一人称単数 の商品レビュー
彼女のお兄さんとの話が印象的だった。彼女は自殺していた。 クレム・ド・ラ・クレム=人生のいちばん大事なエッセンス シューマンの謝肉祭を聴きたくなった。
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村上春樹自身の記憶なのだろうか。と想像してしまう。けれど、それはないなと思うような描写と、思わずいや待てよ、と思わせられるリアルな設定とが行き来するのがおもしろい。 ただ、とにかくやはり、村上さんの女性観とか関係性の描き方とかが好きじゃない。こういう語り口が多くの男性にとって共感...
村上春樹自身の記憶なのだろうか。と想像してしまう。けれど、それはないなと思うような描写と、思わずいや待てよ、と思わせられるリアルな設定とが行き来するのがおもしろい。 ただ、とにかくやはり、村上さんの女性観とか関係性の描き方とかが好きじゃない。こういう語り口が多くの男性にとって共感できるものなんだろうか。。。残念だなぁと毎回のように感じる。 個人的な相性だが、上記のような感性の滲み出ている文章なので、だんだん読んでるのがつらくなる。。。上手いのだとは思うけれど。 オススメされて読んでみたけど、やっぱりダメだった。。。( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
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初読。図書館。8つの短編集。どの作品にも村上さんの色が濃くついていることに、なぜだか安心感をおぼえる。「ヤクルト・スワローズ詩集」が好き。エッセイとしか思えないんだが創作なんだよねぇ。
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若いころのみずみずしさのようなものはなくなっちゃったけど、それはこっちの歳のせいかもしれないし、長いつきあいだから新刊が出ると半分自動的に読んでいる。なにしろ高校生のときに初期三部作を読んで以来だから。
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最近、村上春樹の長編も短編もスルスル読めるようになった。私の変化⁉︎ なんか表面上はわかりやすくなってるような気がする。 「クリーム」「ウィズ・ザ・ビートルズ」は神戸が舞台になっていてうれしい。 私小説っぽく見える作品も好きだ。
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すべてが一人称単数で回想する形で語られ、起承転結のはっきりしない話が多い(ハッピーエンドは一つもないかもしれない)です。また、明らかに作者の実体験であるエピソードが中盤に挟まれます。これらのことにより、すべての話に、妙なリアリティを付与する効果が生まれているように思います。 普段、物事に対して深く思慮する暇のない社会人(私もそうです)が読めば、少し、息継ぎができるかもしれません。 エピソードの一つ一つに曲調があり、シンガーソングライターのアルバムを聴いているような気持ちで読めました。音楽に造詣が深い作者なので、短編集を書くときは意識されてるのかな? 1曲目はファンキーで、(中略)締めは不穏でした。いい並びだと思いました。
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くすりと笑える話が結構あった 短歌の話はとてもよかったし、 短歌自体が頭に残る 話としてはほかの村上春樹と同じように 多分どれも記憶に残らないけど、 全部読んでる時は楽しかった
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村上春樹の短編集。不思議な世界へと数行で引き込むのが得意な村上春樹節が全開。 今回の特徴は、過去の作品とも近い、昔あった女性への回顧、美化された記憶の残り香を文章にしていることだ。高校時代に通り過ぎたビートルズのレコードを持っていた少女、大学時代に一度寝ただけの、短歌を作っている...
村上春樹の短編集。不思議な世界へと数行で引き込むのが得意な村上春樹節が全開。 今回の特徴は、過去の作品とも近い、昔あった女性への回顧、美化された記憶の残り香を文章にしていることだ。高校時代に通り過ぎたビートルズのレコードを持っていた少女、大学時代に一度寝ただけの、短歌を作っている女性、ボサノバを引くバード、つまりチャーリーパーカー。ニューヨークにいると、このバードランドでお酒を飲んでいたら、きっとこんな短編ができるのかもしれない。過去の女性とは、どこまでも残って美化されてしまい、現実とはかけ離れた妄想の中で生きている。それは、きっと、寝た人ということでも実はなかったりするし、今のようにFacebookでつながっていることで今を知ってしまうこともできない方が、より美しいのかもしれない。この一人称単数というテーマは、村上春樹の体験の追体験というものでありながら、自分自身がそうであったかのように、そして自分にホラー映画を見せているように、一人称単数になっていく。最後の作品、書き下ろしとなる一人称単数は、バーで店員から、罵られ、軽蔑される。友達の友達という店員に対して、お金を払って出ていくが、彼女のがいう水辺で行ったひどい仕打ちとは何か、がさっぱりわからない。でも、どこかでそういう行為があったことを自ら認め、想像しながらも答えが出ず。そして恥を知れと言われてしまう。この衝撃、ガツンと殴られるような瞬間のために、色々な女性への回顧があったのだと気が付く。その一つ一つを、自分の中から消してしまったのか、それは記憶がひと時なくなるという人の話と同じことなのだろうか。短編集として油断させておき、すべてを絡ませる手法で驚きの結末。さすがである。
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記憶する程ではないささやかな日常。通り過ぎる風景に溶け込む登場人物。それが村上春樹氏の手にかかると絹でセーターを編むかのように繊細で血が通う温かさみたいなのを感じる。短編集なのでさくさく読める。
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