丸の内魔法少女ミラクリーナ の商品レビュー
面白かった! 表題作は、主人公がまともというかツッコミ側で意外性があった。 二話目の大学生がチャラ男子を監禁する話は、悪意のある描写が著者らしくて良かった。なんなんこの男と思ってからスッキリ。 帯に萩尾望都がどうして?と思ってたけど、三話目の無性教室を読んで、描写の美しさに萩尾望...
面白かった! 表題作は、主人公がまともというかツッコミ側で意外性があった。 二話目の大学生がチャラ男子を監禁する話は、悪意のある描写が著者らしくて良かった。なんなんこの男と思ってからスッキリ。 帯に萩尾望都がどうして?と思ってたけど、三話目の無性教室を読んで、描写の美しさに萩尾望都の漫画みたい…!だから帯に…!と納得。市川春子の漫画に通づるガラス質の脆いエロさ。 最後の怒りの感情がなくなってる近未来の話は、世にも奇妙な物語的でよかった。
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エモいという言葉が出てきた時を思い出した。エモーショナルという言葉を使ってなかったこともあり、この感情は「エモい」なのか…?と体で覚えていったような…。
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最後の「変容」以外は癖がなく読みやすいと感じました。 「そしておばあちゃんになった時、孫にこっそり話すのだ。(略)魔法少女歴70年のベテランなのよって。(略)そういう、少しだけ変な日常を、私は愛していた。」(丸の内魔法少女ミラクリーナ) 私が1番好きだったのは「秘密の花園」です。美しい初恋のはずなのになぜか早川くんが汚く描かれるのは、能動的に初恋を終わらせる結末のためだったんですね。こういう狂愛じみた小説をもっと読んでみたいなと思いました。 「1人で子宮を抱えて取り残されているのではないだろうか。」(無性教室) 「変容」を読んでいて、今SNS等で「丁寧な暮らし」をよく見かけるようになりましたが、あれの成れの果てのように感じました。作中で「なもむ」という新しい感情が出てきますが、数年前に「エモい」という感情を表す単語が誕生し定着したのを考えると有り得ない話でもないような気がします。
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中編4編。 「丸の内魔法少女ミラクリーナ」 村田沙耶香の作品では初めて心が動いた。 「秘密の花園」 これも狂気。ある意味、正しいのだけれど。 「無性教室」 これも新しい性のあり方を描いた作品。 「変容」 「今の若い者は!」の風刺。
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村田さんの世界観が全て詰まったような本です。 性別がなかったら、ある感情だけが欠如したら、そんな今当たり前にある何かがなくなってしまったら…そんな世界がこの本には広がっていました。 まみまぬんでら、なもむ、これは「変容」というお話に出てくる言葉ですが、考えさせられます。
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とても読みやすく4つともイメージを想像しながらサクサク勧められた。 魔法少女は笑いながら楽しく読めたけど 以降の作品は少し怖くなった。 こんな世の中になったら怖いなと思いながら なってしまうんじゃないかと少し怖くなった。
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あー面白いな。声を上げて笑うほどに面白かった。 タイトル名が一番好きかな〜 愉快で爽快で強くて好きだった。映像が簡単に思い浮かんでページを捲る手が止まらない。 秘密の花園はthe村田沙耶香って感じでサイコパスで性がすごい方向にいって振り切れてる不気味な感じが通常運転でもはや安心した。これぞって感じだった。男のクズっぷりもいい。ありがたいです。 変容もすごくいい〜〜! ありそうでありえない世界だなと思った。 ここまで合理的になれないし怒りがなくなることはないと思うけど、時代の流れに乗れなくてイライラしたり取り残されたように感じる描写はリアルだったし、変容の中の世界観が楽しすぎて長編化して欲しいくらい。 あと怒りを共有したり発散してる時のアドレナリンでて興奮してる感じはよくわかる。 わたしもなもみたい!まみまぬんでら………!! なんだか無性に好きな作品だな。今までは繰り返し読みたい、とか人に貸したい、とか物語に浸かりたいとかで手元に置いてたけど今回は言葉にならない思いがあって手元に置いておきたい感じ… 私は村田沙耶香さんが気付けばこんなにも好きなんだなぁ。良かった出会えて。 いっぱい読みたい。 最近怒涛の速さで小説を読んで思ったけど、全然入り込めなかったり文章読むこと自体が辛いと思うものに何作品か当たり続けて、村田さん読んだらもう嘘のようにペラペラ読める〜〜面白い。快適。読みやすい。安心です!!
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相変わらず村田沙耶香さんは『もしもこんな価値観の世の中だったら』という世界の物語を作り上げるのが上手いと感じた。有りそうで有り得なさそうで、何となくモヤモヤした気持ち悪い世界。好きです。
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世の中の風潮をユニークに、ちょっと大袈裟に描く内容に面白さを感じると同時に、自分の中にいくつか心当たりがあってドキッとした。 人間の感情や生態は、時代によって多少の移り変わりはあっても核の部分は大きく変わらないものだと思っていたが、自分たちのあずかり知らぬところで人間の型はコントロールされ、自身も無自覚に変容してしまっている。そんな恐ろしさを作者ならではの表現や新語を用いることで読者に味わわせる作品。
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凄いとしか言いようがない。 丸の内魔法少女ミラクリーナ ミラクリーナは、リナの心の拠り所。 間違いなくリナの日常をキュートに彩っている。 誰かに見られてしまうと力が失われるのは、案外本当のことなのかも。誰にも見られないからこそ、キラキラキュートな魔法の力は本物になる。 秘密の花園 早川くんと同じ大学に通ってること、早川くんが誠実な人じゃなかったこと。内山さんの家庭環境が恵まれていたこと、自由な時間を作れたこと。 色んな状況が重なったことで、内山さんにとっては最初で最後のチャンスだったのかもしれない。 無性教室 これが本当の幸せなのかもと、一瞬だけ思った。 ユキの主張した今後の世の中の形は、私たちの住む現実世界でもあり得るような形でゾッとした。 みんなが心地よいと思う世の中は実は無くて、自分で居場所を探し続けないといけないと感じた。 変容 何にも染まらない人から見れば、考え方を何にでも変えられる人は本当に気味が悪い。 でも逆に、変える側は味方ばかりで心強いし、楽。 真琴はついさっきまで大事だと思っていた感情をやっと捨てて、幸せになれた。
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