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注文の多い料理小説集 の商品レビュー

3.8

82件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    1

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2023/01/23

料理系の小説に惹かれた。名作「注文の多い料理店」は苦手だけれども。 井上さんの物語を初めて読んだ。お兄さんの不貞はさておき、葉月の事情もなんとなくそうではないかと思った。独身気ままな拓実とウマが合ってよかった。 なんだか色恋というか、どろどろ系を強く感じた。 味覚障害は怖い。 柴...

料理系の小説に惹かれた。名作「注文の多い料理店」は苦手だけれども。 井上さんの物語を初めて読んだ。お兄さんの不貞はさておき、葉月の事情もなんとなくそうではないかと思った。独身気ままな拓実とウマが合ってよかった。 なんだか色恋というか、どろどろ系を強く感じた。 味覚障害は怖い。 柴田さんのお話で百合が原高原が出てきたのは嬉しかった。

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2022/12/31

料理にまつわる小説短編集。どれも美味しそうな描写があり食欲がそそられた。時代小説に分類されるのか『色にいでにけり』はなかなか読み進められず時間がかかってしまった。やはり時代小説は苦手なんだと再認識できた。

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2022/09/02

食が彩る短編小説集。 すべて日本が舞台の作品だけれど、坂井希久子さんの作品は江戸時代とかの物語で、深緑野分さんの作品は、昭和か明治とかにタイムスリップしてバラエティ豊か。 初めて読む作家さんもいて、読書の幅を広げるきっかけになりそう!

Posted byブクログ

2022/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私は短編集が苦手だけれど、アンソロジーは好きだ。 作者が違うからだろうか。 これもすごく面白かった。 『注文の多い料理小説集』 柚木麻子、伊吹有喜、井上荒野、坂井希久子、中村航、深緑野分、柴田よしき (文春文庫) 一編一編全然違う雰囲気があって、作家さんの個性がびんびん伝わってくる。 料理小説集といえど、料理ありきというわけではないところもいい。 「エルゴと不倫鮨」 柚木麻子 エルゴと不倫と鮨を組み合わせるセンスがすごい。 柚木さんはステレオタイプでない女性を描くのがうまいな。 世の中いろんな人がいていいんだと思わせてくれる。 不倫カップル御用達のイタリアン創作鮨店に突然乱入してきた乳児連れの母親。 洒落た場所にそぐわないいでたち、立ち居振る舞いの彼女が、意外な食通ぶりを見せ、メニューにない鮨をがんがんリクエストする様がめちゃくちゃ気持ちいい。 彼女はよく食べよく飲み、不倫カップルの女性たちを味方につけ、男たちのスケベ心をこてんぱんにし、颯爽と去っていく。 スカッと胸のすく読後感! 出産祝いの御祝儀袋から代金を払うのも面白かった。 「夏も近づく」 伊吹有喜 自然豊かな地でひとりで暮らす拓実は、訳ありの甥っ子・葉月と暮らすことになる。 拓実の作る素朴な料理がとてもいい。 水出しの緑茶に塩むすび。沢の冷水でさらしたそうめんを手作りの竹の器で食べる。掘りたてのタケノコを焼く香ばしい匂い。土鍋で炊いたご飯や手作りベーコン。 慎ましいけれど豊潤な料理たちが、五月の爽やかな風と一緒に心にすーっと沁み入る。 食事を通して葉月が自分の居場所を見つけていく様子にじんとする。 拓実と葉月の距離感も素敵だ。 「好好軒の犬」 井上荒野 小説家の夫と、夫を愛しすぎている妻のいびつな関係が、読んでいてヒリヒリする。 もちろん料理は登場するが、蕗の薹の味噌汁や鮪の山かけ、鯨の尾の身、手作りの蕗味噌、のっぺい汁に菜の花のお浸し、と異常にきちんとした感じが不穏な空気に更なる不気味さを加えている。 何げない会話の奥にある目に見えないものがふわっと浮かび上がってきて震える。 「色にいでにけり」 坂井希久子 これは時代物だ。 摺師を父に持つお彩は、類まれなる色彩感覚を持っており、ひょんなことから選定会に出品する上菓子のアドバイスをすることになる。 登場する色の描写がとにかくすごい。 紅緋(べにひ)、黄檗(きはだ)、薄萌黄(うすもえぎ)。 御納戸色(おなんどいろ)、媚茶(こびちゃ)、錆浅黄(さびあさぎ)。 猩猩緋(しょうじょうひ)、梅鼠(うめねずみ)、撫子色(なでしこいろ)。 日本の伝統色の繊細さと色の名前の美しさに圧倒されつつ、一つ一つ調べてはワクワクと心躍らされてすごく楽しく読み終えた。 謎の男、右近も気になるなぁ。 「味のわからない男」 中村航 アイドル崩れのグルメリポーター・岩上の自業自得な顛末。 一点も同情の余地がないクズっぷりがいっそ気持ちいい。 味覚障害の中里くんが「ましなゴム」と言って唯一食べられるチキンカツが、実は本当の意味でごちそうと言えるのかもしれないなと思ったりした。 「福神漬」 深緑野分 両親が営む喫茶店がつぶれ、一転、貧乏生活を送る「私」。 皮がぶよぶよになった売れ残りのコンビニのあんまんや、福神漬だけ山盛りの水っぽいしゃばしゃばのカレーライスなど、まずそうなメニューが続々と登場するにもかかわらず、私はこの話、結構好きなのだ。 タイムスリップした大正時代の食堂で、質素なごはんをもりもりと掻き込む人々の姿に、食べることの大切さを見た気がして心が温まる。 貧乏くさいお話なのになぜか豊かな気持ちになる、不思議な一編だった。 「どっしりふわふわ」 柴田よしき 五十歳の朋子が、ニ十歳年下のパートナーと故郷でパン屋を開く話。 何と言っても最後に明かされるパートナーの正体にびっくり。 やられたー。 叙述トリックやん。(トリックじゃないけど) 和食をアレンジした具をカンパーニュで挟んだどっしり系のサンドイッチと、蜂蜜バターや栗の甘煮、生クリームで飾られたふわふわ系の優しいパン。 ハッピーな二人の未来に、美味しそうなパンの描写がぴったりとはまる。 焼いた牛肉と柴漬けを混ぜ込んだごはんをパンで挟んだやつなんて、どんなのか食べてみたいなぁ。 というわけでいろいろと楽しかった。 肩の力を抜いてさらっと読めて、読んでいると何だかお腹がすいてくる本なのでした。 表紙もいいぞ。

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2022/08/28

7人の作家が「料理」をテーマに描いた短編小説集です。今迄に他の作品を読んだことのある作家もいれば、この小説集が初めての作家もいます。読んでみたい作家の作品を、この様な作品集を読んでからと、思う人もいるかもしれません。この短編集では柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」が最初に登場します...

7人の作家が「料理」をテーマに描いた短編小説集です。今迄に他の作品を読んだことのある作家もいれば、この小説集が初めての作家もいます。読んでみたい作家の作品を、この様な作品集を読んでからと、思う人もいるかもしれません。この短編集では柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」が最初に登場します。柚木麻子さんの作品は数冊読んでいましたが、この作品は今迄で一番笑った作品です。柚木麻子さん以降の作家の作品は、どのような物語なのか興味が出てきたので、どんどんと読み進んでいきました。

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2022/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人生を彩る料理に乾杯。 7つの個性的な短編が収められている。登場する料理も様々。お酒からお菓子、パン。時代も場所も様々だ。読み終わると美味しい料理を食べた後のように満足している。 柚木麻子「エルゴと不倫鮨」ある程度の年収の男と歳が離れた若い女性が集まる店。そこにやってきた招かれざる客は——。卒乳祝いの女性がパワフルでそこにいる人すべてが巻き込まれていく。世界をひっくり返すようなお客にコロリと順応するのはまた女性たち。疲れ果てた男性たちの顔が目に浮かぶ。 伊吹有喜「夏も近づく」三重県の自然の中に暮らす拓実のところに兄が訳ありの少年を連れてきた。美味しい水と自然の中で育ったものを食べるうちに2人は距離を縮めていく。気付いた葉月の回復が嬉しく、ラストの再会まで柔らかな光に包まれた作品。

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2022/07/18

美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。 お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。 温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと!...

美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。 お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。 温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと! たけのこご飯、果肉ごろごろのバレニエ、青竹のコップで食べる素麺ーー。身体の隅々まで染み渡るような滋味あふれる料理が恋しくてたまらなくなる。 テレビやスマートフォンを眺めながらささっと食事を済ますのも悪くはないけれど、目の前の料理の香りと素材本来の味に、もっとじっくり向き合って食事をしようと姿勢を正した。 伊吹有喜さんの書く、料理がテーマの本をもっと読んでみたくなったので、『BAR追分』を手に取ってみようと思う。

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2022/06/11

美味しい食べ物が出てくる小説が大好きなので気になって読んでみました。 こういうアンソロジーは、今まで読んでこなかった新しい作家さんを開拓するきっかけにもなっていいですよね(^^) 7つのお話のうち、最初の2つ、柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」と伊吹有喜さんの「夏も近づく」が自分...

美味しい食べ物が出てくる小説が大好きなので気になって読んでみました。 こういうアンソロジーは、今まで読んでこなかった新しい作家さんを開拓するきっかけにもなっていいですよね(^^) 7つのお話のうち、最初の2つ、柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」と伊吹有喜さんの「夏も近づく」が自分的に特に好きでした。 「エルゴと不倫鮨」はおしゃれな高級寿司店が舞台で、自分では食べたことのないものややったことのない食べ合わせがたくさんでてきましたが、どれもめちゃくちゃ美味しそう♪ 気取った男たちを圧倒するグルメなお母さんのキャラクターが最高で、スカッとできるお話でした。 「夏も近づく」は、田舎の美味しいものが詰まったお話。 青竹を割って作ったコップにめんつゆを入れて、自然の中で食べる素麺、シイタケのバター醤油焼きとタケノコご飯の焼きおにぎりの夜食、カリカリに焼いた手作りベーコンなど、読んでいるとお腹が空いてきちゃうこと必至の飯テロ小説です笑 最初はぎこちなかった拓実と葉月くんの関係が、食べ物をきっかけにして少しずつ近づいていく感じもとても良かったです。 あと、最後の柴田よしきさんの「どっしりふわふわ」は、前から気になっていた『高原カフェ日誌』 シリーズの登場人物が出てきてるっぽかったので、そちらを先に読んでおけば良かったかな。 また近いうちに読んでみようと思います。 美味しいものがたくさん出てきて幸せな読書タイムを過ごせました。 ごちそうさまでした!

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2022/05/03

料理がでてくるアンソロジー。人気作家ばかりだけあってどれも良かった!坂井さんは初めましての方でしたが、主人公の続きが気になって読み終わってすぐAmazon検索してしまった(色にいでにけり、シリーズになってて嬉しい)。柴田よしきはミステリーも書いてること思い出させてくれたラストだっ...

料理がでてくるアンソロジー。人気作家ばかりだけあってどれも良かった!坂井さんは初めましての方でしたが、主人公の続きが気になって読み終わってすぐAmazon検索してしまった(色にいでにけり、シリーズになってて嬉しい)。柴田よしきはミステリーも書いてること思い出させてくれたラストだった。

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2022/05/01

いろいろな作家さんの、しかも私の大好きな料理をテーマにした作品が、一冊で読めるのが嬉しい。 お話として好きだったのは、夏も近づく。ほんもののご飯、って感じ。 あと、どっしりふわふわも良かった。ラストにはびっくり。 エルゴと不倫鮨は、お料理がとにかく美味しそうだった。豪華すぎて...

いろいろな作家さんの、しかも私の大好きな料理をテーマにした作品が、一冊で読めるのが嬉しい。 お話として好きだったのは、夏も近づく。ほんもののご飯、って感じ。 あと、どっしりふわふわも良かった。ラストにはびっくり。 エルゴと不倫鮨は、お料理がとにかく美味しそうだった。豪華すぎて想像できないのも多かったけど、雰囲気は堪能できた。ラストも好き。 色にいでにけりは、分からない色名がたくさん出てきたりして若干読みづらかったけど、昔の人たちの強さとか粋とか感じられて、良かったです。

Posted byブクログ