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ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち の商品レビュー

3.9

167件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

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2020/07/27

ベビーブーマー世代のイギリスのおっちゃんたちは、若いころに聞いてきたブリティッシュ音楽を懐に入れて、今も芯を持ってブレずに生きている。おっちゃんらの文脈で読み解くとブレグジットも理解できてくる。日本では世代間に広がる誤解をなーなーで済ましていくことで、大きな紛争を避けている感じも...

ベビーブーマー世代のイギリスのおっちゃんたちは、若いころに聞いてきたブリティッシュ音楽を懐に入れて、今も芯を持ってブレずに生きている。おっちゃんらの文脈で読み解くとブレグジットも理解できてくる。日本では世代間に広がる誤解をなーなーで済ましていくことで、大きな紛争を避けている感じもするが、本当は日本でも大きな変革は必要とされてるはずなんですよね

Posted byブクログ

2020/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語チックな専門書。 ハマータウンの野郎どもを熟読してたカルスタ専攻としてはとても興味深かった〜 とりあえず5年前にこの本があったら間違いなくゼミで読んでただろうと。 NHSのはなしがなるほどって ブレグジットすればNHSにお金を回せるから NHSが(機能してなくても)あるだけで英国という国家の美しさを保っている。 形ばかりの。。でもその形こそが「英国人」をつくっている。まぁ日本人も皆保険制度に拘り持ってるだろうし 階級のはなし: 英国の人々は階級を定義するものは職蟻や学歴ではなく自分の出自だと考えている 60%の人々が自分を労働者階級の人間だとみなしている 階級とは、選択肢がどれだけ与えられているか それが少なければ少ないほど、階級は下。 現代の労働者階級の姿とは 多様な人種とジェンダーと性的指向と宗教と生活習慣と文化を持ち、それでも「カネと雇用」の一点突破で繋がれる、そんなグループ もはや階級は外から一枚岩で語ることはできない。 (一方で中にいる分には所属する階級を一括りにする) いや、昔からそうだったんだとは思うけど。 イギリス全体でアルコールが薄まってきてて それはかつての労働者(=ハマータウンのおっさんども)文化が薄まってきているということらしくて。 パブでビールとか、フットボールとか、 イメージ論が消えていくと文化から社会を見る切り口が失われていくのかな。 鳥の目がなくなるとこういう虫の目視線で描くしかない、 うーん。 まぁ、でもこうやってブレイディさんが取り上げられて こういうエスノグラフィー的書籍が注目を浴びるのは嬉しいなっておもう もっと一人一人に、日々の一瞬一瞬に、「耳を傾ける技術」を! (またレスとかも読んでみようかな) でもやっぱりこれはどこか物語というか他人事な感じがするから私はふだん「階級」を意識することのない「日本人」だよなあって  

Posted byブクログ

2020/08/27

楽しかった! 勉強になった!! 自分もいわゆるジェネレーションXということで40も越えていわゆる「おっさん」のカテゴリに入ることになるのだが(個人的にはあまり認めたくない)ここで出てくるおっさんたちは少し上の世代でベビー・ブーマー世代なんだそうだが、英国の様々な事情の中、おっさん...

楽しかった! 勉強になった!! 自分もいわゆるジェネレーションXということで40も越えていわゆる「おっさん」のカテゴリに入ることになるのだが(個人的にはあまり認めたくない)ここで出てくるおっさんたちは少し上の世代でベビー・ブーマー世代なんだそうだが、英国の様々な事情の中、おっさんたちがイキイキ生きている。 それぞれのおっさんのそれぞの人生があり、それをみかこさんが絶妙な切り口でカラーでいきいきと伝わるように描いてくださっている。 実は友人から薦められて「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでえらい感動して、こないだ本屋にいったら今度は「おっさん」編があるというのだから、パンクなみかこさんが今度は「おっさん」をどう表現していくか超楽しみで読ませていただきました。 ほんとに多様な人がいて多様な人生があって、それでも「みんな生きている」というところからスタートする本の躍動感、素敵です。  僕も酒好きなんで、最終章の「最後はだいじなだいじな酒の話」ときて、 『その理由は簡単だ。 筆者が酒飲みだからである。』 というところのオチもあるけど(そもそも、酒を飲むということじたいが不健康でアンクールな習慣であり、むかしの人間のやる古臭いことだというイメージで捉えられていることは、例えば毎晩飲んでいる母親のことを見ている、わが息子の冷ややかな目つきを見てもわかる)、 ほんとにUKを20年以上生きてきて、その現場の多様性というか歴史の流れというか、そういう生々しい感覚を手触り感たっぷりレポートしてくださっている。 こんどイングランドに行くと言っていた知り合いがいるのでぜひこれも紹介しよう。 強いて言ったら、僕は英国ミュージックにそんなには詳しくないので、詳しい人だったら、もっともっと楽しめたんだろうな、とちょっぴり思う。 また、みかこさんの本、探して読もう。 いつもの引用抜粋、悩んだが、結局以下にすることにした。(あとがきより) ============= P251 この本は、筑摩書房の井口かおりさんの「ブレイディさん、おっさんを書いてください」という唐突な提案から始まったものだった。 編集者さんからの提案はいろいろあれど、これはちょっと意表を突くものだったので、なんか圧倒されて気がついたら書き始めていた。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で青竹のようにフレッシュな少年たちについて書きながら、そのまったく同じ時期に、人生の苦汁をたっぷり吸い過ぎてメンマのようになったおっさんたちについて書く作業は、複眼的に英国について考える機会になった。二冊の本は同じコインの両面である。 =============

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2020/07/24

おもしろくて、どんどんページが進んだ。 おじさんたちがかわいらしい。 おじさんに対して、これからは見る目が変わりそうだ。おじさんも若い時代があったのだ。 イギリスでも、日本と同様に若者とおじさんとの間に対立がある。ただ、おじさんたちの生き様、背景を知らず、どういう理由でそう思う...

おもしろくて、どんどんページが進んだ。 おじさんたちがかわいらしい。 おじさんに対して、これからは見る目が変わりそうだ。おじさんも若い時代があったのだ。 イギリスでも、日本と同様に若者とおじさんとの間に対立がある。ただ、おじさんたちの生き様、背景を知らず、どういう理由でそう思うに至ったのか知らずに、意見だけを聞いて批判するのは、間違っていると思った。 逃げ恥で、ゆりさんが、若い子から年齢のことで差別的発言をされたときに、「私たちはあなたの未来なのよ」と諭したのを思い出した。 誰でも老いるし、みんな昔は若かった。 想像力を持って接することが大事だ。

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2020/07/20

社会問題に疎い自分は、イギリスのEU離脱のニュースについてもあまりピンと来ていなかったが、現地に住む当事者の文を読むと、遅まきながらその影響というものが伝わってきました。 コロナウイルスの影響で、図らずも「世界のどこかで起こっていることが、地続きで自分にも影響してくる」というこ...

社会問題に疎い自分は、イギリスのEU離脱のニュースについてもあまりピンと来ていなかったが、現地に住む当事者の文を読むと、遅まきながらその影響というものが伝わってきました。 コロナウイルスの影響で、図らずも「世界のどこかで起こっていることが、地続きで自分にも影響してくる」ということを身をもって体験していることが、本書の後半にある世代闘争の話の日本におけるリアリティみたいなものを増幅しているような気がします。

Posted byブクログ

2024/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」と対になるような本で、両方読みたい。 「ぼくは…」が日本人とイギリス人の間に産まれたティーンの男の子からの視点、こちらはイギリスのおっさん(とおばさん)の視点から見たイギリスの今である。 「イギリスの今」とは、Brexitと緊縮財政と新自由主義で、ブレイディさんの言う「地べた」の人たちの生活や人生が脅かされる時代のことだ。 地味に一生懸命働いて慎ましくも楽しく暮らし、医療サービスを無料で受けられた時代は終わってしまった。 組合やストを毛嫌いしていた人たちも、そこに参加するようになった。時代は変わったのだ。 日本のメディア、報道では全く知ることができないことが、ブレイディさんの本から学ぶことができる。 この本を読んで「イギリスは大変だねー」「でも人情があっていいねー」と他人事として終えるか、それとも自分の国と違うことや根底にある共通点に目を向けることができるか。 最底辺で生きる人の立場から、ということをきちんと捉えたい。 そして、強がっていても体力は落ちていくし、酒は飲めなくなるし(医者に止められる、病気)、時代は変わっていくし、法律も社会の制度も変わっていくし、という光景は、いずれ自分の目の前に現れる光景なのだという事実は忘れてはいけない。 だけどここには愛すべき人たちがいて、その考え方や行動に共感してした。

Posted byブクログ

2020/07/18

ラジオ・高橋源一郎の飛ぶ教室の秘密の本棚で紹介されていて、著者のブレイディみかこさんも出演されていて興味深かったので読んでみた。 EU離脱に無関心、そもそもイギリスをまるで知らなかったので、ある意味新鮮なエッセイ&新書(歴史・経済)でもあった。 なかなか日本に置き換えるのは難...

ラジオ・高橋源一郎の飛ぶ教室の秘密の本棚で紹介されていて、著者のブレイディみかこさんも出演されていて興味深かったので読んでみた。 EU離脱に無関心、そもそもイギリスをまるで知らなかったので、ある意味新鮮なエッセイ&新書(歴史・経済)でもあった。 なかなか日本に置き換えるのは難しいところだが、同世代の日本人はどんな風に描かれるのだろうか?なかなか難しい。

Posted byブクログ

2020/07/13

二十代でロンドンに住んでた頃は  イギリスはNHS、無料でいいなーって  思ってたけどそんな仕組みになってるんだなー  辛すぎる!  イギリスの今。階級のはなし。  お酒事情。 などなど  愛らしいおっさん達がたくさんでてきます。  スムージー飲むおっさん。♡

Posted byブクログ

2020/07/12

ハマータウンのおっさんたちは物悲しくも可愛らしい。EU離脱のほんとのところもわかったし、明日は我が身的に緊縮財政の世知辛さも知れた。

Posted byブクログ

2020/07/12

20200711 イギリスの今がわかるエッセイ。政治に対する個人の意志。民主主義を作って発展させてきた国だからこそ自然に感じる。日本がこのレベルまで熟成することは無いと思うので読んでいて羨ましく思う事が多かった。出来たら、コロナ禍の今をレポートしてもらいたい。NHSはどうなったの...

20200711 イギリスの今がわかるエッセイ。政治に対する個人の意志。民主主義を作って発展させてきた国だからこそ自然に感じる。日本がこのレベルまで熟成することは無いと思うので読んでいて羨ましく思う事が多かった。出来たら、コロナ禍の今をレポートしてもらいたい。NHSはどうなったのだろうか。

Posted byブクログ