一人称単数 の商品レビュー

村上春樹(著者)

2020/09/24

おそらくほぼ全編文芸誌ですでに読んでいたのだが、この時期になかなか会えない同僚が、わざわざ郵便で送って貸してくれたので、丁寧に再読。やっぱり単行本はいいな、装丁も含めてひとつの作品。ジャズとかクラシックとか、コアな音楽とヤクルトスワローズ関連がやや苦手な人は（わたし？）だれもが「品川猿」がいちばん読みやすくて好きだろうけど、わたしは「クリーム」「ウィズ・ザ・ビートルズ」「謝肉祭」そして「一人称単数」も好きだな。丁寧に何度も読むには手元に置いておいてもいいかなと思える一冊。

2020/09/23

9月23日新着図書：【村上春樹氏の6年ぶりの短編小説集です。それぞれの短編につけられたタイトルを眺めるだけでもわくわくします】
タイトル：一人称単数
請求記号：910.26:Mu
URL：https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/

2020/09/22

デヴィッド・リンチの映画で「ストレイト・ストーリー」という作品があって、
何となくそれを思い起こすような雰囲気がある。
農夫の老人が農業用トラクターに乗って病気で倒れた弟に会いに行く、という物語で、
道中さまざま老人の金言が散りばめられて登場する。
この短編集を読むと、村上さんも歳をとったのかな？という感じもあるけれど、
同時に歳をとったからこその村上さん流の読者へのメッセージ、のようにも思えた。

「歳をとって一番イヤなのは若い頃のことを覚えていることだ」
「ストレイト・ストーリー」のこの言葉は大変印象深く残っている。

「ウィズ・ザ・ビートルズ」が何とも切なく胸を締め付けられた。

2020/09/21

夢なのか現実なのか、事実なのかフィクションなのか、一人称で語られると曖昧になるものだと気づく。
とりあえずプロ野球好きな子に、今のうちに詩を書いておくことを勧めた。

2020/09/21

まぁ可もなく不可もなくでしょうか。
何度か触れてますが、この作家の本領は長編にあるのであって短編ではない。短編で一番重要なのは情景描写と言いましょうか、読者自身に醸成させる間もなく頭に場面を思い浮かばせることかと思うのですが、この作家の志向はそちらには向いていないと思うんですが、個人的には。
とは言うものの後半3作くらいには、この作家らしさが垣間見えました。まぁ若干のもやもや感は残りますし、その解消はやはり長編という読む時間を必要とする設定が必要なんだろうと。

2020/09/19

たとえば
静かな水面に
ぽつん、ぼつんと雨粒が落ち
小さな波紋を広げ
いやな風も出てくるが
水が溢れ出たり、激しく波立つことはない。
そして
雲間から明るい陽が差し込むこともない。
なんとなく落ち着かない
ざわついた気持ちのまま放り出される。

2020/09/18

スーツを着て就職活動をする自分は自分じゃないと思っていたあの時が、今になって納得したというか、服を着たときに自分になれるかどうかは大事だな。と思いました。

2020/09/16

私はハルキストではなく、昔読んだノルウェーの森の内容すら記憶にないくらいの読者です。
書店で何となく手に取った「一人称単数」。短編だったので読みやすかった。中でも「品川猿の告白」と「ヤクルト・スワローズ詩集」はテンポ良く読めました。
しかし８作目の「一人称単数」の最後が理解が出来ず、これは「ハルキスト」の方々ならわかるのかなーと思った次第です。最後はどういう意味なのか…。

2020/09/14

決してハルキニストではないけれど、
村上春樹らしいと思える…
作品のテーマに、焦点というか、ピントの合いづらい…
モヤっとした感じ…(笑)
の短編集。

スワローズ詩集の中で、村上さん本人が自らの小説を「黒ビール」に喩えて語っているのが笑えた

2020/09/14

彼女のお兄さんとの話が印象的だった。彼女は自殺していた。

クレム・ド・ラ・クレム＝人生のいちばん大事なエッセンス

シューマンの謝肉祭を聴きたくなった。