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透明な夜の香り の商品レビュー

4.2

438件のお客様レビュー

  1. 5つ

    164

  2. 4つ

    172

  3. 3つ

    67

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2023/09/14

「透明な夜」の香り、そんなの美しいに違いない!と思いタイトル買い。 冷たいガラスをゆっくりと手で温めていくような、じんわりとした温度があった。

Posted byブクログ

2023/09/13

自分の周囲を何かの香りで満たされる幻想を抱く。それくらい、この独特な世界観に入り込んでいる錯覚を覚えた。 この先の2人はどうなる?と気になります。

Posted byブクログ

2023/09/13

友人の勧め。 香りを題材にするといった発想がまた新感覚でおもしろかった。 登場人物や情景の表現の仕方も美しく、頭に浮かびやすい。

Posted byブクログ

2023/09/11

千早茜さんは本作が初読みだった。 並外れた天才的な嗅覚の持ち主で、それ故に生きづらさを抱えた小川朔。 引きこもりの兄の存在を秘め続けた結果、生きる気力を無くした主人公の一香。 2人が雇主とアルバイトの関係を通じて、少しずつ自分の存在を確かめていく物語。 嗅覚や味覚や視覚とい...

千早茜さんは本作が初読みだった。 並外れた天才的な嗅覚の持ち主で、それ故に生きづらさを抱えた小川朔。 引きこもりの兄の存在を秘め続けた結果、生きる気力を無くした主人公の一香。 2人が雇主とアルバイトの関係を通じて、少しずつ自分の存在を確かめていく物語。 嗅覚や味覚や視覚といった五感の一部に訴えかけてくる描写が多く、その豊かで繊細で美しい表現が、巧みな作家さんだと思った。 香りをメインに扱うという独創的な物語は、なかなか興味深かった。ただ、残念ながら私にはあまり響かなかった… 場面や人物の切替がスムーズでない箇所が気になり、読み進めるのに時間がかかった。 確かに、懐かしい香りは記憶を呼び起こす。 田舎の祖父母宅の上り框の香り… 学生時代の体育館や教室、走り回った校庭の香り… 初めて上京して一人暮らしをした部屋の香り… などなど そんな記憶を呼び起こす香りを再現出来たら、何て面白いんだろうと思った。 きっと記憶の断片に印象的に残っている香りは、私にとって大切な出来事を彩る重要な要素なんだろうなぁと、改めて気付かされた一冊だった。

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2023/09/09

人が生活を整えて立ち直っていく姿がとても丁寧に描かれていました。アロマテラピーやハーブ療法など関心がある人が読むととても興味深いと思います。

Posted byブクログ

2023/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

視覚的に分からない他人の心情を否が応でも香りで認知できてしまう朔と、良き理解者でありたいと願う一方で重い過去を引きずる一香、新城のぶっきらぼうさに救われる場面や源さんの太陽のような暖かさ、全部まとめて素敵な世界観だった。 心地よいラストノートの香りを残して終えた2人のこの先がどうか、穏やかな生活でありますように。

Posted byブクログ

2023/09/07

とても好きな世界だった。 清潔で白くて静かで誰からも傷付けられない聖域。 朔の指示する通りの生活用品を使い、それはハーブの香りとパワーで知らずのうちに一香の心も体も強く守り育ててくれた。 心が疲れ切っている時には誰かの言葉に従う方が楽だ。 それが朔の様な人並外れた嗅覚の持ち主で的...

とても好きな世界だった。 清潔で白くて静かで誰からも傷付けられない聖域。 朔の指示する通りの生活用品を使い、それはハーブの香りとパワーで知らずのうちに一香の心も体も強く守り育ててくれた。 心が疲れ切っている時には誰かの言葉に従う方が楽だ。 それが朔の様な人並外れた嗅覚の持ち主で的確な指示のできる防御力の強い人ならば安心して守られていられる。 朔の嗅覚の鋭さを表す一つ一つのエピソードが細かくて、朔のキャラクターを容易に想像することができた。 依頼を鮮やかに紐解いて行く姿は謎解きを明かされている様ですっとする。 薬用植物や野菜が育つ畑、ハーブティー、紅茶、ハーブが使われた洗剤や掃除道具、美味しそうな毎食の食事、食べる事が大好きな千早さんならではの描写だろう。 そういう描写からも力を受け取り癒される気持ちになった。 一香の過去の強いトラウマを一瞬で解き放った朔。 それぞれ一人の時を経て、二人の時を楽しんでいた事を自覚する。 清々しく満たされた読後感、繰り返し読みたい作品になった。

Posted byブクログ

2023/09/07

二人だけで共有できる感覚や気持ちがあると思う。天才調香師の朔、つらい過去を抱えた一香。洋館で調香師として働く朔のもとにお手伝いとしてアルバイトに応募した一香は香りにまつわる出来事を解決していくうちに通じ合うものを見出す。二人の出会いは互いを癒し、そして過去に向かい合う。 読んでい...

二人だけで共有できる感覚や気持ちがあると思う。天才調香師の朔、つらい過去を抱えた一香。洋館で調香師として働く朔のもとにお手伝いとしてアルバイトに応募した一香は香りにまつわる出来事を解決していくうちに通じ合うものを見出す。二人の出会いは互いを癒し、そして過去に向かい合う。 読んでいて香りを想像させ、それに乗っかる物語は非現実へと誘う。素晴しい読書体験だった。

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2023/09/04

「香りは永遠に記憶される。」 好きな香り、嫌いな香り、思い出したい香り、あの時の香り...忘れてしまっても嗅ぐことでふと思い出すことってたくさんある。 小学校の保健室に嗅ぎに行ってたサロメチールの香り、 手作りのラベンダースティックの香り、 忘れられない人の香り ・・・など。気づ...

「香りは永遠に記憶される。」 好きな香り、嫌いな香り、思い出したい香り、あの時の香り...忘れてしまっても嗅ぐことでふと思い出すことってたくさんある。 小学校の保健室に嗅ぎに行ってたサロメチールの香り、 手作りのラベンダースティックの香り、 忘れられない人の香り ・・・など。気づいたらもう一度感じたい香りに想いを馳せながら読んでいました。洋館の静かさと香りに心が落ち着く素敵な読書時間でした。

Posted byブクログ

2023/09/02

読み終わったそばから、もう一度読み返したくなった。 生活習慣や行動、嘘の匂いまで判別してしまう人並外れた嗅覚を持つ朔と、離職し、引きこもっていた生活から脱しようと朔の館で働くことになった一香。 一香は朔の声を『紺色の声』と感じていて、きっと深みのある落ち着いた声なんだろうなと想...

読み終わったそばから、もう一度読み返したくなった。 生活習慣や行動、嘘の匂いまで判別してしまう人並外れた嗅覚を持つ朔と、離職し、引きこもっていた生活から脱しようと朔の館で働くことになった一香。 一香は朔の声を『紺色の声』と感じていて、きっと深みのある落ち着いた声なんだろうなと想像力を掻き立てられる。 他にもたくさんの香りが登場するし(朔は調香師なので)、庭には色とりどりの花々が咲いているし、家事手伝いをする一香が作る料理はとても丁寧で美味しそう。 五感が刺激される物語だなと思った。 朔の館やその生活は世間離れした雰囲気なので、朔の同級生の新城が現実に引き戻してくれていいバランス。 一香の友人のさつきも、庭師の源さんも好きだなあ。 自分だけの香りを作って欲しい依頼人が朔のもとを訪れ、そのかかわりの中で思考を止めていた一香がいろいろ考えたり、香りから忘れていたことを思い出していく。 全体的にとても静かで繊細でありながら、 チクリとした毒も、大きな痛みも感じる。 途中驚きとちょっとした喪失感を味わったけど、最後は晴れ晴れとしている 『赤い月の香り』も早く読みたいな。

Posted byブクログ