1,800円以上の注文で送料無料

デトロイト美術館の奇跡 の商品レビュー

3.7

203件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    88

  3. 3つ

    65

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/11/05

アメリカのデトロイトで生活する夫婦とデトロイト美術館の物語。 デトロイトが財政破綻したころの物語で、 老齢になった主人公の妻と美術館への思いが綴られた感動の物語と なっている。 短い作品のため、多くは語れませんが、絵画に興味が少しでもある人は 刺さる作品だと思います。 ついで...

アメリカのデトロイトで生活する夫婦とデトロイト美術館の物語。 デトロイトが財政破綻したころの物語で、 老齢になった主人公の妻と美術館への思いが綴られた感動の物語と なっている。 短い作品のため、多くは語れませんが、絵画に興味が少しでもある人は 刺さる作品だと思います。 ついでに、楽園のカンヴァスを読んでおくとより楽しめるのではないでしょうか。

Posted byブクログ

2024/10/21

デトロイト美術館の実話を一人を除いて架空の人物たちで描かれた短編集です。短編と言っても繋がっています。 私はセザンヌをたくさん見ている方だと思いますが、まだ良さがまだわかりません。この表紙にあるセザンヌ夫人の肖像画も小説内でみなさん絶賛されることに共感できません。 でも、この...

デトロイト美術館の実話を一人を除いて架空の人物たちで描かれた短編集です。短編と言っても繋がっています。 私はセザンヌをたくさん見ている方だと思いますが、まだ良さがまだわかりません。この表紙にあるセザンヌ夫人の肖像画も小説内でみなさん絶賛されることに共感できません。 でも、この小説の素敵な架空の人たちの言動に涙ぐんでしまいました。

Posted byブクログ

2024/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大好きな原田マハの作品 実話を元にしたフィクション。 自動車会社で40年溶接工として働くアフリカ系アメリカ人の男性フレッドが不況で解雇 パートタイマーで働く妻が「私の夢はあなたとデトロイト美術館に行くこと」励ます 彼女は工場で働いたり、皿洗いやレジ打ちの慎ましい生活の中で、時々1人で地元のデトロイト美術館を訪れるのを楽しんでいて、セザンヌの「マダム・セザンヌ」を「私の友達」と呼び、この場所を「私の友達の家」だと夫に紹介。美術は全くわからないけれどけれど、妻にそう言われて、彼もここが大好きになった。 そんな矢先、彼女が病気で亡くなり、生きる気力がなくなった時も、デトロイト美術館を訪れて、「マダムセザンヌ」と心の中で彼女の思い出話をすると励まされた そんな中、2013年、かつて自動車産業の街として栄えたデトロイト市はアメリカ史上最大の財政破綻を起こす。市民の年金も払えなくなりそうになり、市民の生活を守るため、デトロイト美術館のコレクション売却を検討。 美術館のキュレーター責任者は自分も職を失うだろうと感じつつ、多くの美術品のコレクションは世界中のバラバラな所に売却されていくだろうとあきらめのきもちで売却先との対応を進める そんな中、新聞で美術館売却の記事を読んだ元溶接工のあの老人フレッドが美術館を訪れて、「妻と私の大切な友達とその友達の家を守って欲しい」 と、はき古したジーンズのポケットに手を突っ込んで、皺くちゃの紙片を取り出した。 それは500ドルの小切手で、美術館を救うためには8億ドルを上回る寄付金が必要らしいが「年金生活者の私にはこれが精いっぱいなんだ」と渡してきた それを見た美術館のキュレーター・ジェフリーの、あきらめていた暗い心に、「何とか美術品も市民の生活も両方守りたい」という強い気持ちが湧いてきた。 美術館員ジェフリーが毎朝出勤前に立ち寄るカフェで、デトロイト市と債権者との間の交渉を担当している裁判官のダニエルに出会い、「美術品のコレクションと退職者の年金の両方を救うとっておきの案がある」、と言われる 後日、裁判官ダニエルは全米きってのセレブリティや名士たちが集まる会議で 「人類の至宝であるこれらのコレクション、全米が誇る創造と産業の街・デトロイト。両方を守り抜くために力を貸してほしい」と懸命の訴えて、それに共感した9つの財団が巨額の寄付を表明したために、ついにはデトロイト市民と美術館を救済するための寄付金が目標金額8億ドルに達した。 今回の件でデトロイト美術館は市の管理下を離れて独力法人となったために、これから先は経済状態に左右されずに存続できることが決まった 美術館員・ジェフリーがこの嬉しいニュースを誰よりも先に伝えたかったのは、1年前に面会を申し込んできて1枚の小切手を差し出した元溶接工フレッド 「あなたがこの街にいてくれたことが、デトロイト美術館の奇跡を起こした」と伝える 職業も年齢も社会的地位も関係なく「この絵とこの美術館を守りたい」という思いが起こした本当の出来事とそれぞれの登場人物のひたむきさに胸がいっぱいになり、人前でも泣いちゃうくらいいい物語

Posted byブクログ

2024/09/05

短編小説。 原田マハさんの小説は長編でもっとアートを知りたくなるところなので星3つ。 それでもあたたかいストーリーと無駄のない展開で読んでよかったとなる。 本編とは関係ないが、印象に残ったところ。 対談より要約︙ 原田マハさん自身、美術の仕事をしてきたが今が一番幸せ。美術の仕...

短編小説。 原田マハさんの小説は長編でもっとアートを知りたくなるところなので星3つ。 それでもあたたかいストーリーと無駄のない展開で読んでよかったとなる。 本編とは関係ないが、印象に残ったところ。 対談より要約︙ 原田マハさん自身、美術の仕事をしてきたが今が一番幸せ。美術の仕事ではしがらみやお金関係の話があるとアートを純粋に楽しめない。だがそこの世界に身をおいて得たものが多くあったから今がある。 →好きを仕事にする、も良いが関わり方は一つ手はないと教えてくれた文でした。 また原田マハさんの他の本も読みたいと思います。

Posted byブクログ

2024/08/31

初めて原田マハさんと出会った作品 短編で読みやすい かと思いきや思わぬところで繋がっていたりする アート初心者にも入り込みやすかった

Posted byブクログ

2024/08/14

マハさんらしい良い作品でしたが少しパンチが弱かった印象です。期待しすぎている感もありますが。 鈴木京香さんとの対談も良かったです。美術館に行きたい。 全ての都道府県に美術館あるんですね。

Posted byブクログ

2024/08/03

いろんな絵画の話を読めるかと思いきや、出てくるのは表紙のセザンヌの絵だけ。この絵が気に入れば読む価値あるが、そうじゃなければ拍子抜け。

Posted byブクログ

2024/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語をきっかけとして自分の好きな場所や好きなものがあって、それに関わる人たちを想像して描かれてるのかな?と。 裁判長の頑張りによる結果は正直どうでもよくて、貧乏な老人と、もっと前を生きた老人のふたりが愛したマダム・セザンヌを巡る想いが素敵だった。

Posted byブクログ

2024/07/16

巻末の鈴木杏香さんとの対談で、本作ではロバート・タナヒルという美術品コレクターのみが実在の人物とのこと。他の登場人物たちはフィクションだと原田さんが明かしておられました。 市の財政破綻により所蔵品の売却が検討されたものの、市民や国内外の支援によって売却されなかったというのは事実...

巻末の鈴木杏香さんとの対談で、本作ではロバート・タナヒルという美術品コレクターのみが実在の人物とのこと。他の登場人物たちはフィクションだと原田さんが明かしておられました。 市の財政破綻により所蔵品の売却が検討されたものの、市民や国内外の支援によって売却されなかったというのは事実だったようです。この事実の背景が原田さんの創作によって「奇跡」を演出するドラマになっています。私自身、デトロイト市の財政破綻のことはかろうじて記憶の片隅に残っていたのですが、「奇跡」が起こったことは知りませんでした。 デトロイトといえば、GMを中心に自動車産業で非常に栄えた都市です。ただ、80年代には映画「ロボコップ」で描かれたようにかなり治安の悪い都市へと変貌を遂げていました。(当時は日本やドイツ車の方が高性能・低価格だったためですね) ロボコップの時代から30年近く経って財政破綻したんですね。どのような経済的背景があって財政破綻したのか?よくわかっておりません。また、そのような背景については作品の中では触れられていませんでした。あくまでも想像の域を出ませんが、自動車産業の衰退と労働人口の減少、そして年金財政の悪化なのでしょうか?(これからの日本が怖いです?) ただ、短編が4編という短いストーリーの中で、セザンヌ夫人の人物絵画をベースに限られた登場人物たちが心を通じ合わせ、「奇跡」を起こす、、、さすが原田さんです。

Posted byブクログ

2024/07/14

★★★★☆この本を読み終えたその日、NHKのアナザーストーリーで『デトロイト財政破綻〜自動車の街 崩壊と再生』が放送されていました。ぼんやりとテレビを見ていて、びっくりして見入ってしまいました。デトロイト美術館を守るために奔走した主席調停人の裁判官の方も出てきました。ある事がきっ...

★★★★☆この本を読み終えたその日、NHKのアナザーストーリーで『デトロイト財政破綻〜自動車の街 崩壊と再生』が放送されていました。ぼんやりとテレビを見ていて、びっくりして見入ってしまいました。デトロイト美術館を守るために奔走した主席調停人の裁判官の方も出てきました。ある事がきっかけで寄付金が一気に集まったという話が信じられない事でした。まさに奇跡だと思ってしまいました。芸術を愛する人々がたくさんいる事もよくわかりました。美術館に対する考え方を変えてくれました。

Posted byブクログ