うちの父が運転をやめません の商品レビュー
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息子とコミュニケーションをとれないことを、何かのせいにしながら延々考える主人公に、気が滅入った。 田舎の高齢者のテーマも切実で、普段考えないようにしていただけに気が重くなる。 とゆーことで読むと気分が暗くなってくるのだが、奥さんの歩美さんの選択は思い切りが良く、まずはトライする夫婦のありかたは気持ちよかった。 主人公の叔父さんや岳父のアドバイスに励まされ、だんだんと、解決に向かうのではという期待が湧いてくる。 結局、読むのをやめられなくて、その日のうちに読了。 孫が高校生になってもじいちゃんばあちゃんに懐いていて、素直で可愛いのは素敵だった。 23区内も移動スーパーは回っているが、私の田舎にも回ってきてくれるといいなぁと思った。 日本中の老若男女が気に入った土地に住み、安心して買い物や外出ができ、安心安全な社会となることを望みます。
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高齢ドライバーは身近にもいること、実家が地方都市にあり車がないと生活に困ること、共感する部分が多く、あっという間に読み進めてしまった。 運転をやめない、自分は大丈夫という自尊心は年齢を重ねれば重ねるほど硬くなるものだろうし、一方で不安な気持ちも抱えつつ、それを認められないこともあ...
高齢ドライバーは身近にもいること、実家が地方都市にあり車がないと生活に困ること、共感する部分が多く、あっという間に読み進めてしまった。 運転をやめない、自分は大丈夫という自尊心は年齢を重ねれば重ねるほど硬くなるものだろうし、一方で不安な気持ちも抱えつつ、それを認められないこともあるだろうと思う。 でもそれは会話やコミュニケーションが足りないからこそ凝り固まるものなのかもしれない。 ひまわり号という【車】が、人と人をつなぐきっかけとなり父親の運転をやめさせるきっかけとなったのは、面白い仕掛けだなぁと思いました。
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高齢者から車を取り上げる前に、その人の気持ちや生活の事情へ耳を傾けなければいけませんね。 「都会で暮らす」「ネットを使う」この作品ではどれも失敗していますが様々なアプローチの方法があるんだなと勉強になりました。
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そうきたか!という展開 この方の作品 カラッと前向きに社会の問題を提議してくれている感じと 事前にしっかりと調べて書いているところが勉強にもなるし好きです 出典の本も読んでみたくなった
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文庫版がカドブン夏推し2023に選ばれています。 高齢ドライバーが事故を起こしたニュースを聞いて、「78歳っていえば…。うちの親父も確か78歳になるんしゃなかったっけ?」と心配する雅史。 雅史は都内で住み、残業ばかりの仕事に疲れている。父の運転の荒さを見て、免許を自主返納するように勧めるが、「運転をやめたら生活できん。死活問題じゃ」という父。医者、買い物、遊び…車がないと生活ができない環境で暮らす父と母。そして雅史の決断は… 免許返納を徹底的に考えるのではなく、田舎ぐらしの良さと不便さと三世代の生きがいを考える、心温まるファミリーストーリーです。 終始、都会の生活は居心地悪く、田舎は居心地よく書かれているので、雅史がどういった決断をするのか想像がつきやすく、読みやすい展開になっています。 この本のはじめのほうに、バンビを3匹連れた母鹿が道路を横断する場面があります。母鹿が3匹も小鹿を連れて車を通る道を昼に横断することが本当にあり得るのかな、と疑問に思ってしまい、この本の世界に入り込むきっかけをなくしてしまいました。 夫が亡くなって年金3万円で暮らす知り合いがかわいそう→これは田舎暮らしの苦しさの問題ではなく年金未納の問題。 ファックスが使えない親・エレベータが使えない親→それはないやろ と、細かいことが気になりました。 (あくまでも個人の感想です。) 私の親は地方に住んでいます。親戚は雅史の両親のような車でしか行けないような田舎に住んでいます。 『わいらが子供ん頃は、家族の中で車の免許をもっとるのは親父だけだった』『つまり、運転ができるっていうだけのことで、父親の存在意義は大きかった』と雅史の友人が話す、まさにその通りでした。ぐうたらで偏屈者なうちの父でさえも、車でどこかへ連れて行ってくれるときは、絶対的な存在で生き生きしていたな、と、懐かしく思います。 私の父の場合は、約1か月の間に3回も物損事故を起こしてしまい、父もさすがに、もう免許の更新はしないと自分から決めました。その時、母も私も安心したような、残念なような気がした覚えがあります。今思えばそれが認知症の始まりだとわかるのですが、父はもともと運転が荒くて雑な性格だったので、私たちが父が認知症を発症し始めていたと気づいたのは、ずっと後のことでした。 そんな父が楽しみにしていたのは、やはりこの本に出てくる人たちと同じく、お買い物でした。スーパーで買うお菓子や豚コマ肉でさえも、楽しみの対象になるのです。 雅史のような行動ができる人がいたらすごいと思います。田舎の不便さを知らない人にこの本を読んでもらって、田舎の良さと悪さを知った上で、田舎の暮らしに興味を持ってもらえたらいいな、と思います。
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身近に免許返納をすすめたい高齢者がいるが、プライドや自信の問題がありなかなか免許返納させるのが難しいと感じていたので、興味があり手にとってみた。運転をやめさせたいが、田舎暮らしの高齢者には車移動が必須というジレンマ。現実の人生ではこの物語のようにうまく事が進むとは思えないが、理想...
身近に免許返納をすすめたい高齢者がいるが、プライドや自信の問題がありなかなか免許返納させるのが難しいと感じていたので、興味があり手にとってみた。運転をやめさせたいが、田舎暮らしの高齢者には車移動が必須というジレンマ。現実の人生ではこの物語のようにうまく事が進むとは思えないが、理想はこうだよなーと思える内容。日本社会全体の問題だと思う。
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垣谷美雨さんの書く小説は、分かりやすく、テンポが良く、読んでいて気持ちの良い作品ばかりです。 「こうなったら理想だよね。」な展開も、とてもリアルで切実な登場人物の気持ちの揺らぎやセリフから、妙に真実味を帯びて来るから面白いです。
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タイトル通りの話ではあるが、田舎暮らしの老人の差し迫った生活の危機を考える話でもあった。 車がなければ買い物にも医者に掛かるにも不自由。 自分の親であれば、どうしたらいいのか、どうすべきなのか真剣に考える。 子供が都会の仕事や生活を辞めて田舎に帰るのは稀な事だとは思うけど、その事...
タイトル通りの話ではあるが、田舎暮らしの老人の差し迫った生活の危機を考える話でもあった。 車がなければ買い物にも医者に掛かるにも不自由。 自分の親であれば、どうしたらいいのか、どうすべきなのか真剣に考える。 子供が都会の仕事や生活を辞めて田舎に帰るのは稀な事だとは思うけど、その事によってまた違う人生が開けたりもする。 色々と考えさせられた。
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色々なことを考えさせられた。自分の両親のこと、自分も老いるということ。 他にも都会と田舎のそれぞれの暮らしの問題が挙げられていた。難しい問題が山積みだ。 面白かったけれど、どこかスッキリしないまま終わってしまった。この家族、これで良かったのかな。
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