一人称単数 の商品レビュー
すごく良い訳ではないが、悪くなかった。どの話もタイトル通り筆者自身が主人公で、短編ノンフィクション集といった趣(とはいえ品川猿はさすがにフィクション感が溢れるが)。 最初の2作品(石のまくらに、クリーム)には特徴らしい特徴がなく、読んでいて光るものはない。3作品目(チャーリー・...
すごく良い訳ではないが、悪くなかった。どの話もタイトル通り筆者自身が主人公で、短編ノンフィクション集といった趣(とはいえ品川猿はさすがにフィクション感が溢れるが)。 最初の2作品(石のまくらに、クリーム)には特徴らしい特徴がなく、読んでいて光るものはない。3作品目(チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ)は羊を巡る冒険のような世界観がありまぁまぁ。 ハッとする良さはないものの読んでいてニヤっとしたり感心したりするのが4,5作品目(ウィズ・ザ・ビートルズ、ヤクルトスワローズ詩集)。 6作品目も悪くないが、「醜い」という言葉があまりに多用されており賛否分かれそう。 読後感含めて最も作者らしいと思えるのは8作品目(一人称単数)。勝手だが外苑前あたりの地下のバーが想起され興味をそそる。 総じて、5つ星を与えるレベルではなかったものの騎士団長殺しのような著しい落胆はなく、気持ち良い読書体験をさせてもらった。
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