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龍の耳を君に デフ・ヴォイス 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2020/06/22 |
JAN | 9784488422219 |
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龍の耳を君に
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商品レビュー
4.2
72件のお客様レビュー
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』シリーズ第2弾とのことだが、第1弾を読んだのが6年も前で、人間関係などを把握するため第1弾を読んでから本書を。 おかげですっきりと「デフ・ヴォイス」世界へ入って行け、主人公新井尚人と彼の恋人安西みゆきとその娘美和、それにNPO法人のメンバーたち...
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』シリーズ第2弾とのことだが、第1弾を読んだのが6年も前で、人間関係などを把握するため第1弾を読んでから本書を。 おかげですっきりと「デフ・ヴォイス」世界へ入って行け、主人公新井尚人と彼の恋人安西みゆきとその娘美和、それにNPO法人のメンバーたちの位置づけがよく理解できた。 本書は3話からなる連作短編とのことだが、第1話は、『逆転の切り札』というアンソロジーにて既読で、次の展開を予感させる終わり方だったが、2話、3話と続けて読むことで、納得。 荒井や他の人物たちの手話が丁寧に綴られており、読みながら思わず手を動かしていた。
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デフ・ヴォイスシリーズ第二弾。丸山さんの作品は、弱者に寄り添い、代弁者として声を上げているのに、少しも押し付けがましさや説教臭さがないのがすごい。知識や情報がたくさん盛り込まれているにも関わらず、それが会話の中なために、不自然さがなく、すっと頭に入ってくる。今回も純粋にミステリー...
デフ・ヴォイスシリーズ第二弾。丸山さんの作品は、弱者に寄り添い、代弁者として声を上げているのに、少しも押し付けがましさや説教臭さがないのがすごい。知識や情報がたくさん盛り込まれているにも関わらず、それが会話の中なために、不自然さがなく、すっと頭に入ってくる。今回も純粋にミステリーを楽しみつつ、たくさんの学び、気づきを得た。 『弁護側の証人』 聾学校の教師の教育法への自信に対する、生徒であった被告人の習熟感の低さ。教師と生徒の認識の大きな齟齬によって、聾学校の教育法に大きな疑問を投げかける。現在、日本の一般的な聾学校においては、聴覚口話法といって、補聴器を使って残存聴力を活用しながら、相手の唇の形や動きを見て話す内容を理解(読唇)し、同時に聴者の口の動き、喉や胸の震え、舌の位置だけを頼りに発声訓練(聴能訓練)を行う教育方法を採用している。難聴の程度や失官の時期がそれぞれ異なる複数の生徒を相手に行う訓練は困難を極め、習熟度にも差が出てくるために、その後にくる日本語の文法学習、その他教科の学習の遅れにつながることもある。被告人が、それだけで自身の無罪を証明できるのにも関わらず、発声を断固拒否した背景には、学校内でどれほどの成績をあげても、一般社会では通用しないという徒労感、虚しさ、失望、困惑顔を向けられる屈辱感があり、やり切れない。 『風の記憶』 どれほど読唇、口話に長けても聴者には決してなれないという劣等感と屈辱感に苛立ち、心にわだかまる憤懣を、人を疑うことを知らずのほほんと生きているように見える同じ聾者たちに向ける。被告人・新開の行動の底にある感情の機微に触れ切ないが、最後には、荒井の言によって自尊心を取り戻すに至り、安堵する。 『龍の耳を君に』 学校や公の場など他人と関わる特定の場面で話すことができなくなる場面緘黙症の少年・英知が手話により他人とかかわる言葉と勇気を得る。触覚過敏のために手をつなぐことができず、やむなく使用した幼児用リードを、他人に虐待呼ばわりされた、という母親の話には、同様にあまり良い印象を持っていなかった自分の無知さに深く恥じ入ってしまった。英知の証言によって明らかとなった事件の真相は、切なく悲しいものだったが、音声による会話がないゆえの親子の深い愛情の形に触れ胸が熱くなった。
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今回は場面緘黙の男の子に焦点が当たっていた。たしかに場面緘黙の子が手話を使うということもあるのか。と思った。でも手話はなかなか簡単には学べない。 ミステリー感もありつつ、というのもあるけどミステリーというよりも社会に訴えるものがある本だと思う。
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