透明な夜の香り の商品レビュー
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2章くらいまでは、なーんか気取りすぎてて今こういうの読むタイミングじゃなかったかもと中々進みませんでした。フランス料理食べた後、物足りなくてお茶漬け食べたくなるような…。 朔が逮捕されたあたりから面白くなってきました。 あまり2人がくっ付くことは想像できないし、どうなるんだろうとドキドキしました。 一香を感情を取り戻したのは嬉しかったですが、朔がもう自由だよって言って屋敷を 出て行った時は見捨てられたようで本当に悲しかったです。 正直、自由っていってるんだから居座ってやれ!って思いました。 新城さんが取り持ってくれたというか思春期のガキって言ってて朔可愛いとほっとしました。 紺色の声って表現が好きでした。
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8章構成。どこかファンタジー的でアニメ的な小説。 ・メインストーリー 自分の過去を清算できず、死んだような生活をしていた主人公が、嗅覚の天才である調香師との出会いと、その周囲との関わりを通じて変化していく物語。 ・サブストーリー 天才が故の苦悩、視覚と嗅覚、温かな寄り添い方 ・構成 常に一香視点で物語が進んでいく。 各章ごとに調香師としての仕事が一つ取り上げられている。 ・特に印象的な場面など p.81 結果的に自分の尿の匂いを暴露することになり、おまけに障害などと言われている。さつきちゃんが聞いたら怒りで目をまわしかねない会話だ。朔さんは天気の話でもするように続ける。 →一香の冷静な分析が面白い。朔は時折一線を超える発言をするのが、雰囲気とのギャップもあって笑ってしまう。 p.231 人は自分にぴったり合う香りを見つけると輪郭がくっきりするのかもしれない、と仁奈さんを思い出した。 p.254 『生きるって決めたから』『なにそれ』と笑われる。『一香はずっと生きてるじゃない』 さつきちゃんの寄り添い方が感動。 ・気づき 1.アニメ調 登場人物の特徴の描き方が神がかっていて、登場人物の顔や声、会話などが非常にイメージしやすい。もはやアニメ化してほしいと感じるくらい。 内容が少し現実離れしているところがあるので、 ちょっとファンタジーっぽい。そう言うところも含めて、アニメ的に感じる。 2.パートナーという存在 朔と新城は幼少期からの繋がりという長い時間を経て構築されたパートナー、一香とさつきは仕事で知り合いコンスタントに連絡し合うことで構築されたパートナー。その二つの関係はお互いを信頼しつつも不可侵な領域は保たれていた。 一方、朔と一香は最終的には誰にも言えなかった部分でさえも曝け出せる関係になっていた。 最後の部分で『友だちとして』と一香は発言しているが、これは一香が初めて朔についた嘘なのではないか?と思った。真実も嘘も語り合える関係としてのパートナーがえがかれて描かれてると感じた。 3.香りと色 朔は香りに、一香は色に敏感な気がした。 自分はそこまで感覚に鋭い方ではないので、 登場人物のやり取りの繊細さには度々驚いていたが、自分の持つ感覚を駆使して、日常の世界を見れば、普段は何気なく無視している物事でも実態を帯びてくるのではないか?と思うようになったし、実際にそんな生活を送ってみたいと思った。(朔ほどの能力はいらないが...w)
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洗練された装丁と"香り"というタイトルに惹かれ、購入しました。 閉ざされた過去の記憶を 香りが引き金となり思い出していく一香と、人より優れた嗅覚を持つ事で忘れられない過去を持つ朔。 心の移り変わりは時の流れと共に必然と起きる事。良い悪いではなく、変化していく...
洗練された装丁と"香り"というタイトルに惹かれ、購入しました。 閉ざされた過去の記憶を 香りが引き金となり思い出していく一香と、人より優れた嗅覚を持つ事で忘れられない過去を持つ朔。 心の移り変わりは時の流れと共に必然と起きる事。良い悪いではなく、変化していく事でその時々で異なる香りを放つ事が出来るのだろう。時間の経過とともに香りが変化していく香水のように。 ラストはどのように締め括られるのか、少しの緊張を抱きながら読み進め、心温まるラストにほっとして本を綴じました。
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鼻が利く彼は香り以外で変化を感じ取れたことに一歩前進。個性の強い彼の成長を楽しめました〜 料理が出てくる小説が好きで 今作はプラス香りも漂ってくるほどに美味しそうだった。 初めて読んだ千早茜さん。 美しい言葉のチョイスに浄化されました。 負の香りも高揚する香りも個体差あれ...
鼻が利く彼は香り以外で変化を感じ取れたことに一歩前進。個性の強い彼の成長を楽しめました〜 料理が出てくる小説が好きで 今作はプラス香りも漂ってくるほどに美味しそうだった。 初めて読んだ千早茜さん。 美しい言葉のチョイスに浄化されました。 負の香りも高揚する香りも個体差あれど 香りと記憶の結びつきは切り離せない。 続きも楽しみだ〜〜
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世界観がすごく好きで癒されました。 特に大きな事が起こるわけでもなく続きがめっちゃ気になるわけでもないけど癒しの本って感じ。 翔さんと新城はイケメンなんだろうなぁ ~って感じで想像できた。 心が綺麗になりそう。
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匂い、臭い、ニオイの特殊能力者の不思議な話 ミステリー少々の恋愛小説でしょうか? ごりごりミステリーを期待していた私には合わなかった‥ 琴線メモ ■「天然香料は六百ほどしかない上に高価で、手に入りにくいものも多い。ただ、合成香料はいまや三千以上あり、最先端の分析機器を使えば、理...
匂い、臭い、ニオイの特殊能力者の不思議な話 ミステリー少々の恋愛小説でしょうか? ごりごりミステリーを期待していた私には合わなかった‥ 琴線メモ ■「天然香料は六百ほどしかない上に高価で、手に入りにくいものも多い。ただ、合成香料はいまや三千以上あり、最先端の分析機器を使えば、理論上はどんな匂いも再現可能」 ■嗅覚には同じものを嗅ぎ続けていると感じなくなる 嗅覚順応 ■ 「私は噓つきなので、変わらないなにかを約束はできません。それでもいいのなら、紅茶を淹れますよ」
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表紙が暗い感じでしたが、物語はそれほど暗くなく、ゆっくりとした時間が流れていました。 少しミステリのような要素もあり、面白かったです。 ハーブティーや料理が度々登場しますが、匂いが漂ってくるようでした。 香りについて意識させられる物語でした。
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感想 なにかに秀ですぎている人も大変なんだなぁ。他人が気にならないことが気になったり分かったりすることも苦しいのかもしれない。 普通とは何なのか?考えさせられた。 あらすじ 若宮一香は職を探しており、小川朔という調香師の家で身の回りの世話をする仕事につく。朔はどんな臭いでも完璧に作り出すことが出来る。また、臭いにとても敏感だ。そんな朔と心に傷を持って前に進めない一香の物語。
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ずっと読みたかった作品。 年内に読めてよかった!! ページを捲ると香りが漂ってくるような… そんな作品でした。 香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される
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ブクログでフォローしている方々の評価を見て読んでみたいと思い、千早茜さん初拝読。 千早茜さん、好きになりました。 調香師という小川朔は香りだけで人の体調や嘘まで見抜けるという特殊な人でしたが、今まで匂いにそこまで注目したことがなく、本に出てくるハーブの話や説明が興味深かったです。 読むにつれて、一香と朔の距離が縮まっていくのがとてもよく、香りが徐々に馴染んでいくように、時間をかけて一香という存在が朔の中に浸透していったのかなと感じました。
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