告解 の商品レビュー

薬丸岳(著者)

2020/12/09

評価は５．

内容(BOOKデーターベース）
飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔―。失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔太に下されたのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫である法輪二三久は、“ある思い”を胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う、慟哭の傑作長編。

同じ年くらいの息子を持つ身としては、全く他人事では無い話であった。もし息子だったら・・・と考えると加害者の両親や家族の行動が我が事のように感じた。

2020/11/23

なるほど…と言う感じ。
ストーリーは良かったし読み応えもある。
けど、ぐいぐい引き込まれるとか、共感して苦しくなる…とまではいかなかった。

2020/11/20

20歳で犯した罪、80代遺族で認知症、どうにも重たいテーマが乱立する中で、主人公がちょっとでも道を外さないで居てくれたことが、読者にとっての救いでした。
2020/10/27読了

2020/12/13

加害者本人が主人公である。なに不自由なく暮らしていた大学生が飲酒運転で轢き逃げを起こしてしまう。嘘をついてしまったことで罪悪感に苛まれるという現実に誰しも起こりそうなストーリー。
被害者の夫が認知症でありながら戦時中の体験を告白し加害者を許してしまうのは少々意外ではあったが、登場人物に感情移入し一気に読めてしまう作品。

2020/11/15

2020/11/15

飲酒運転で死亡ひき逃げ事故を起こした二十歳のマガキショウタと、被害者の夫である法輪二三久のお話。
マガキの揺れる気持ちが分かってしまって本当にリアル。事故の加害者たちはそれまで悪人として生きてきたわけではないんだよな、と改めて考えさせられる。

2020/11/01

－誰かに自分のしてきた罪を告解したかったんだ－籬翔太と法輪二三久。二人は犯罪者と遺族。物語の中盤から以降は頁をめくるスピードがグングン上がった。大切な命を奪ってしまった側と奪われた側の二人、年齢も生きてきた環境も違うけど、心のどこかで通じるものが有った。赦す、赦さないとは別の次元でお互いに大切なものを取り戻せた最後は良かったと思う。

2020/10/26

薬丸岳さんの小説はいつも心苦しくなることが多いと思う。

今回の物語も、少しのきっかけで、飲酒運転をして人を殺めてしまい、苦悩する若者の話。

今なら飲酒運転なんて絶対にしないと約束できるが、20年前はどうだったかと考えて、保証できないなという想い。

被害者家族に対してどう接せるのか、考えただけでも胃が痛くなる。

最後は赦しをもらえたが、逆に被害者家族なら、自分はどうなるだろう？赦せるのか？
色々考えさせられるストーリーだった。

2020/10/25

これまで加害者にならなくてすんだのは運がよかっただけなのかもしれない。被害者にも。これを読んで加害者の被害者の気持ちに近づけた気になれた。もう運転は極力1人でしないし極力運転しない…って心に決めた。

2020/10/09

薬丸さんの本は、罪を犯したその後をいつも考えさせられる。
自らの良心が課す辛い罰から逃れている者。
第三者に裁かれることがなかったとしても、その罰を受け続ける人生。
他者からは判らない罰。償いとはなんだろう。
タイトルが響いてくる。

2020/09/29

順風満帆で何不自由ない大学生がたった一回の過ちで、人生が一転し、奈落の底に落ちていくストーリーがリアルに再現されていて面白い。
家族や友人の大切さを改めて考えさせられるが、犯罪者というレッテルを貼られた後は手をひっくり返したかのように友人から哀れな目でみられる人の残酷さも考えさせられる本だと思う。
次が気になって二日間で読み終わった。