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注文の多い料理小説集 の商品レビュー

3.8

82件のお客様レビュー

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2022/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美味しいものや料理が好きなのでよかった。 和洋折衷、スイーツも登場するが、自分が1番心惹かれたのは和食! 心を込めた美味しい料理が作りたくなる♪ 「夏も近づく」と「どっしりふわふわ」がすごーく良かった! ・エルゴと不倫鮨 ★★★★ なんか、爽快! 子連れのボロボロのお母さんが登場した時には、なんか嫌な感じやなーと思ったけど、食に対する知識が豊富でだんだん魅力的に!! 女性客たちが、仲良くなって不倫相手を放って歩いて帰る所が良き!! ついこの間、高いお鮨屋さん行ったばっかやし、美味しいもん食べるのいーよなーって思いながら読んでた。 ・夏も近づく ★★★★★ むっちゃ良かった〜〜〜 夜に呼んでたんやけど、塩おむすびと水出しのお茶がすごーく食べて飲みたくなった! 田舎暮らしの素晴らしさを感じさせられる。 特に食べ物と料理! やっぱりきちんとした生活をするのは素晴らしいな〜と思うし素材を生かした料理がしたくなった。 最後もハッピーエンドで良かった!!! ・好好軒の犬 ★★★ 春の食べ物ですごく美味しそうなのに反して、不穏な空気がずーと流れてて面白かった! ・色にいでにけり ★★★ 江戸っ子の話。 時代モノの話って、物語の中に入り込むまで少し時間がかかる〜 今はカラフルなお菓子は普通だし、むしろ着色料すごそーとしか思わない。 そこまで和菓子に魅せられなかったが、色に対する日本語の表現がたくさんあるのが面白いなーと思った! ・味のわからない男 ★★★ 富山に行って地のものを食べたくなった。 岩上さん、せっかく頑張ってたのに可哀想〜と思う自分は貞操観念バグってるかもー ・福神漬 ★★★ 福神漬は添加物を感じるから別に好きじゃないけど、山盛りのご飯にお味噌、漬物が食べたくなった。 一瞬のタイムリープ?楽しそう。 もう大人なのに、こーゆーのワクワクする! ・どっしりふわふわ ★★★★★ 良かったー!ハッピーエンドでさらに良かったー! ヒロが女の人ってのは驚きだったけど、ラストのカフェのオーナー視点が良かった。 朋子とは理由は全然違うが私も来月から地元に帰るし、出来るだけ家族で晩御飯だけは食べようと思った。 朋子のお母さんが作る美味しそうな和食とパンが対照的やけど、美味しそう!という共通点。 やっぱり美味しい食べ物とか料理っていいな〜

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2022/04/08

ひとまず 「エルゴと不倫鮨」 を読んだ 緊張感がジワジワ高まる様子と裏腹に堰を切ったように同意する女たちが爽快で柚木麻子さんあなたって本当にサイコーです

Posted byブクログ

2022/04/03

短編で読みやすい。 一話一話、質が良いなと感じた。 一話目がお気に入り。豪快に、美味しいものを楽しむこと、こころ強くあること。

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2022/02/16

伊吹有喜「夏も近づく」と柴田よしき「どっしりふわふわ」が特にお気に入り。 先日読んだ「坂本司リクエスト!和菓子のアンソロジー」にも柴田さんの作品が載っていてたまたま続けて読んだらシリーズものでビックリした。 個人的には「和菓子のアンソロジー」に載っていた作品よりもこちらで読んだも...

伊吹有喜「夏も近づく」と柴田よしき「どっしりふわふわ」が特にお気に入り。 先日読んだ「坂本司リクエスト!和菓子のアンソロジー」にも柴田さんの作品が載っていてたまたま続けて読んだらシリーズものでビックリした。 個人的には「和菓子のアンソロジー」に載っていた作品よりもこちらで読んだものの方が好きでした。

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2022/01/25

異国の料理が主題の「チーズと塩と豆」が素晴らしくて、ほかにも料理を題材としたアンソロジーが読みたいなと思っていたらこちらを発見。「エルゴと不倫鮨」「夏も近づく」「色にいでにけり」「どっしりふわふわ」がとってもよかった。 「エルゴと不倫鮨」 最初は「ええ、うっぜぇ能書き垂れる不倫...

異国の料理が主題の「チーズと塩と豆」が素晴らしくて、ほかにも料理を題材としたアンソロジーが読みたいなと思っていたらこちらを発見。「エルゴと不倫鮨」「夏も近づく」「色にいでにけり」「どっしりふわふわ」がとってもよかった。 「エルゴと不倫鮨」 最初は「ええ、うっぜぇ能書き垂れる不倫おっさんの話ぃ…?」ってページを捲る手が一瞬重くなったんだけど、柚木さんだし…そんなことないだろうって考え直して読み進めたらよかった…やっぱりそんなことなかったし、目が覚めていく女たちがすごくよかった。それに出てくるワインにお鮨が真似して食べてみたくなるくらいおいしそう。 「夏も近づく」 初っ端の水出しのお茶と塩むすびがおいしそうですぐ心掴まれた。訳アリ甥っ子と主人公が食と自然を通して家族になっていく様がとにかく良い。割った竹で沢から水を汲んで飲む、土鍋でつくったご飯、うなぎ、たけのこ、しいたけ、燻製のベーコン。このふたりがおいしそうに食べ続けてくれればいい。 「色にいでにけり」 時代小説。毛色がかわってちょっと驚いたんだけれど、これ続きとかないの!?キャラが良い、話が良いのでシリーズものとしてすごく読みたくなりました。少女マンガ好きの心くすぐるような話だった。主人公…いまの時代ならパーソナルカラー診断士として有名になっていそう。 「どっしりふわふわ」 年を重ねて恋にも仕事にも臆病になっていた主人公の話。これ、もう、ほんとによかった…なけなしの語彙ではこれしか言えない。 「好好軒の犬」や「福神漬」は日常を切り取ったような話で劇的な起伏があるようなものでも明るい気持ちになるような話でもないんだけれど、これも魅力のあるお話でよかったです。はぁ〜おもしろかった! 

Posted byブクログ

2022/01/12

読んだことがない作家さんに出会えるのもアンソロジーの良いところだけど、やっぱり好みじゃない作品も入ってるので大切な一冊ということにはならないなぁ。好好軒の海里ちゃんはあちらにいる鬼の海里ちゃんなの?

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2022/01/10

7人の作家による料理をテーマにしたアンソロジー。 表紙もタイトルも宮沢賢治をにオマージュしているが、中身は全く違うコース。 お気に入りは「エルゴと不倫寿司」。 育児中なら一度は聞いたことがあるはずのエルゴ。 知らない方のために簡単に説明すると、抱っこ紐のメーカー(ブランド)だ。...

7人の作家による料理をテーマにしたアンソロジー。 表紙もタイトルも宮沢賢治をにオマージュしているが、中身は全く違うコース。 お気に入りは「エルゴと不倫寿司」。 育児中なら一度は聞いたことがあるはずのエルゴ。 知らない方のために簡単に説明すると、抱っこ紐のメーカー(ブランド)だ。 アメリカ発祥なので、小柄な日本人にはやや大きいようなつくりだが、流行った(私も使っていた)。 さて、そんなエルゴの抱っこ紐と、不倫。 どんな話か気になるじゃないか! 会員制イタリアン寿司に、いい歳こいたおっさんが、26歳の部下を誘う。 このおっさん、悪いやつで、ここを使っては何度もお持ち帰りをしている。 「寿司とワインのマリアージュという自由な発想がビジネスにも応用できる」って何言ってんだ。意味わかんねーよ。 そこへ登場した、スウェットとに母乳の染み付き、若くもなく、見た目もよれよれな母親と思しき女性。 おっさんたちをよそに、むしゃむしゃ食べ始めるがやたらワインに詳しい。 しかも食通なのか、次から次へと繰り出す知識。 しかし、使う食材は、お茶漬け、とか、きゅうり、とか、庶民の食べ物だ。 そのパワフル母さんをみているうちに先にいた女性たちは、隣の男を魔法の解けた目で見る。 「ここは大人の社交場ではなく、男のための社交場でしょ」という嫌味や「誰かに育児や家事を任せられる人だけが楽しむなんて」と軽蔑したように諭す。 ワインボトルを1時間で一本開けた母親は、食べたいものを食べただけだ。 しかし、その逞しさをみて、男たちは自分が守ってきたものを犯されまいと必死で母親を落とし、女性たちは母親に潔さを見、自分たちの強さも取り戻す。 この対比が面白い。 その他、「色にいでにけり」は、時代小説。版画と和菓子の物語。 「どっしりふわふわ」はパン職人と、調理学校の先生の物語。 どちらも素敵な話だ。

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2021/12/23

7編の小説それぞれが、コース料理のように全て違うテイストで、食べ飽きない一冊。 痛快だったり、爽やかで愛しかったり、ゾッとしたり、応援したくなったり、背筋が凍ったり、夢現の心地だったり、未来を展望したり。 どのお話も、その後が気になるところ。 個人的に1番賢治イズムを感じたのは「...

7編の小説それぞれが、コース料理のように全て違うテイストで、食べ飽きない一冊。 痛快だったり、爽やかで愛しかったり、ゾッとしたり、応援したくなったり、背筋が凍ったり、夢現の心地だったり、未来を展望したり。 どのお話も、その後が気になるところ。 個人的に1番賢治イズムを感じたのは「福神漬」かな。お気に入りは「夏も近づく」。タイトルからしてちょっと好き。

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2021/12/03

『もの食う話』(文藝春秋編)、『忘れない味』(平松洋子編、講談社)も良かったけど、このアンソロジーもたまらんなぁ。 『注文の多い料理小説集』文春文庫 新作『らんたん』が気になっている柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』は意識高い系創作鮨屋で繰り広げられる蘊蓄会話劇に真の酒呑みの子連れ...

『もの食う話』(文藝春秋編)、『忘れない味』(平松洋子編、講談社)も良かったけど、このアンソロジーもたまらんなぁ。 『注文の多い料理小説集』文春文庫 新作『らんたん』が気になっている柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』は意識高い系創作鮨屋で繰り広げられる蘊蓄会話劇に真の酒呑みの子連れママの堂にいった痛飲活劇のライブ感と、客で来ている女性達の連帯が爽快すぎて通勤電車でボロ泣き。いや、決して悲しい話やないんですけど。『ランチのアッコちゃん』でも感じたけども、この作家は空間x時間の使い方がとんでもなく上手い。このトリビュートで巻頭を飾るだけあって僕のナンバー1でした。 折目正しく田舎で暮らして料理することの格好良さや、瑞々しい多幸感が胸に迫ってくる伊吹有嬉『夏も近づく』はラストでキュンキュンになってこちらも泣けた!「ここではない何処か症候群」に罹っていた青年期にカッコいいおじさんを目指して、とうにその年齢設定は超えてしまった自分だけど、もう一度こういう「優しいハードボイルド」を志してもいいかもしれない。 坂井希久子『色にいでにけり』は出色の出来栄えだと思います。江戸時代、錦絵の摺師の娘がその優れた色彩感覚からトラブルを引き起こしたり、名門の菓子屋のコンサルタントで活躍したりの時代小説エンタメ。キーマンの京都人がその風体や話し方で怪しさ満載に印象付けられているのがどんどん好感度が上がって憎いあんちくしょうに描き変えられていく筆致が絶妙。本紫、江戸紫の染料の価値や階級的表象の説明なんかがさらりと織り込まれていてとても勉強になります。 深緑野分『福神漬』。経済的な事情で大学を休学してアルバイトに励む女性が節約しつつ体力を維持するために決して美味しいとは言えない食べ物を口にした後に「 これはカロリーだ。体を動かすエネルギーになるもの。ガソリンを注入される車と一緒。栄養源。」と独りごちる様子は映画『ファイトクラブ』で不眠症にラリりながらコピー機のそばで消費社会を風刺し批判するエドワード・ノートンを彷彿させます。過労のせいで、清掃員として働いている病院の食堂での食事中に、明治時代の大衆食堂に意識がトリップして「決して上品ではない、味も良くない食事をわしわしとかき込む大衆」に触れて、エネルギーを感じ、現実世界での食事に少し居住まいを正す。彼女がよく描く「保護下にあったか弱い女性がサバイブする逞しさを否応なしに身に付けていく」過程がショートストーリの中で読書、労働、食事を中心に鮮やかに描かれたじんわり滋養強壮される銘品です。 最後の一編は柴田よしき『どっしりふわふわ』。パンの焼き上がりとイーストの使い分けの描写にとても関心を引かれました。だけどそんなことよりこのテイストの話にそんなミステリプロット盛り込んでくる!?なんとも爽やかな驚きと感動で本を閉じられます。素敵・・・ 面白かった!ご馳走様でした!!

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2021/11/21

食べること、生きるために必須の行為でありながら、(広い意味で)交際の舞台となり、その人の人となり、暮らし方、生き方を映し出すもの。 一作目を読みすかっとし、二作目を読みじんわりして、最初から最後まで、味わい深く、その味わいが作品ごとにころころ変わっていくのも興味深く、アンソロジ...

食べること、生きるために必須の行為でありながら、(広い意味で)交際の舞台となり、その人の人となり、暮らし方、生き方を映し出すもの。 一作目を読みすかっとし、二作目を読みじんわりして、最初から最後まで、味わい深く、その味わいが作品ごとにころころ変わっていくのも興味深く、アンソロジーの醍醐味を楽しみました。

Posted byブクログ