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ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち の商品レビュー

3.9

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

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2023/08/22

イギリスという国については「ロイヤルファミリー」「ジェントルマン」「パブ」「料理がまずい」くらいのイメージしかなかった。イギリスの「地べた」のおっさんたち(軽蔑ではなく)がリアルに描かれていて、どこの国も大変なんだな、と思わされた。 ―「絶望、なんてロマンティックなことは、上の...

イギリスという国については「ロイヤルファミリー」「ジェントルマン」「パブ」「料理がまずい」くらいのイメージしかなかった。イギリスの「地べた」のおっさんたち(軽蔑ではなく)がリアルに描かれていて、どこの国も大変なんだな、と思わされた。 ―「絶望、なんてロマンティックなことは、上の階級のやつらがすることよ」とレイはよく言う。そりゃ確かにそうだ。そんな抽象的なことで腹はふくれない。労働者はまず下部構造。食っていかねばならんのだ。 ―「どうしてそんなに来たいんだろうな。こんなブレグジットやら何やらでクソみたいな国に」とテリーが言ったのでわたしは答えた。「でもそれ以上に自分の国のほうがクソだと思っている人たちが世界にはたくさんいるのよ」

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2023/08/03

英国に暮らし、英国の中から冷静な目でおっさんたちをかいた本。社会の底から英国を見る目。 おおかたの想像と違ったEUからの離脱賛成は、何故成立したのか分かった。

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2023/07/01
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ブレグジットをめぐったイギリス労働者おっさんたち(+おばはんたち)の悲喜交々。 労働者や白人やEU離脱派やその他もろもろいろんな言葉で記号化されてしまう人たちの中にもひとりひとりに人生があり、感情があり、物語がある。どのエッセイもみんなが愛おしいし、記号ではなくひとりの人間として見つめる著者の眼差しがとても優しい。 EU離脱派とひとくくりにまとめてもそこにいる人たちみんなが同じはずはなく、EU離脱を支持するに至った過程も考え方もみんな違う。書いてみればそれは当たり前のことなんだけど、なんか忘れがち。結局みんな違う人間で他人なんだけどそれでも隣人なんだよと教えてくれる本。 読み終える頃にはみんなの名前を覚えてる。 解説もとてもよかった。英国の階級思想や世代などなど、事情に疎くてもとてもわかりやすい。

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2023/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

両手にトカレフを読んでから、ブレイディみかこの著書への愛が止まらなくなって今その波が来ている。 今回も特別に面白かった。ぼくイエやトカレフを始めとしてブレイディみかこはティーンの視点があったり、保育士経験から幼児教育の話だったりが既読の作品でもあったが、労働者のおじさん達の視点というのもやはり面白かった。 私はおじさんを嫌悪していた部類だけど、みんな大変でその中で楽しみを見つけて生きてるって思えた。 私も労働者階級の自覚があるけど、レイの「労働者の合理性」のストーリーには納得する物があった。「俺の人生だから、まあこんなものだよな」という諦念。「絶望、なんでロマンティックなことは、上の階級のやつらがすることよ」そんな抽象的なことでは腹はふくれない。労働者はまずは下部構造。食っていかねばならんのだ レイは消さないと言っていた誤字のタトゥーをやっぱり消そうとしていたり。 人生ってやっぱり波があって今死ぬほど気にしていることも時と共にころっと変わったりするからそう思えば少しは楽になるよね

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2023/05/20

日本人だからって、みんなが着物着てスシを食べてるわけじゃない。 イギリス人だからって、みんながアフタヌーンティーを楽しんでるわけではないもんね。今のイギリスのおっさん(ちょっとおばさんと移民のおねーさんたち)のリアルが感じられてて面白かった。

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2023/05/13

英国労働者階級のおっさんたち。夫がそういう階級である著者の知り合いたちがサンプルだ。歴代首相たちの政策に振り回されるのが、この階級だとか。アルコールでウサを晴らすのが定番だったのも、若い世代の健康志向から変化しつつあるそうだ。 日本だと上流階級の英国が紹介され憧れの眼差しになりが...

英国労働者階級のおっさんたち。夫がそういう階級である著者の知り合いたちがサンプルだ。歴代首相たちの政策に振り回されるのが、この階級だとか。アルコールでウサを晴らすのが定番だったのも、若い世代の健康志向から変化しつつあるそうだ。 日本だと上流階級の英国が紹介され憧れの眼差しになりがちだが、そんな階級だけではないことが伝わってくる。

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2023/01/06
  • ネタバレ

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・イギリスのおっさん達の話 ・ブレグジット賛成派も本当に離脱するとは思ってなかったぐらいの人もいたとかおもしろい ・緊縮財政の影響が怖い。図書館がなくなったりNHSの崩壊が身近すぎる。日本もいつかこうなっていくかな。医療にかかるのが難しい時代になってくのは避けられない気もする。 ・EUは賃金伸びてるように見えるが実際は格差が大きくなっていて貧困は増えてるのが課題。ウーバーなどゼロ時間契約も多い。 ・おっさん世代は真面目に汗水垂らして働いて年2回旅行くらいできればいいという考え、若者世代はそれだけでは向上心ないしダメいろんな事業やって拡大していかなきゃとか考える、不安が強くて上昇志向。というかそうしないと今より下の階層に落っこちてしまうという不安が大きい。世代間の意識の差。 ・真面目に汗水たらして働いて給料もらうだけの人生!!って絶望した尾崎豊は天真爛漫に窓ガラスを割るが、汗水垂らして働いても見合った給料ももらえず生活も保証されるかわからない世代はガラス割ってる暇などなくまじめ。尾崎豊はその気になれば仕事見つけて家族持って〜っていうのができると思ってる時代だからだっていうの悲しみしかないけどわかりすぎる。 ★イギリスも日本と同じじゃん!という話が多かった。先進国の共通課題だ。ブレイディさんの本はイギリスのくらしがリアルに感じられてそこに住む人々の暮らしや考えていることが伝わってとても面白い。おっさん達は時代もあり悪者にされがちだけど、ただその時代時代を生きたあんちゃんが年取っただけだと思うしそれは日本もイギリスも変わらない。

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2022/11/25

イギリス人の夫と中学生の息子と暮らす日本人の筆者から見た労働者階級のおっさんたちの生きる姿と、イギリスでの暮らしを実際に暮らしているからこそわかるリアルが書かれた一冊。 日本に暮らしていると、日本はオワコンだ!と思うこともよくある。 しかしながら、どこの国に行こうとも暮らそうと...

イギリス人の夫と中学生の息子と暮らす日本人の筆者から見た労働者階級のおっさんたちの生きる姿と、イギリスでの暮らしを実際に暮らしているからこそわかるリアルが書かれた一冊。 日本に暮らしていると、日本はオワコンだ!と思うこともよくある。 しかしながら、どこの国に行こうとも暮らそうとも その土地の歴史や文化、そこに生きる人たちの中で問題がないことなんてないのだ。 読みごたえあり、面白かった。 いつも筆者の作品は知らない世界を垣間見ることができて楽しい。

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2022/11/16

そして今回も,軽妙なタッチなのに,重くて深いテーマにガッツリ向き合うきっかけをくれる一冊であった.どうやったらここまで人間をフラットに受け止め,理解して,その人を受け入れられるんだろうな…人間が作るのが社会だし,社会が作るのも人間だし.だから何処までも相互につながって影響し合って...

そして今回も,軽妙なタッチなのに,重くて深いテーマにガッツリ向き合うきっかけをくれる一冊であった.どうやったらここまで人間をフラットに受け止め,理解して,その人を受け入れられるんだろうな…人間が作るのが社会だし,社会が作るのも人間だし.だから何処までも相互につながって影響し合ってるのに,中々それが見えないのは,圧倒的に共感力に欠けているから,なのかなぁと,ちょっと反省も.

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2022/11/07

ブレイディみかこが、イギリスの老年労働者階級の実態を描いたもの。 前作の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が子供世代の話だったのに対し、今回は老年が対象だったので、こっちの方が色々と身につまされるものがあった。

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