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ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち の商品レビュー

3.9

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    36

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2020/07/12

イギリスの社会構造が垣間見られた。 リベラル、マルキスト、アナーキー、レイシズムなどの言葉の意味を確認しながら読んだ。

Posted byブクログ

2020/07/09

「イギリスの今」を日々の暮らしから語るという意味では「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」と変わらないような気がするが、前作ほど売れてないのはなぜだろうか。両書の違いは、中学生の子供を介した視点か、ベビーブーマーのおっさんを介した視点かという点だが、本書に登場するようなあ...

「イギリスの今」を日々の暮らしから語るという意味では「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」と変わらないような気がするが、前作ほど売れてないのはなぜだろうか。両書の違いは、中学生の子供を介した視点か、ベビーブーマーのおっさんを介した視点かという点だが、本書に登場するようなある階層のある世代のおっさんを語るというのも十分面白いし、なぜイギリスが国民投票でブレグジットを選択してしまったのかも少し分かるようになる。著者は、サッチャー政権以降の緊縮財政への批判やイギリスの公的医療システムのNHSへの愛着を繰り返し語る。ある世代にとって、イギリスは「ゆりかごから墓場まで」の言葉どおりの手厚い社会保障を重んじるシステムがあったのだということを再認識させられる(今では信じがたいことだが)。

Posted byブクログ

2020/07/09

ここに出てくる曲のプレイリストをSpotifyで流しながら。パンク時々おセンチなブレイディ節が好きだ。

Posted byブクログ

2020/07/07

労働者のおっさん達を通して見えてくるイギリスの不景気感は2010年に保守党が緊縮政策を始めた事でNHSがどんどんしょぼくなっていった経緯を読むと日本はまだ医療費は全然ましなんだな、と考えさせられる

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2020/07/06

英国のおっさんたちの21のエピソードを通じて、英国社会の実態を楽しく知ることができる良書。 いろいろ問題は抱えているけど、愛すべきおっさんが多数登場する。私が好きなのはスティーブとサイモン。 政治がケチになると、地域のコミュニティが「じぶんたちでなんとかしなきゃ」と強固になると...

英国のおっさんたちの21のエピソードを通じて、英国社会の実態を楽しく知ることができる良書。 いろいろ問題は抱えているけど、愛すべきおっさんが多数登場する。私が好きなのはスティーブとサイモン。 政治がケチになると、地域のコミュニティが「じぶんたちでなんとかしなきゃ」と強固になるとか、得をしていそうな他者に対する妬みが生まれるとか、身につまされる話が多数出てくる。 第二章の英国の世代、階級、酒についての解説はたいへん興味深かった。これを踏まえていろいろな英国の作品を鑑賞しなおしてみたくなる。

Posted byブクログ

2020/07/05

ロンドン郊外の海辺街ブライトンで暮らす保育士の著者が、子育てエッセイベストセラー「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」と同時進行で書いた、彼女の周辺のベビーブーマー世代のおっさん達の悲喜こもごも日常を書いたエッセイ集。 イギリスの労働者のおっさんのステレオタイプイメー...

ロンドン郊外の海辺街ブライトンで暮らす保育士の著者が、子育てエッセイベストセラー「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」と同時進行で書いた、彼女の周辺のベビーブーマー世代のおっさん達の悲喜こもごも日常を書いたエッセイ集。 イギリスの労働者のおっさんのステレオタイプイメージといえば、「サッカー見に行ってパブでビール飲んでて若いころはパンク聴いてた」って感じだけど、彼らの多くがBrexit推進となった政治経済的背景や、世代間の意識違いなどが、著者の配偶者の旧友・悪友通じてコミカルに書かれていて飽きない。 特にNHS(国民医療サービス)に関する記述がものすごく量が多い。Brexit離脱派のプロバガンダに「EU離脱すればNHSに資金を回せる」という主張(デマ)により多くの労働者階級が離脱に票を投じた話や、NHS枠組で医療を受けることがいかに面倒かという話など。また、超スローな制度にもかかわらず、サッチャー以前の古き良き高福祉時代の遺物であるNHSに対して、おっさん達がどれだけ思い入れを持っているか、などなど。 第二章の「解説編」も良い。ベビーブーマー、Generation X, Y(ミレニアル), Zという世代のくくりの話、階級話、飲酒の話という構成。 各世代を象徴するミュージシャンを何人か挙げている。 飲酒については、世代による飲酒に考え方の差異を分析。Generation X, Yに対して酒を売るための、酒業界の生き残り策に対する観察など。

Posted byブクログ

2020/07/03
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なんでイギリスがEU離脱したのか、作者曰く「地べたの感覚」でよくわかる。 ブレグジット派はEUはの拠出金をNHSのために使えるというキャンペーンを大々的に行ったんだな。でもそれは事実無根だったのに、まんまと騙されちゃった人がたくさんいたんだ。 NHSは労働党がかつて勝ち取った夢の医療制度、誰でも無料で治療してもらえる医療制度であるNHSを持つイギリスの誇りを守りたかったっていう労働者の意地があったとは知らなかったな。 しかも、それは「地べた」の感覚ではもはや全く機能していない…。その上、その制度を使うしかない移民に憎しみを持ってしまう。 イギリスで今渦巻いていることはすごく人間臭い。翻弄される親父たちを優しく見ている視点、すごく好きだなぁ。 今ブレイディみかこ、一番面白いかも。

Posted byブクログ

2020/06/22

何でイギリスが離脱に傾いたのか、理由がイマイチわからなかったが、本書を読めばそれがよくわかる。 医療保険、大事ですよ。 そして、緊縮は国を滅ぼす政策なのかもしれないと、強く思いました。 テンポ良いエッセイで、サクサク読めて、今のイギリスの労働者階級の状況がよくわかる、ありがたい本...

何でイギリスが離脱に傾いたのか、理由がイマイチわからなかったが、本書を読めばそれがよくわかる。 医療保険、大事ですよ。 そして、緊縮は国を滅ぼす政策なのかもしれないと、強く思いました。 テンポ良いエッセイで、サクサク読めて、今のイギリスの労働者階級の状況がよくわかる、ありがたい本でした。

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2020/06/22

なんとなく、 英国=いろいろ整ってそう 日本=よくない と思ってたけど... その格差っぷりたるや日本以上だった。 特に医療制度が 無料=ただし死ぬほど待つ 有料=ただし100%自費 という事実に驚愕してしまった。 こんな制度導入したら日本のジジババはどうなるんだ...( ; ...

なんとなく、 英国=いろいろ整ってそう 日本=よくない と思ってたけど... その格差っぷりたるや日本以上だった。 特に医療制度が 無料=ただし死ぬほど待つ 有料=ただし100%自費 という事実に驚愕してしまった。 こんな制度導入したら日本のジジババはどうなるんだ...( ; ; )

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2020/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・「額に汗して働けば報酬が得られる」みたいな生き方は退屈だと反抗する若者たちがカウンターカルチャーを盛り上げた時代と、「額に汗して働いても報酬が得られるかどうかわからない」歩合制やゼロ時間雇用契約が横行する時代。少しぐらい道を踏み外しても制度で保護された若者たちと、競争競争競争と言われて負けたら誰も助けてくれないばかりか、「敗者の美」なんて風流なものを愛でたのももう昔の話で、負けたら下層民にしかなれない若者たち。  おとなしく勤勉に働けば生きて行ける時代には人は反抗的になり、まともに働いても生活が保障されない時代には先を争って勤勉に働き始める。従順で扱いやすい奴隷を増やしたいときには、国家は景気を悪くすればいいのだ。不況は人災、という言葉もあるように、景気の良し悪しは「運」じゃない。人が為すことだ。 ・「癌科の予約が九週間待ちってすごくない?」 とわたしが驚くと、連合いは答えた。 「うん。待ってる間に死ぬ人もいると思う」 2010年に保守党政権が緊縮財政を始めたとき、英国では平均寿命の伸びがぱったり止まった。「ほら緊縮財政のせいだー」「だから政府は財政支出を行えー」とわたしのような反緊縮派と呼ばれる人間は嬉々として叫ぶ。が、それは、実際にはこういうことなのだ。一刻の猶予も許されないシリアスな疾患を扱う科でも、医師の診察に九週間待ちである。癌科だぞ。眼科じゃねえんだ。 ・「うん、俺もこう、なんとなく聞きそびれて」 と二人で言い合っていると、息子が脇から言った。 「サイモンとあのおばあちゃん、ベイビー・トランプのデモで会ったらしいよ」 「え?」 「一緒に遊んだ子たちが言ってた」 わたしと連合いは思わず顔を見合わせていた。 「やっぱそうだったんだ。ひょっとして、つき合ってんのかなぁ」と言うと連合いが答えた。 「メイビー」 ったく、ベイビー・メイビー・アイ・ラヴ・ユー(BYシーナ&ロケッツ)かよ、と思うながら、駅に続く坂道を上って行く四人の姿を私は見送っていた。ふううのおじいちゃんとおばあちゃんと二人の孫、に見えるけど、じつはそうではない。という関係はちょっとセクシーではないか。  ベイビー・トランプがとり持ったメイビーな関係。  そう思うと、オムツをはめたトランプの風船が、キューピッドにさえ見えてきた。あの風船が手に握っているのは、恋の矢じゃなくて、スマホだけど。 ・サン・ルームの中で見た、スパンダー・バレエみたいなスーツで決めた若き日の彼らのダンディな写真を思い出すと、よれたTシャツに短パンでだらしなく半ケツ出して踊っているおっさんたちの姿とのギャップがあまりに大き過ぎ、世の無常を感じる以前に、人間ってすごいな―と思った。人間って、こんなに変わるんだ。というか、こんなに変わりながら何十年も、ことによったら百年ぐらいとか生き続ける生物なのだ。

Posted byブクログ