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デトロイト美術館の奇跡 の商品レビュー

3.8

222件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    96

  3. 3つ

    69

  4. 2つ

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2020/03/04

原田マハさんのアートものはやっぱりおもしろい。 ロバート・タナヒル以外の登場人物が架空の人、というのにはちょっと驚いたしちょっとがっかりもしちゃったけど。 でもただ単に美術館が危機だったけど、寄付で何とかなりました! なんて話書いてもおもしろくないもんな。 そこはさすがです。 ...

原田マハさんのアートものはやっぱりおもしろい。 ロバート・タナヒル以外の登場人物が架空の人、というのにはちょっと驚いたしちょっとがっかりもしちゃったけど。 でもただ単に美術館が危機だったけど、寄付で何とかなりました! なんて話書いてもおもしろくないもんな。 そこはさすがです。 私には絵がわからないし、この本に登場して表紙にもなっている絵の良さもピンとこない。だけど最近美術館に行って、写真ではなく本物をゆっくりと自分の目で見ることの楽しさを覚えたので、この絵も生で見たら全然違うんだろうな、と思った。

Posted byブクログ

2020/03/01

あまり予備知識もなにもなく読み始めたのだけどじーんときた。 奥さんをなくし一人で生きる老人が「セザンヌ夫人」の前に佇む。その前にそのかわいらしい奥さんが生前デトロイト美術館を「友達の家」と呼んで二人で出かけたがる。そんなシーンを頭の中に映像として浮かんできてじーんときたんだ。最...

あまり予備知識もなにもなく読み始めたのだけどじーんときた。 奥さんをなくし一人で生きる老人が「セザンヌ夫人」の前に佇む。その前にそのかわいらしい奥さんが生前デトロイト美術館を「友達の家」と呼んで二人で出かけたがる。そんなシーンを頭の中に映像として浮かんできてじーんときたんだ。最後のデトロイト育ちの裁判官の提案、それを受け止めるセレブリティ達。静かな感動をした。 では日本で同じようなことになったとき同じようなムーヴメントが起きるだろうかなぁ。地域愛やアート愛がどれだけあるかなぁ。 短くあっさりだったけど。いい小説だった。

Posted byブクログ

2020/02/27

3.5 美術館が友人の家、アートは友達という発想が素敵。 そして、実話を基にしているということが、ますます心温まる。ただ少し内容が薄い感がある。 でも、原田マハさんの美術小説はやはり好きだなぁ。

Posted byブクログ

2020/02/24

マハさんの小説を読むと、美術がぐんと近い存在になったかのように思える。たとえ美術の教養がなくとも、ただ直感的に好きだと思えて心惹かれる作品に出合えただけで僥倖だと、そう教えられている気がする。 特に美術史を勉強していると、作品の価値や歴史的な重要性を踏まえた上で分析をするから、「...

マハさんの小説を読むと、美術がぐんと近い存在になったかのように思える。たとえ美術の教養がなくとも、ただ直感的に好きだと思えて心惹かれる作品に出合えただけで僥倖だと、そう教えられている気がする。 特に美術史を勉強していると、作品の価値や歴史的な重要性を踏まえた上で分析をするから、「好き」という感情は二の次になる。そういう意味では、鈴木京香さんとの対談でマハさんが言っていたように、小説というフィクションの中では(美術史的な側面も絡めながらも)純粋な愛情を表現できるんだろうな、と思う。 話は変わるが、マハさんの美術小説を読むと世界中の美術館を旅しているような気分になれる。そして色とりどりの作品を目の当たりにしたかのような臨場感が味わえる。ある絵に吸い込まれた登場人物の心を通して、私たちもその感動を共有できるのがうれしい。 本作は表紙にもなっているデトロイト美術館の《マダム・セザンヌ》がその対象である。後期印象派の画家として名高いマティスが自分の妻を描いた作品。口を真一文字に結び、地味なワンピースを着て、固く手をおなかの前で合わせたポートレートである。モデル慣れしていない素朴さが彼女から表れていて、しかしその不慣れな雰囲気が決して不快というわけではなく、不思議な親しみを感じられる。 物語の中で、フレッドは妻のジェシカに面影を重ね、アートの収集家であるロバートは絵を眺めているうちに、この画といつまでもともに暮らしたいと願う。この本を読み進めていくと、大仰な物語性や華美な装飾もないが、いつまでも眺めていたいと思えるような安心感が、この絵の魅力なのではないかと思った。そしてそんな作品に一生のうちに出会えることが幸せなことなのではないか。アートに対する愛情を思い出させてくれるような一冊だと思う。 結局小説の内容とは一切関係ない感想になってしまった…

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2020/02/24

財政難のデトロイト市が美術館に展示されている数々の名画の売却を企て、それを阻止すべく行動に出た市民たち。。。 実話が元になっているためストーリーに説得力があり心温まる読後感が心地良い。 美術館が市民の心の拠り所であり憩いの場でもあるって、なんかステキだなぁ。

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2020/02/21

まさにマハさんの本って感じですね。 史実をもとにしているとの事ですが、エンターテイメント小説としてのカテゴリーだろうか。 誰もが素直に読めるって事では良いのだけれど、もっともっと掘り下げてもらいたかった。ホンワカとした良い話で終わるのではなく、登場人物を駆り立てた色々な思いをも...

まさにマハさんの本って感じですね。 史実をもとにしているとの事ですが、エンターテイメント小説としてのカテゴリーだろうか。 誰もが素直に読めるって事では良いのだけれど、もっともっと掘り下げてもらいたかった。ホンワカとした良い話で終わるのではなく、登場人物を駆り立てた色々な思いをもっと表現して欲しいと感じる。マハさんだからこそ、その様に思う。

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2020/02/16

アートはプライスレスだけれども、実際プライスがかかり万人が愛でることが出来ている。アートを後世に遺し大事にしたいと思う人々の気持ちはプライスレス。そのせめぎあいを描く心温まるエピソード。

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2020/02/10

アートの価値は、その芸術性だけでなく、展示されている環境やとりまく人々の思いまでもが積み重なったものだと知った。いつか絵画に完全無関心な夫と私達の「マダム・セザンヌ」を探しに行けたらと思う。

Posted byブクログ

2020/02/06

知らない街に出かけ、時間がある時には近くの美術館に寄っていた時期もあった。遠出することも無くなり美術館への足も遠のいたこの頃。 出会ったのはデトロイト美術館のお話し。市民も美術品も救うことができるのか?人のほうが大事 とは言え、人の思いのこもった作品を手放すのは苦しい…

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2020/01/25

巨匠たちの描いてきた作品を縁あって所蔵する美術館。 デトロイト美術館には、かの有名なゴッホ、マティス、セザンヌといった作品が存在している。 セザンヌの妻のオルタンスに魅せられて、愛憎していたロバート・タナヒル。 その審美眼により得られたコレクションはデトロイト美術館の彩りを明るく...

巨匠たちの描いてきた作品を縁あって所蔵する美術館。 デトロイト美術館には、かの有名なゴッホ、マティス、セザンヌといった作品が存在している。 セザンヌの妻のオルタンスに魅せられて、愛憎していたロバート・タナヒル。 その審美眼により得られたコレクションはデトロイト美術館の彩りを明るくするものになった。 そして、そのタナヒルが収集した作品を友だちとして、幾度となく見にくる、会いにくるデトロイト市民。 アートとその家の美術館は、その土地に住む人の一部となっているのだ。 そんな大事な大事な絵画を財政破綻から救った奇跡の物語。 アートに向き合うそれぞれの登場人物の姿がとても素敵な一冊。 美術館に歴史あり。

Posted byブクログ