たかが殺人じゃないか の商品レビュー

辻真先(著者)

2021/12/15

手に取るまで”昭和24年の推理小説”っていうサブタイトルを知らず、表題と、勝手な作者に対するイメージ(中学殺人に負う)から、てっきり軽いタッチのミステリと思ってました。そっち系を好まないので、本作も、このミス受賞作にも関わらず、読もうかどうか迷っていた。ここのところ、若手とベテランが交代に受賞しているイメージだけど、ベテランへの苦手意識も相俟って、なお食指動かずで。それでも原寮作品は最高だったし、きっと本作も読んでみたら面白いに違いないと思い、いよいよトライ。結果、個人的には『受賞文句なし！』でも、『え～、これ？』でもなく、まあ普通に楽しめました、ちゃんちゃん、って感じでした。

2021/12/14

地元名士が密室殺人。もう一人の名士はバラバラ殺人。犯人は共学校の女教師。男達は妹を殺害。
墜落した米軍機のパイロットを殺したのを妹に見られた。終戦間際に名古屋大地震。人が大勢死ぬ時代
たかが殺人じゃないかと男は言った。

2021/12/05

昔、この著者はアニメの脚本やノベライズの方と思っていました。
その方が本格ミステリ。全然イケてます。
昭和24年という舞台設定も、この物語を構成するうえで必然ですね。
ひとつ、ドリアンって昭和24年にもう一般的だったのだろうか。

2021/11/29

最初の密室殺害トリックは正直時代背景や建物構造を踏まえないと解けるものではない。
解体殺人はどこかで見たことがあるようなトリックだが、難解な言葉にまみれていて、解けるとは思えない。(自分が無知なだけかも)

ただ、プロローグとエピローグのつながり、節操という名前などはすばらしすぎ！
エピローグを読んだあと、プロローグを再読は絶対しちゃう。

戦後が舞台であることもあり、男女差別、戦争経験世代と若者の考え方の違いが巧みに絡まってる。

サッと目を通すと、難しい言葉が多く、とっつきづらく感じるが起承転結の理解には差し支えない。

普通にオススメです！　

2021/11/19

読みやすいストーリーだった。
探偵役の過去のエピソードを匂わせるシーンが度々ある。過去のエピソードの話も読んでみたいと思った。

2021/11/12

昔の描写は素晴らしいんやろうけど
それが入り込めない要因だった、、、

ミステリーに関係ないであろうところを
飛ばし読みしてしまい、
ああ合わんのやなと実感

でもラストと伏線の回収は見事

2021/11/04

登場人物の名前が、あだ名だったり、名字だったりして統一されていないところが少し読みにくいと感じた。
トリックや謎解きの部分はあっさりしていて、ミステリーというより戦後の様子の描写を楽しむ本だと思う。

2021/10/28

昭和24年GHQの戦後復興政策で男女共学 小中高制が開始された初めの年に高校三年生として就学する若者の姿を描く青春本格ミステリー

焼野原で地獄絵図を見た彼らだが若いエネルギーに圧倒されます

復興途上の名古屋の街並みを知る史料としても貴重な作品です

2021/10/16

辻さんの作品は45年くらい前から読んでるが、軽い話っていうイメージが強かったので、結構前半は鬱陶しかった。で、中盤からようやく話に入り込めた。最後に納得はしたね。那珂一兵シリーズの2作目なのね。しかし、辻さんもまもなく90歳か。すごいなあ～

2021/10/02

シリーズものらしいが、私は著者作品を初めて拝読。
少し時代背景の記載がクドイのは気になったが、敗戦から戦後の混乱期、朝鮮戦争で戦後が転換するまでの時代を、それも名古屋近辺を舞台に描いたところが新鮮。知らないことも多くあり、その点は非常に楽しめる。犯人に意外性がなく、トリックもこじつけに近い気はするが、タイトルのもつ深い意味には納得感ある。