注文の多い料理小説集 の商品レビュー
アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなっ...
アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。 他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。
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巻頭の柚木麻子「エルゴと不倫鮨」の勢いがいい。エルゴは抱っこ紐。食に対するスタンスは生き方に通じるものがあると思う。だから伊吹有喜「夏も近づく」のように食べることを通じて繋がり合う2人の関係性が描かれた作品もすき。
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2024.4.6 読了 7人の作家さんが料理をテーマに紡いだアンソロジー。 どの作品も美味しそうな料理がたくさん出てきてふくふくとした気持ちになると同時に登場人物たちの悲喜こもごももしっかり描かれているので最後まで面白く読みました。 アンソロジーでお気に入りの作家さんに出会える...
2024.4.6 読了 7人の作家さんが料理をテーマに紡いだアンソロジー。 どの作品も美味しそうな料理がたくさん出てきてふくふくとした気持ちになると同時に登場人物たちの悲喜こもごももしっかり描かれているので最後まで面白く読みました。 アンソロジーでお気に入りの作家さんに出会えると嬉しくなりますね。 柚木麻子さん、伊吹有喜さんのお話がとても気に入ったので他の作品も読んでみようと思います。
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最初の柚木麻子氏の「エルゴと不倫鮨」 どこで読んだのだろうか? 読んだ記憶がある。 髪ボサボサのすっぴんの女性で、ワイン1本も空く位の人が、出産で脱アルコールを2年近くしてきた謎の人が、凄く記憶にある。 ワインの事も知識が豊富で、料理も組み合わせの話が、脳裏に! この人の話の続編...
最初の柚木麻子氏の「エルゴと不倫鮨」 どこで読んだのだろうか? 読んだ記憶がある。 髪ボサボサのすっぴんの女性で、ワイン1本も空く位の人が、出産で脱アルコールを2年近くしてきた謎の人が、凄く記憶にある。 ワインの事も知識が豊富で、料理も組み合わせの話が、脳裏に! この人の話の続編は無いのだろうと思った次第である。 「夏も近づく」も、楽しい。 こんなに、文明の利器が無くても、美味しい物が、出来るのだと…… そして、複雑な人間関係の子供に、手を差し伸べてあげれる人が居るという結末もいい! 井上荒野氏の「好好軒の犬」もっと、犬が登場する話だと思っていた。 酒井希久子氏の時代小説 「色にいでにけり」毎度、色の深さと、組み合わせ方が、粋である。 黒襦子に路考結びなんか、なかなか、ふりがなが無ければ、読めないだろうし、どんなものかも、知らない人が多いと思う。 若い人には、読み辛いかも。 中村航氏の「味のわからない男」グルメレポーターも大変な仕事。 売れて、継続的に出演するには、…精神的部分も、含めて健康面も心配の所がある。小説なのに、…… 深緑野分氏の「福神漬」 こんな学生さんも、コロナで、増えたのでは、と…思いながら読んでいた。 初めて読む著者の本。 柴田よしき氏の「どっしりふわふわ」 大阪も東京も一時、酵母パンの高級食パンが流行した。 ちょっとの贅沢に……買って食したけど、日頃は、やはり、普通のパンに戻った。 この違いを書いているのと、20歳も違う2人が、生活を一緒にするのかと、読みながら期待した。 最後、一緒に仕事も生活も共にするのだけと…… 落ちが、考えても無かった!ふふふ! どれも、楽しく読んでしまったのだが、もう、今年も残す事、3日! する事一杯あるのに、本の魅力に、負けて仕舞っている今年の私が居る!!!
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2018〜2019年オール読み物に掲載された短編から登場する料理が魅力的な小説で編んだ文春文庫オリジナル・アンソロジー。あんまり読んだことのない作家ばかりが収められており、読んだことがあるのは深緑野分くらいだった。冒頭3作がイマイチでどうなることかと思ったが、コミカルなネタをうま...
2018〜2019年オール読み物に掲載された短編から登場する料理が魅力的な小説で編んだ文春文庫オリジナル・アンソロジー。あんまり読んだことのない作家ばかりが収められており、読んだことがあるのは深緑野分くらいだった。冒頭3作がイマイチでどうなることかと思ったが、コミカルなネタをうまくまとめた「味のわからない男」(中村航)、叙述トリックが嫌味でない程度のいいアクセントになっている「どっしりふわふわ」(柴田よしき)、一瞬のタイムスリップを描いた「福神漬」(深緑野分)はこの順に良い。
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2023/7/21 食事を摂る人々の短編集。 不倫やワンナイトを狙う男たちが若い女を連れてやってくるワインと寿司の店。 そこへ赤子を抱いた女が「卒乳祝い」にひとりやってくる。 柚木麻子「エルゴと不倫寿司」がインパクト強かった。
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柚木麻子 完全な悪者の男共が出てきてうへぇとなったのは置いといて。出産祝いの使い方すごいいいなぁと思って憧れた。でもあんな味覚に自信も知識もないから実現させるのは難しそう笑 伊吹有喜 途中まですごい好きだったんだけどな。設定はよくあるけど、心の通わせ方がキャラと合ってて好きだっ...
柚木麻子 完全な悪者の男共が出てきてうへぇとなったのは置いといて。出産祝いの使い方すごいいいなぁと思って憧れた。でもあんな味覚に自信も知識もないから実現させるのは難しそう笑 伊吹有喜 途中まですごい好きだったんだけどな。設定はよくあるけど、心の通わせ方がキャラと合ってて好きだったんだけどな。結末がな。えぇ…。本当にそれでいいのかな。 井上荒野 イラっとしてしまうので、あんまり好きじゃない。 坂井希久子 これが一番好きだったかも。和菓子ってすごいね、味と見た目の追求ずっと前からやってんの。 調べたらシリーズ化してた。借りて読んでみよ。未読の作者かと思ったら、居酒屋ぜんや、レトロ大食堂の人じゃん。既に好きな作家さんでした。 中村航 愚かな男だ…。物語的にもそんな好きじゃなかった。 深緑野分 唯一ご飯が不味く描かれてた。微妙。 柴田よしき やられたー!自分を名前で呼ぶの違和感も理解。なー!やられたー!笑 好きなお話だった。 アンソロは好みの作家を新しく探すために読んでる節があるので、タイトルじゃなくて作家名ごと。 柴田よしき今度借りてみよ。 (アンソロだと感想書くの最初の方の作品忘れちゃってて難しい)
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お正月休み最後の読了本かな…もっと本読みたかった!休み足りない!笑 面白かったー。初読の作家さんもようけいてはるけど、どれも面白かった。 家で読むならハードカバー(せめて単行本)にしなさいよって話やけど(笑)返却期限とか惹かれた関係でこちらを手にした。 文春文庫のアンソロめ...
お正月休み最後の読了本かな…もっと本読みたかった!休み足りない!笑 面白かったー。初読の作家さんもようけいてはるけど、どれも面白かった。 家で読むならハードカバー(せめて単行本)にしなさいよって話やけど(笑)返却期限とか惹かれた関係でこちらを手にした。 文春文庫のアンソロめっちゃ好き。構成もすごいいいね。最初はわりとパンチの効いた話、真ん中はちょっと重い話、最後はすっきりした読了感。そもそも柴田よしき氏が最後に書きはるというところで(読了感に)期待しかなかったけど、めちゃくちゃよかったわあ…。 シリーズもののスピンオフ短編やったけど、それもまたよかった。読んでよかった、しかない。 小説アンソロって知らない作家さんに出会えるっていうところもめちゃくちゃいいよね。
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どれも面白かった。 井上荒野さんの作品は本人の短編集「小説家の一日」に入っているので既読でした。 柚木さんと伊吹さんは短編を読むのは初めてだったのだけれど、印象が違ってそれも面白かったです。
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食がテーマの本を読むと幸せになる気がする。 自分の食事もとても大切に思えて、人生が豊かになる気がする。 なので、最近は食事の本をよく手に取ってしまう。 パン好きとしては、やはり「どっしりふわふわ」が好き。
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