龍の耳を君に の商品レビュー
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』シリーズ第2弾とのことだが、第1弾を読んだのが6年も前で、人間関係などを把握するため第1弾を読んでから本書を。 おかげですっきりと「デフ・ヴォイス」世界へ入って行け、主人公新井尚人と彼の恋人安西みゆきとその娘美和、それにNPO法人のメンバーたち...
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』シリーズ第2弾とのことだが、第1弾を読んだのが6年も前で、人間関係などを把握するため第1弾を読んでから本書を。 おかげですっきりと「デフ・ヴォイス」世界へ入って行け、主人公新井尚人と彼の恋人安西みゆきとその娘美和、それにNPO法人のメンバーたちの位置づけがよく理解できた。 本書は3話からなる連作短編とのことだが、第1話は、『逆転の切り札』というアンソロジーにて既読で、次の展開を予感させる終わり方だったが、2話、3話と続けて読むことで、納得。 荒井や他の人物たちの手話が丁寧に綴られており、読みながら思わず手を動かしていた。
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デフ・ヴォイスシリーズ第二弾。丸山さんの作品は、弱者に寄り添い、代弁者として声を上げているのに、少しも押し付けがましさや説教臭さがないのがすごい。知識や情報がたくさん盛り込まれているにも関わらず、それが会話の中なために、不自然さがなく、すっと頭に入ってくる。今回も純粋にミステリー...
デフ・ヴォイスシリーズ第二弾。丸山さんの作品は、弱者に寄り添い、代弁者として声を上げているのに、少しも押し付けがましさや説教臭さがないのがすごい。知識や情報がたくさん盛り込まれているにも関わらず、それが会話の中なために、不自然さがなく、すっと頭に入ってくる。今回も純粋にミステリーを楽しみつつ、たくさんの学び、気づきを得た。 『弁護側の証人』 聾学校の教師の教育法への自信に対する、生徒であった被告人の習熟感の低さ。教師と生徒の認識の大きな齟齬によって、聾学校の教育法に大きな疑問を投げかける。現在、日本の一般的な聾学校においては、聴覚口話法といって、補聴器を使って残存聴力を活用しながら、相手の唇の形や動きを見て話す内容を理解(読唇)し、同時に聴者の口の動き、喉や胸の震え、舌の位置だけを頼りに発声訓練(聴能訓練)を行う教育方法を採用している。難聴の程度や失官の時期がそれぞれ異なる複数の生徒を相手に行う訓練は困難を極め、習熟度にも差が出てくるために、その後にくる日本語の文法学習、その他教科の学習の遅れにつながることもある。被告人が、それだけで自身の無罪を証明できるのにも関わらず、発声を断固拒否した背景には、学校内でどれほどの成績をあげても、一般社会では通用しないという徒労感、虚しさ、失望、困惑顔を向けられる屈辱感があり、やり切れない。 『風の記憶』 どれほど読唇、口話に長けても聴者には決してなれないという劣等感と屈辱感に苛立ち、心にわだかまる憤懣を、人を疑うことを知らずのほほんと生きているように見える同じ聾者たちに向ける。被告人・新開の行動の底にある感情の機微に触れ切ないが、最後には、荒井の言によって自尊心を取り戻すに至り、安堵する。 『龍の耳を君に』 学校や公の場など他人と関わる特定の場面で話すことができなくなる場面緘黙症の少年・英知が手話により他人とかかわる言葉と勇気を得る。触覚過敏のために手をつなぐことができず、やむなく使用した幼児用リードを、他人に虐待呼ばわりされた、という母親の話には、同様にあまり良い印象を持っていなかった自分の無知さに深く恥じ入ってしまった。英知の証言によって明らかとなった事件の真相は、切なく悲しいものだったが、音声による会話がないゆえの親子の深い愛情の形に触れ胸が熱くなった。
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今回は場面緘黙の男の子に焦点が当たっていた。たしかに場面緘黙の子が手話を使うということもあるのか。と思った。でも手話はなかなか簡単には学べない。 ミステリー感もありつつ、というのもあるけどミステリーというよりも社会に訴えるものがある本だと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
オーディブルにて。 今回はより法廷に寄せて。 個人的に興味のある発達障害のこともテーマとして含まれてたので面白かった。 普段読まない作者さんでも法廷系だと読めちゃう説か、作者さんと合っているのか。とりあえず読み進める。
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手話通訳士の荒井尚人を主人公にした推理小説『デフ・ヴォイス』の続編。コーダ(聾者の親から生まれた聴者)でもある荒井が聾者の心の声に迫って救いの手を差し伸べる。今作は3編の連作で対象者は聾者ばかりではないが事件を目撃した少年が緘黙症であり手話が重要な役割を果たす。この少年に限らず荒...
手話通訳士の荒井尚人を主人公にした推理小説『デフ・ヴォイス』の続編。コーダ(聾者の親から生まれた聴者)でもある荒井が聾者の心の声に迫って救いの手を差し伸べる。今作は3編の連作で対象者は聾者ばかりではないが事件を目撃した少年が緘黙症であり手話が重要な役割を果たす。この少年に限らず荒井を取り巻く人物がとにかく魅力的だ。荒井の同居人親子(みゆき・美和)もそうだしNPO法人の関係者もいい。更に何森刑事は今作の出番は少ないながらも強いインパクトを残す。スピンオフ作品で彼が主役を張ったのも頷ける。
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Audibleにて。 前作がおもしろかったので、オススメのままに読んでみた。 後書きによれば、もともと続編は考えてなかったが、文庫化をきっかけに要望があり前作から七年後に続編を発行なさったとのこと。 にもかかわらず、不自然なところなどまったくなく、変わらずキャラがよかった。 今作...
Audibleにて。 前作がおもしろかったので、オススメのままに読んでみた。 後書きによれば、もともと続編は考えてなかったが、文庫化をきっかけに要望があり前作から七年後に続編を発行なさったとのこと。 にもかかわらず、不自然なところなどまったくなく、変わらずキャラがよかった。 今作では子供を中心に話がすすむので、身につまされることも多かった。
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オーディブルで聴きました。 一冊目より面白かった。 龍はヒゲで聞けるから耳はない。落とした龍の耳はタツノオトシゴになった。。。とのこと。今年の年賀状に耳付きの龍を描いてしまったのを後悔。 どうやって学んでいるのだろうと思っていたが、聾学校では口の中を触ったり、触らせたり、ほっぺ...
オーディブルで聴きました。 一冊目より面白かった。 龍はヒゲで聞けるから耳はない。落とした龍の耳はタツノオトシゴになった。。。とのこと。今年の年賀状に耳付きの龍を描いてしまったのを後悔。 どうやって学んでいるのだろうと思っていたが、聾学校では口の中を触ったり、触らせたり、ほっぺの震えを確認しながら、発声を学ぶということ。すごい。 そして、「やはり」だったが、警察の取り調べでも、聾者をぞんざいにあつかっているようで、警察にさらなる不信感を抱いた。小説の中の話だろうと言う人もいるかもとは思うけれど、この本に出てくる性格激悪の警官は普通に存在するに違いない。絶対。 音声言語にもネイティブスピーカーがいるように、手話にもいろんなレベルがあることを知りました。手話を学びたいとちょっと思った時期もあったけれど、下手だと手話のネイティブスピーカーから見下されそう…ってか、絶対されるでしょ。そこはマイナスイメージがついたかな。 いい話だった。聾者の世界を少し見学させていただきました。ありがとうございました。…という感想。
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「デフ・ヴォイス 法定の手話通訳士」続編。 作者のあと書きによれば、続編の構想は何森刑事にはあったが手話通訳士にはなかったそうだが、本書のあと既に2作発表されている。 ろう者の両親、兄弟の元に聴者(Coda)として生まれた手話通訳士荒井尚人が、日本のろう者の母語である日本手話...
「デフ・ヴォイス 法定の手話通訳士」続編。 作者のあと書きによれば、続編の構想は何森刑事にはあったが手話通訳士にはなかったそうだが、本書のあと既に2作発表されている。 ろう者の両親、兄弟の元に聴者(Coda)として生まれた手話通訳士荒井尚人が、日本のろう者の母語である日本手話によって、聴者とろう者の橋渡しをする。 弱者に向けた温かい眼差しが全編に漂い、やや波乱が起きそうだった荒井の私生活にも明るい兆しを見せて結末を迎える。
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デフ・ヴォイスの続編。 今回も私の頭の中では草彅剛さんが走り回る。。 今回は、聾者だけではなく、緘黙症の子供も手話で言葉を得る。 手話が、聾者のためのものではないということを知った。 英知くん、これからも身につけた言葉で未来を歩いていってほしい。 しかし、「正育学」は、ものす...
デフ・ヴォイスの続編。 今回も私の頭の中では草彅剛さんが走り回る。。 今回は、聾者だけではなく、緘黙症の子供も手話で言葉を得る。 手話が、聾者のためのものではないということを知った。 英知くん、これからも身につけた言葉で未来を歩いていってほしい。 しかし、「正育学」は、ものすごく差別的で、怖い思考だと思った。
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シリーズ2作目。 今回も凄く良かった。 知ることって大切。ろう者や手話、障害のある方が現代で生きていく上で感じる生きづらさ。 今回は場面緘黙症、発達障害を持つ少年も出てきた。 場面緘黙症について、実は小学校1年生の頃にクラスメイトの女の子がそうだった。 当時は無知で子供だった私は...
シリーズ2作目。 今回も凄く良かった。 知ることって大切。ろう者や手話、障害のある方が現代で生きていく上で感じる生きづらさ。 今回は場面緘黙症、発達障害を持つ少年も出てきた。 場面緘黙症について、実は小学校1年生の頃にクラスメイトの女の子がそうだった。 当時は無知で子供だった私は、その子に「なんでお母さんとは話せるのに、学校では話さないの?」「声出せないの?」と質問責めにして困らせてしまったことを思い出した。 ミステリー仕立てだけど、聴覚障害をもつ方や発達障害、支援学校のことなどを学ぶことが出来、また自分の認識不足を思い知らされる。
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