告解 の商品レビュー

薬丸岳(著者)

2021/04/18

ひき逃げ事件を契機に、犯罪を犯した人間の途切れることのない罪悪感の揺れ動きを描いた作品。物語は単純だが人間の弱さが非常によく描かれている。キャラクターもきちんと描かれていて、文章量も適度で読みやすい。泣ける作品。被害者家族が人格的に高潔すぎる点が少しマイナス。

2021/03/10

まあいいかと思うような事柄から深い闇に沈んでしまうこと。どんどん家族や周囲を巻き込んで、申し訳けないと思っても、自分では何ひとつできない無力さ。
怖い。

罪を犯した後、本当に悔やんだら被害者は許してくれるのだと私は信じている。心から悔やんだ場合だけ、ひとは許してくれると。

復讐ではなにも解決しないから

2021/02/25

2章目に入って読むのがつらくなったのだけど（翔太がまた悪い方に向かってしまいそうで）、立ち直った～

一度の過ちでどんどんダメになっていく、そんな話多いし、実際そうなのかもだけど、これは救いのある話になってるのかな。
法輪側からしたら、翔太のことは到底許されることではないけどね。

お父さんの手紙良かった~。

2021/02/07

薬丸岳さんの小説を読むと、いつも心の深いところに触れられているような気がするのは何故だろう。とても考えさせられるんだけど、最後にはとても清々しい気持ちにもなる。

2021/01/20

いい作品でした。
罪を犯すということ、その罪と向き合うこと、償うこと、赦すこと、そして少しずつ前に進むこと。
ラストは光に満ちていた。

綾香のなんという慈愛。なんと健気で献身的なことよ！

2021/01/12

彼女に呼び出され、夜中に飲酒運転し信号無視した際に81歳の老婆をはね200メートルも引きずって逃げた翔太。老婆の方にももちろん家族がいるわけで、夫の二三久は出所した翔太に近付く→翔太がクズすぎて逃げまくるのだが、周りに支えられ葛藤しながらも事故と向き合う。後半は泣けた。一気読みで寝不足。

2021/01/10

久々の薬丸岳さん
この方の本は、頭の中で映像化されやすく読みやすい

ひき逃げした主人公に、被害者家族が復讐する話？とベタな事を考えながら読んでたけど、
途中から加害者が良い方向に変わっていく&被害者家族が認知症になっていく展開に、あー。加害者家族が赦してあげる展開？と思っていたら…

ラストの告解に、そうくるかぁと納得した。

加害者がちゃんと最後に真実を話し、謝罪をするとこでは、少しうるっときた。

事故は起こしたくて起きるわけじゃない。
でも起きてしまった事に、ちゃんと向き合って生きていくかどうかが大事なんだと実感。

私も事故を起こさないよう気をつけよう。
ま、飲酒運転は絶対せんけど。

2021/01/02

さすがの一言に尽きる薬丸作品。
どこかひとのせいにし、自分の罪に向き合えずうなされ、未来を見出せずにいた翔太。法輪の告解を聞いた時、全てが洗い流され、進むべき道を見つける。逃げても逃げても追ってくる。だから向き合うしかないのだ。心の底から笑い合える日がくるために…

2020/12/26

飲酒運転で信号無視、おまけに人を轢いた自覚があったのにそのまま逃走。（轢かれた81歳の女性は死亡）
裁判でも、その事を隠し、信号は青であくまでも人と思わなかったと主張し、約5年の刑期を終えてからのその後の苦しみ、生きづらさ、両親は離婚、姉の結婚は破断になり、ひとりになった父親はアルコールに溺れ肝臓がんに。
といってもこれは加害者の転落が主軸ではなく、彼女のメールが事故の発端の綾香と被害者に夫の元教師（戦争体験者）で認知症を発症している法輪二三久の再生の物語。
でも、最後まで真実を明かさなかったらと危惧してたけど、
ちゃんと罪を明かしてくれたのはまぁ良かった。
これ、映画化かドラマ化になりそう。

2020/12/13

交通事故、殺人の意識は無くても人を死なせてしまう事が有ります。
その後の加害者の人生、家族の人生、もちろん被害者家族の人生を狂わせます。
加害者は、清く罪を認め償う事で自分も立ち直ることが出来るのでは？
でも、人間は弱い。自分の楽な道を選びがちです。
加害者籬翔太は、信じてくれる人が居たので立ち直れたんですね。笑顔になることが出来て良かったです。