズを出すという不思議な仕事」と「宮古馬」等々… 作者の土俵であるSF的なオリジナリティーを入れながら構成されるこの独特な雰囲気がウリなのかなと。 やらんとしてることはわかるし、評価された面も何となく分かるんだけども… 自分にはちょっと…という感じでしたね。 ハマる人にはハマるんだと思います。 あと、個人的にはカンベ主任がけっこう好きでした。 一つ一つの言葉を大切にするというか…こういう感じの喋り方をする方ってとても誠実な気がして。 感想をまとめると「目指せカンベ主任」かな(笑) <印象に残った言葉> ・瞬間、小さい悲鳴を飲みこんだのは、カーテンを引き開けた目の前、未名子の家の小さな庭にいっぱいの、大きな一匹の生き物らしき毛の塊がうずくまっていたからだ。(P63) ・あいさつの声ひとつ取っても、大きく明瞭なことこそが価値があって優れている、と信じて疑わない人間のことが幼いころから苦手だったというのもある。(P79) ・ただ未名子は、そんなことはないほうがいい、今まで自分の人生のうち結構な時間をかけて記録した情報、つまり自分の宝物が、ずっと役に立つことなく、世界の果てのいくつかの場所でじっとしたまま、古びて劣化し、穴だらけに消えてしまうことのほうが、きっとずっとすばらしいことに決まっている、とあたたかいヒコーキの上で揺られながらかすかに笑った。(P158) <内容(「BOOK」データベースより)> この島のできる限りの情報が、いつか全世界の真実と接続するように。沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて……。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。

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2021/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書備忘録603号。 ★★★。 第163回芥川賞受賞作。 うん。私には芥川賞作品は合わない。笑 純文学で純粋に美しい文章、著者の思想的なものが俊逸な作品に贈られる賞ですが、楽しめるストーリーが無いと入り込めません。娯楽文学が好き。直木賞のが良い。 主人公は沖縄に住む未名子。なんか孤独な女子。 私設資料館の資料をボランティア的に整理しながら、世界の遠方にいる解答者にクイズを送るという仕事をしている。遠方の相手もなんか孤独。宇宙空間にいる。南極の地下にいる。戦場のシェルターにいる。 そして未名子の家の庭先に宮古馬が迷い込む。ヒコーキと名付ける。 私設資料館が閉鎖される。資料をアーカイブする。世界で繋がっている孤独者にデータを送る。ヒコーキをガマに匿って乗りこなすようになる。 孤独の繋がり?繋がっているけど孤独なん?なんなん?笑 150pですが、50pくらいで語れる内容。意味をなさない文章を無駄と思ってしまうのは、仕事柄のロジカルライティング頭での読み方が染みついてしまったか・・・。

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2021/08/22

第163回芥川賞受賞作。 沖縄、情報、クイズ、馬、仕事。 個人的な純文学のイメージとは違い、なんとも奇妙な物語。 純文学は読み慣れていないが、ファンタジー的な雰囲気もあって読みやすい。 落ち着いているけど、どこかおかしい主人公に、意外と感情移入して読めた。 一人の人間の営みは些細...

第163回芥川賞受賞作。 沖縄、情報、クイズ、馬、仕事。 個人的な純文学のイメージとは違い、なんとも奇妙な物語。 純文学は読み慣れていないが、ファンタジー的な雰囲気もあって読みやすい。 落ち着いているけど、どこかおかしい主人公に、意外と感情移入して読めた。 一人の人間の営みは些細なものでも、何らかの意味はある…、と考えられたら、少しは人生を楽に生きられるかな、とか思ったり。

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2021/08/21

第163回芥川賞受賞作。今年の芥川賞もお取り寄せしているので、届く前に積読から抜き出して一気に読了。 はい。芥川賞ですね。読後感と言い、分量と言い。 首里という舞台。資料館、クイズの問読者、宮古馬。「宝島」のように沖縄問題に切り込んだ話なのかと思ったら、SFでしたね。クイズの解答...

第163回芥川賞受賞作。今年の芥川賞もお取り寄せしているので、届く前に積読から抜き出して一気に読了。 はい。芥川賞ですね。読後感と言い、分量と言い。 首里という舞台。資料館、クイズの問読者、宮古馬。「宝島」のように沖縄問題に切り込んだ話なのかと思ったら、SFでしたね。クイズの解答者達はどうなるんだろうとか、未名子とヒコーキはこの後どうやって暮らしていくんだろうとか疑問に思ったけど、野暮なのでやめときます。 アメリカ横断ウルトラクイズもこう書かれてしまうのかと、時の流れを感じた。

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2021/07/01

なんか不思議な、優しいお話。 いつか誰かが知りたいと思った時にアクセスできるよう、記録を残すという仕事。 順さんは調べる仕事だったけど、未名子は残す仕事。これは似てるようでぜんぜんちがう。 クイズは、記録を整理することかな。 残す仕事って、なかなか評価されにくいんだけど、とても...

なんか不思議な、優しいお話。 いつか誰かが知りたいと思った時にアクセスできるよう、記録を残すという仕事。 順さんは調べる仕事だったけど、未名子は残す仕事。これは似てるようでぜんぜんちがう。 クイズは、記録を整理することかな。 残す仕事って、なかなか評価されにくいんだけど、とても大事だ。 評価されにくいから、お金になりにくい。 お金のことがぜんぜん出てこなかったし、未名子は若いから、これから色々変わらなきゃいけないんだけど、そのことを不安に思いながら読み終わるんじゃなくて、受け入れた上でやりたいことを続けるってとこが、優しい話だなとおもった。

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2021/06/10

見ず知らずの人が作った民俗資料館らしき建物でデータ整理の作業をしつつ、外国人に日本語クイズを出す仕事で生計を立てている主人公が、台風の日に拾った宮古馬を手名付けて乗りこなすという作品。何言ってるかわかんないでしょう?俺も分からん

Posted byブクログ

2021/05/23

途切れ途切れ読んだため、内容が上手く把握できなかった。沖縄の悲惨な過去とある女性2人の生き方をフューチャーした話。なんだか強い意志を感じた。それが宮古馬との関わりがまた絶妙だった。

Posted byブクログ

2021/05/21

沖縄を舞台に、知識を蓄え続ける女性の祈りを描く。 何の話なのか中々掴めず、Questionを抱えながら読み進めたのだけど、、宮古馬の出会いからグンと引き込まれ、ラストには泣いてしまった。 物寂しく、ささやかで、美しい。何度も読み返したい作品。

Posted byブクログ