三体 Ⅱ(下) の商品レビュー
二巻は上下一気読みだった。 やはり著者の想像力が異次元。 ドラマ化したら大ヒット間違い無しだろう。 どのように映像化されるのかも楽しみ。 物語としては、一旦完結したようにも思えるが、ここからどう三巻が展開するのだろうか。
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話題の中華SF、これで3部作のうち2部が完結。 浅い読了感として、「え、これで終わったんじゃないの?」的なハッピーエンド感を抱いてしまいます。第3部があるってコトは、そうじゃないってコトなんでしょうが。。 と、カタルシス感のある展開ながらもなんとなくイヤーな予感がするのは、この...
話題の中華SF、これで3部作のうち2部が完結。 浅い読了感として、「え、これで終わったんじゃないの?」的なハッピーエンド感を抱いてしまいます。第3部があるってコトは、そうじゃないってコトなんでしょうが。。 と、カタルシス感のある展開ながらもなんとなくイヤーな予感がするのは、この第2部下巻において出てくる複数の展開や理論が「理詰めで考えていくと、破壊的な選択肢を取らざるを得ない」という、「話せばわかる」の対極に位置しているものだからです。 本巻の主人公、羅輯の「真実の宇宙は、ただひたすらに暗い」という言葉が、ただひたすら重いです。。 ひょっとすると、中華SFの中華SFたるゆえんはここ? 著者、劉慈欣氏は、「西側諸国のSFのような(?)、地球人と宇宙人が手を取り合う世界観」に対するアンチテーゼとして、本著を書き上げたのか?と穿った見方をしてしまいます。 ※まぁもちろん慣れ親しんだSFだって勢力間の争いは起きている訳ですが、和睦の可能性がちゃんと残っている訳で。 全体主義社会が市民社会をメッタメタに壊した結果が、本心を、あるいは自分自身の存在すらも、ひたすら隠し続けないと生きてすらいけないストーリー展開を生んだのではないか。 そして、この3部作のうち第2部が中国で最も評価が高かったのは、「本心を隠し続けて黙々と仕込みを続けて、最後に乾坤一擲の一打を放った」というそのカタルシスが特に共感を呼んだのかもしれません。 (ただ、仮の話として、同じ地球の中に本心を隠し続けるプレイヤーがいる、とすると、ちょっと困った問題ではある気がしますね…) と、色々並べてはみたのですが、エンタメとして本著は相変わらず面白かったです。訳書であることを感じさせない翻訳のクオリティにも感謝です。 展開のスケールの大きさ、相変わらずのキャラ立ち(特に大史(笑)、テンポの良さ、どれを取っても素晴らしかったです。 細かいトコロですが、艦隊動員の規模がデカすぎるのは、未来人の知能水準とまではいかなくとも、危機感が低下していたからなんでしょうか。。 第3部にも期待。第3部は、終わりの始まりなんでしょうか。
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一巻と比べて人類の科学技術が爆発的に発展したこともあり、更にスケールの大きいSFに。羅輯の打った手は、一発目が予想通りでしたが応用で二発目が来ると思っておらず最後の最後まで面白かった。宇宙物理学の理論は分からなくても問題なくストーリーを追うことができ、やはりエンタメとしても一流。...
一巻と比べて人類の科学技術が爆発的に発展したこともあり、更にスケールの大きいSFに。羅輯の打った手は、一発目が予想通りでしたが応用で二発目が来ると思っておらず最後の最後まで面白かった。宇宙物理学の理論は分からなくても問題なくストーリーを追うことができ、やはりエンタメとしても一流。和平の道が見えたように思えるけれど、逆にここからあと一冊で何が起きてどう終わるのか……。死神永生が待ち遠しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
未来に希望を繋ぐ為冬眠に入った羅輯達が次に目覚めたのは200年後。その間に人類は大規模な宇宙艦隊で三体艦隊に備えられるまでに成長しており面壁計画はすっかり過去の遺物と化していた。そこに現れた探査機「水滴」人類と三体世界のファーストコンタクトの行方は?進化した未来の描写はやはりわくわくする。史強の要所要所での活躍も嬉しい。人類調子乗り過ぎと思っていたら「水滴」に想像以上のカウンター食らって瀕死。いやもうどうにもならんでしょ、からの上巻から散りばめられた要素を纏めた「猜疑連鎖」「黒暗森林」理論による羅輯の反撃が痛快。こうきたかー!と打ち過ぎて膝が痛い。綺麗に纏まっているけどⅢはどうなるんだ?
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第二部下巻も終了。本当に近年稀に見る壮大なエンタメSFを思い切りしていて心から楽しかった。なぜこれだけ広い宇宙で我々は他の宇宙人の痕跡を見つけられないのか?「黒暗森林」がこの問いの答えであるとわかったときは思わずニヤリとしてしまった。第3部も楽しみすぎます。
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三体の続編、三部作の2作目。 期待にたがわない大傑作、いやーすごかった。特に下巻からの怒涛の展開伏線回収は見事という一言に尽きる。 前作で判明した敵対異星知性体が地球に送り込んだ、智子(トモコとは読まない)という超小型スーパーコンピュータによって科学的進化の制限をかけられ、人類...
三体の続編、三部作の2作目。 期待にたがわない大傑作、いやーすごかった。特に下巻からの怒涛の展開伏線回収は見事という一言に尽きる。 前作で判明した敵対異星知性体が地球に送り込んだ、智子(トモコとは読まない)という超小型スーパーコンピュータによって科学的進化の制限をかけられ、人類のコミュニケーションすら監視されている状況下、三体は地球殲滅艦隊を発進させており、400年後には地球滅亡の危機に瀕している状況。 コミュニケーションを管理されているなら、個人の頭脳の中だけで三体との交戦対策を考え、コソっと実行すればエエやんか…という途方もないアイデアが実践される。選ばれたのは4人。面壁者と称される彼らはそれぞれ、圧倒的な権力と途方もない予算を与えられそれぞれの頭脳で三体対策を練り、実行していく…。 というのが前半の骨子。 後半はこの面壁者の講じる策が次々に敗れ絶望を味わうはずの人類が、いつの間にやらおごり高ぶり、その驕りを見事にぶっ潰されて、絶望のそこに再び追いやられて、さらにそこから…みたいな、どんでん返しの連続が続く。 伏線回収と回収した伏線の破壊、アイデアを盛り込んではつぶし盛り込んではつぶしの展開が読み応え抜群。 サブタイトル「黒暗森林」の意味が分かると、作者が1作目の冒頭シーンをあれにした理由もほのかに分かるし、そういや三体がいなくても俺たちは今すでに、黒暗森林の絶望にいるのかもなぁ…なんて、思ってしまう。 3作目楽しみ!
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面壁(坐禅)者という奇想天外な着想から物語を膨らませてついには黒暗森林という宇宙の真理にたどり着く、という壮大なストーリーとそれを裏打ちする学説やSFへのオマージュに心を打たれる。
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あらすじが脳内で迷子になりかけたので、ネットで検索して確認してしまった。笑 科学的な知識が余りないので、結構いっぱいいっぱい。でも次が読みたくなる。 実際宇宙人がコンタクトを取って来たらどうなるんだろうね。 こんな風に侵略されない事を願うばかり。 SFだけど、登場人物達に中国的発...
あらすじが脳内で迷子になりかけたので、ネットで検索して確認してしまった。笑 科学的な知識が余りないので、結構いっぱいいっぱい。でも次が読みたくなる。 実際宇宙人がコンタクトを取って来たらどうなるんだろうね。 こんな風に侵略されない事を願うばかり。 SFだけど、登場人物達に中国的発想も感じられて興味深い
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これは、またまた凄いです。面壁者に対して破壁者が登場し、呪文を宇宙に放って恒星を滅ぼし、最終章の「黒暗森林」で「水滴」が出てから物語が急展開し始め、最後に謎解きがなされるという流れですが(ネタバレを避けるためにポイントのみですが、これだけだと何のことやら、さっぱり「?」と思います...
これは、またまた凄いです。面壁者に対して破壁者が登場し、呪文を宇宙に放って恒星を滅ぼし、最終章の「黒暗森林」で「水滴」が出てから物語が急展開し始め、最後に謎解きがなされるという流れですが(ネタバレを避けるためにポイントのみですが、これだけだと何のことやら、さっぱり「?」と思います)、これが、本当に一人の頭の中から発想・構想されるのかと思うほどの壮大なスケールです。 地球をベースに構想されているので、色々な地域も登場しますが、その地の特性をよく見極めて書かれており、サイエンスに留まらない面白さもあります(鹿児島の知覧も登場)。また、本国・中国での出版は2008年ですが、「高い感染力を持ちながら、軽いインフルエンザ程度で終わるウィルスで、遺伝子識別能力をもち、ターゲットを特定する」ウィルス開発など、いまのコロナに関係ありそうな記述もあって、はっとしました。 映画化必至という気もしますが、スターウォーズ全作とマトリックスを加えたほどの相当の予算がないと映像化できないものと思います。日々の細々とした出来事など吹っ飛んでしまうような内容で、構想力を一挙に広げてくれる一冊です。
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