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三体 Ⅱ(下) の商品レビュー

4.5

321件のお客様レビュー

  1. 5つ

    172

  2. 4つ

    87

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2020/07/11

待望の続編。 大変面白く、今回も一気読み。 スケールの大きさに圧倒。 が、しかし、やらかしてしまいました。 三体の3部作の II は、上下二巻あります。 あろうことか、下巻から読んでしまいました。orz あーなんと勿体ないことをしたんだろう。 きっと上巻も凄く面白か...

待望の続編。 大変面白く、今回も一気読み。 スケールの大きさに圧倒。 が、しかし、やらかしてしまいました。 三体の3部作の II は、上下二巻あります。 あろうことか、下巻から読んでしまいました。orz あーなんと勿体ないことをしたんだろう。 きっと上巻も凄く面白かったんだと思うのですが、シリーズ第二作目の結末を知ってしまっているいま、遡って上巻を読んでも楽しめるのだろうか?? これから三体を読む方がいらっしゃいましたら、何卒ご注意ください。 三体の II は、上下二巻あります!

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2020/07/09

難しかったが、楽しかったと言う矛盾してるような感想。 あまり普段SFを読まないので、SFのお決まりや、物理理工、宇宙の定義基本みたいのがあまり分かっておらず、おまにけに超文系種族だから読んでいて『ひぃ〜!!どゆこと??』となる事が多かった。 1巻でもそうだったけど設定が凄く細かく...

難しかったが、楽しかったと言う矛盾してるような感想。 あまり普段SFを読まないので、SFのお決まりや、物理理工、宇宙の定義基本みたいのがあまり分かっておらず、おまにけに超文系種族だから読んでいて『ひぃ〜!!どゆこと??』となる事が多かった。 1巻でもそうだったけど設定が凄く細かく書き込まれてるだけあってその説明描写が長い長い… 正直登場人物なんて誰でも何でも良くて、結果的に黒暗森林の意味とどうしてこの宇宙には地球外生命体がいないのか、またなぜ地球人はその事に気づかないのかと言う研究結果を小説と言う形で読むと言う感じ。 でもなぜ地球外生命体がいないのかと言う結論を読んだ時にはうわっ!!となる面白さと怖さがあった。 佳境になるまでが大変だけど、最後の怒涛の伏線回収までくれば一気に進むはず。

Posted byブクログ

2020/07/08

読むほどに予想を超えるスケールで話が展開していく。広大だが、話の筋はしっかり掴める。早くも次が待ち遠しい!

Posted byブクログ

2021/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

壮大なのはまちがいないし、きれいに着地して終わるからそれなりにカタルシスもあるけど、読んでるあいだずっと重苦しくてつらかった。とくにスペースウォーの場面があまりにも凄惨。ナイーブであることがこれほどまでに罰されるのかという割り切れなさと、生き残り同士の「猜疑連鎖」の恐怖。つなげてはいけないのかもしれないけど、香港における中国の振る舞いが想起されてしまって、落ち着かない気持ちになった。 とはいえ、最後のルオジーの大勝負は気持ちよかった。無駄だったかにみえた面壁計画が生きていたのも、レイ・ディアスの発想が最後に生かされたのもよかった。 「宇宙の本質は黒暗森林だと理解するのがこんなに遅れたのは、人類文明の進化が未熟で宇宙意識を欠いているからではなく、人類に愛があるからだ」というせりふが、最後に、バランスを取るかのように出てくるけど、その愛を抱いたことで、探査機「水滴」に大殺戮を許してしまったわけで。愛を捨てて冷徹に突き進んだほうが生きのこるのか? いや、両方を生かす道はあるというのがこのエンディングなのか? 最後の陸秋槎氏の解説がとても的を射ていて、わたしの読んだ実感とも近いように感じた。

Posted byブクログ

2020/07/05

「銀河のバックスクリーンまで飛んでけええ!!」と叫びたくなる感じ。 「ファウンデーション」で「2001年宇宙の旅」で、「幼年期の終わり」で「銀河英雄伝説」、さらには「果てしなき流れの果てに」でした、感涙。

Posted byブクログ

2020/07/05

 地球外文明は存在するか、もし存在するとしたらどこにいるのか。  物理学者エンリコ・フェルミの指摘する矛盾は「フェルミのパラドックス」と呼ばれる。  中国発大型SF第二巻は、このパラドックスに対して「黒暗森林」という見解を提示する。  これが三体2巻目の大テーマだったと、上下巻...

 地球外文明は存在するか、もし存在するとしたらどこにいるのか。  物理学者エンリコ・フェルミの指摘する矛盾は「フェルミのパラドックス」と呼ばれる。  中国発大型SF第二巻は、このパラドックスに対して「黒暗森林」という見解を提示する。  これが三体2巻目の大テーマだったと、上下巻通して理解した(上巻だけでは意味不明な小説だった)。  羅輯が50光年先の恒星に対する呪文をかけ、200年のコールドスリープを経た地球は、三体文明に対する地球人の見方が変わっていた。  200年後に訪れる危機に対し、悲観的だった人間は楽観的になっていた。  三体艦隊の速度は低下し、数回の星間ベルトの通過により艦隊能力の低下を観測していた。  加えて、200年のテクノロジーの進歩は地球軍を有利にしていた。  三体艦隊を超える軍事力を持つ宇宙戦艦を千艦も配備した宇宙軍が成立していた。  200年のコールドスリープを経た二人は別々の道を歩み始めた。  面壁者、羅輯はその資格を失い一般人として地球に生きていた。  宇宙軍指揮官、章北海は再び艦隊の指揮に立っていた。  三体艦隊が近づく前、三体艦隊からの一機の先遣機が木星を通過し、それの拿捕に向かった宇宙艦隊の運命が地球人に対して危機を呼び覚ます。  なぜ、宇宙に地球外文明の痕跡がないのか。  この矛盾に対する羅輯の答えの呪文とは何だったのか。  最終巻の三巻「死神永生」は2021年の春刊行予定。

Posted byブクログ

2020/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 宇宙人が襲来するまでの期間に何を準備するのかという第2章。智子というガードが存在するため現実の世界で今一番ホットであろう、量子やコンピューターに関する研究にキャップをかけられている辛さ。智子はビッグブラザーのような振る舞いをしている。前作にあった得体の知れなさは少なくなっており群像劇スタイルで前作よりも登場人物が多く物語に没入するまでは時間かかるかもしれない。ただ一市民、宇宙軍の兵士、面壁人と呼ばれる作戦責任者、天体観測者などなど、様々な視点から三体文明に対する考察が加えられることで三体文明がどんどん興味深いものとなっている。文明ミーツものはSFではクラシカルな設定であり、その中で本作がオモシロくなっているのは面壁人の存在だろう。智子を使って人間の物理学の発展が限られてなおかつ挙動が見張られている中で唯一自由なのは人間の心の中だけ。誰にも読み取られない心を巡る三体文明と人間の駆け引きがオモシロかった。ウェブ登場以降、積極的に自分の心の声をテキスト化/音声化もしくは動画にして発信している今の文化に対するカウンターなのかと感じる。内心の自由を手放しているのだと。そんな中で内心の自由をめちゃくちゃ謳歌しているのは面壁人の1人であるルオ・ジー。小説を書いてそこに登場する女性を夢想して実際に存在すると思いこみ、さらに同じ見た目の人と結婚までしてしまう。そんなボンクラの彼が最重要人物なところにドキドキしっぱなしだった。  上巻が群像劇だったのに対して下巻は一転して大規模な宇宙戦争物語へ。人類は想像以上の発展を遂げて余裕の表情を見せるまでになった。その未来描写が巧みで希望に胸踊るような気持ちにさせられる。そのあとにガンガン絶望的描写が入ってくる、そのギャップがたまらない。人間の暗い気持ちをこんな風にSFを使って表現できるのかという驚きがあった。SFに対して安易にアナロジーを当てるのはナンセンスである旨、巻末の解説にあったけれど、今の人間社会における差別感情の発露を見ていると猜疑心からの暴力は宇宙スケールだけの話ではないなと、どうしても考えてしまう。そもそも大前提として人類共通の敵がいれば団結するのでは?と日々のニュースを見ながら夢想していたことも実はお花畑な話なのかと思ったりもした。また地球の危機を救うのが社会学という点にもテクノロジーだけが世界を救う訳ではない、ジャンルを問わず学問に価値があるのだ。そういう宣言に受け取ることもできると思う。これだけ色んなことを考えさせてくれた上で圧倒的エンタメであることが三体シリーズの最大の醍醐味で次巻も楽しみでしょうがない。

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2020/06/25

中国ではシリーズ中もっとも評価が高いという「黒暗森林」だが、下巻を読んだことで納得(個人的にもSF作品の中でベストオブベスト)。前作『三体』では、「ジャッジメント・デイ」の戦闘部分が一番好きだったのだが、本作ではその1000倍規模の大きな戦闘が繰り広げられる、スケールは過去2巻よ...

中国ではシリーズ中もっとも評価が高いという「黒暗森林」だが、下巻を読んだことで納得(個人的にもSF作品の中でベストオブベスト)。前作『三体』では、「ジャッジメント・デイ」の戦闘部分が一番好きだったのだが、本作ではその1000倍規模の大きな戦闘が繰り広げられる、スケールは過去2巻よりも大きく結末もシビア。上巻からいろんな伏線が散らばっていたが、後半一気に回収されるのは気持ちよかった。映像化も計画にあるらしいが、本作であった未来表現がどこまで再現されるか楽しみ。続刊「死神永生」も早く読みたい。

Posted byブクログ

2020/06/25

『三体Ⅱ黒暗森林』は中国ではシリーズ中、最も評価が高い一冊であるそうです。 主な理由はハードSFとして、頭脳戦エンタテイメントとしての完成度が極めて高いということですが、SFを読んだのが初めてに近い私は全く反対でSF用語の多さに辟易しました。 安心して読めたのは、主人公のルオ・...

『三体Ⅱ黒暗森林』は中国ではシリーズ中、最も評価が高い一冊であるそうです。 主な理由はハードSFとして、頭脳戦エンタテイメントとしての完成度が極めて高いということですが、SFを読んだのが初めてに近い私は全く反対でSF用語の多さに辟易しました。 安心して読めたのは、主人公のルオ・ジーが出てくる人物の交流場面のみで、宇宙戦隊の戦闘の場面などは正直読むのがかなりつらかったです。 なぜ、三体世界と地球生命は愛のあるもの同士の世界なのに戦うのかと思いました。 地球の歴史を考えてみても、地球の歴史は戦争の歴史であるのだから、どこの世界でも、宇宙と交信する時代になっても、愛があっても、戦争は行われるのかと思いました。 『三体Ⅲ死神永生』でも「ある宇宙の真相」が解明されると巻末の解説にあり、とても読んでみたい気もしますが、作者によって創作された、宇宙理論より、現実の歴史を読んで勉強した方がよくないかという気もしています。 SFを読むというのはそういう理屈じゃないのかもしれないのですが。 そこが、わからない私はSFファン失格だと思いますが。

Posted byブクログ

2020/06/21

息を飲む黒暗森林。 今作では移行期の荒廃した世界、ディストピアの様子がみえる。 今作は三体危機というディストピアからの回復の物語でもあるようだ。 だとすれば、文革から超大国スーパーパワーへと変貌を遂げた現代の中国の姿と重なり、民族的トラウマも垣間見える。 その一方で、信じ...

息を飲む黒暗森林。 今作では移行期の荒廃した世界、ディストピアの様子がみえる。 今作は三体危機というディストピアからの回復の物語でもあるようだ。 だとすれば、文革から超大国スーパーパワーへと変貌を遂げた現代の中国の姿と重なり、民族的トラウマも垣間見える。 その一方で、信じられないほどに西側諸国的な普遍的価値観さえ語られる。 中国という国や社会、全体主義・中央集権的な統治システムの国出身の作者であるにもかかわらずだ。 この作品が中国語で書かれた事が恐ろしい。 もう日本は文化芸術、文学や自由、知性を含む精神的な領域、共感を育む公共性といった風土も遠く中国に及ばないのかもしれない。 (こうした考えを本作では敗北主義と呼ぶのかもしれないが) この20〜30年間我々日本人はただ惰眠を世界が驚く狭さのワンルームで貪り、テレビだけ見てなにも考えず無関心が無教養をはびこらせ、iPhone片手に「日本と日本製がいちばん。だって100均があってウォシュレットがあっておまけに四季があるしおもてなし」とか言うようになってしまったのはこの国に「智子」がばらまかれて智子をおもてなししてたら面(オモテ)がなくなってしまってオモテナシ。 さて。 それはそうと、第一巻、物語冒頭で示された2つの公理がある。 猜疑連鎖と技術爆発だ。 ネタバレしたくないのであまり書かないけれども、およそこの2つの公理にも疑問は残る。 猜疑連鎖は、では大航海時代の人類はどうだったのだろう。コミュニケーションがあれば解を見いだせるというが、では江戸時代の鎖国は?或いは現代に残る未開の世界、熱帯雨林で「100年の孤独」を過ごす部族は?接近を頑なに拒むインド洋の孤島の民族はどうか。 この猜疑連鎖は結局ゲーム理論、ナッシュ均衡、冷戦の核抑止理論の次元なのではないか。 第二に技術爆発とその影響も、結局は原始における文字と筆記、古代における鞍とあぶみや六分儀、中世の活版印刷、治金、マスケット、近代における蒸気機関、鉄道、内燃機関、自動車、航空機、電子工学云々と結局地球人類史の次元でしかなく、これらの発明が起こった場所、文明の変遷といった次元を類推するにとどまるのではないか。 即ちこれら公理とは仮定に過ぎない。 それがこの物語の装置となっている気がする。 それはいいとして、この物語のラストには息を飲む。 続編『死神永生』は2021年春頃・・待ち遠しい・・

Posted byブクログ