勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~ の商品レビュー
「神様のカルテ」 とても好きな本だ これは主人公は違うけれど、 現代の日本の高齢者医療の問題点を真正面から描き出している 厳しい現実を安曇野の自然と花が柔らかく包んでくれる 夏川草介先生 これからも良い著作を ≪ 忘れないで 真実の愛 花言葉 ≫
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四季を通じての花と共に安曇野の美しい景色が目に浮かぶような優しい文体で綴られている。しかし、テーマは高齢者医療における治療か看とりかと厳しい話。研修医桂正太郎が看護師月岡美琴や指導医三島などに支えられて経験を積んでいく。高齢化が進み世界有数の長寿国の日本だが、管に繋がれ人工呼吸器...
四季を通じての花と共に安曇野の美しい景色が目に浮かぶような優しい文体で綴られている。しかし、テーマは高齢者医療における治療か看とりかと厳しい話。研修医桂正太郎が看護師月岡美琴や指導医三島などに支えられて経験を積んでいく。高齢化が進み世界有数の長寿国の日本だが、管に繋がれ人工呼吸器で生かされている老人が多いことは事実だ。高齢者をいかに生かすでなく、いかに死なすか、命の尊厳か無駄な医療行為の中止かなど死に対して無知な人々に医師としての接し方が難しいと思う。ますます終末医療がクローズアップされるのだろうなぁ。
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梓川病院に勤める看護師月岡美琴と研修医桂正太郎の感動の診療奮闘記。 高齢者の病人を抱えている人に突き付けられる延命治療と看取りについて考えるのに参考になる物語である。 第四話カタクリ賛歌と第二話ダリア・ダイアリーは読み応え十分で非常に参考になる。一番印象に残ったのは第四話で研修医...
梓川病院に勤める看護師月岡美琴と研修医桂正太郎の感動の診療奮闘記。 高齢者の病人を抱えている人に突き付けられる延命治療と看取りについて考えるのに参考になる物語である。 第四話カタクリ賛歌と第二話ダリア・ダイアリーは読み応え十分で非常に参考になる。一番印象に残ったのは第四話で研修医桂が治る見込みのない患者の家族に看取りを勧める場面である。こう言った事を言える医師は素晴らしい。延命治療をどうするかは治療の知識に乏しい患者の家族側に任されるからである。 プロローグとエピローグと四話からなる連作小説でそれぞれに花の名前が付いた題名になっているところが、まさに物語に花を添えている。 素晴らしい小説である。 何で本屋大賞の候補にならなかったのか?不思議。 印象に残った文章 ⒈ 花の美しさに気づかない者に、人の痛みはわからない ⒉ 胃瘻か死か、間はない。二者択一なのだ。 ⒊ 患者の人生は患者自身が決めるものだと、内科の教科書には書いてある。
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やっぱりこの著者の作品はとても好きだ。 神様のカルテの登場人物もチラリと出てきて嬉しかった。 こちらも続編を読んでみたい。
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この方は、長野の、自然と混乱する戦場のような病院を融合させるのがすごくうまいと思う。研修医と看護士の恋も加えて、医療、特に高齢者の措置や対応の難しさを人の心の動きと共に表現されてて、とても良かった。
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長野県松本市郊外にある梓川病院に勤務して3年目の看護師・月岡美琴と内科医を目指す1年目研修医・桂光太郎。ふたりの主人公の成長を通して、“高齢者医療”や“延命治療”の現実に向き合う連作短編集。 誤嚥性肺炎で入院した88歳の新村さんは、すっかり食欲を失ってほとんど寝たきりとなってい...
長野県松本市郊外にある梓川病院に勤務して3年目の看護師・月岡美琴と内科医を目指す1年目研修医・桂光太郎。ふたりの主人公の成長を通して、“高齢者医療”や“延命治療”の現実に向き合う連作短編集。 誤嚥性肺炎で入院した88歳の新村さんは、すっかり食欲を失ってほとんど寝たきりとなっている。桂がなんだったら食べるか、と聞くと、「ナマダイコンのコヌカヅケ」という。しかし東京出身・実家は花屋の桂には、「ナマダイコンのコヌカヅケ」がわからない。生まれも育ちも信州松本である美琴やほかの看護師さえも知らなかった。そこに「沢庵のことですよ」と助け舟を出したのは48歳の膵臓癌患者、長坂さんだった。長坂さんには物静かな奥さんとまだ小学生の男の子がいて、ふたりのために「少しでも生きたい」と願い、治療に専念している。しかし、神様は彼にその時間を与えてはくれなかった。 長坂さんを看取った夜、桂が駅前で手に入れた沢庵を美琴がみじん切りにして、朝、新村さんの朝ごはんに出す。新村さんは数週間ぶりにスプーンを手に取って沢庵を食べ、やがて車椅子で院外まで散歩に出られるまでに回復していく――。 第一話「秋海棠の季節」で描かれる40代と80代、ふたりの患者の生と死の明暗。 それはどんなに医師が力を尽くそうと、誰がどれだけ渇望しようと、「生きる人は生き、死ぬ人は死ぬ」というドラマも奇跡もなく、理不尽に、あっけなく簡単に消えていく命のふるまいを通して、人の死がなぜ哀しいのかを教えてくれる。 思わず祖母を、そして祖母が入院していた地方の小病院を思い出さずにはいられない物語だった。 舞台となっている梓川病院の内科病棟は、近隣の特養や老健といった施設から心不全や肺炎のために搬送されてくるたくさんの高齢者で埋め尽くされ、半ば介護施設のような状態となっている。認知症で徘徊し、寝たきりで奇声をあげ、胃瘻で管理され微動だにしない患者たち。会話ができるものは半分にも満たない。 異様ともいえる光景かもしれないが、実際地方の多くの病院はこのような感じになっているし、そのような患者たちの数に対して、医師や看護師の数は圧倒的に足りていない。医療現場は極限状態に陥っている。 ふたりの若い主人公の周囲には、さまざまな信念や価値観を持つ医師や看護師が登場するが、なかでも循環器内科のベテラン医師・谷崎が印象に残る。彼は80歳を越えた患者は全身状態にかかわらずみんな看取りに持っていく。点滴も酸素も最低限しか使わない。ついた綽名が「死神の谷崎」。 彼は淡々と現実を教えてくれる存在だ。この国はもう、かつての医療大国ではない。山のような高齢者の重みに耐えかねて悲鳴を上げている、倒壊寸前の陋屋のようである。もう、どんな患者でもがむしゃらに延命治療を続ければよい時代ではなくなっている――。 谷崎の考え方は一見冷酷に見える。けれど谷崎は、投げ捨てられてしまったその問題を、周囲から「死神」と誹られながらひとりで正面から受け止める不器用な真面目さと、若い看護師や医師たちを思いやる、伝わりにくい優しさを持っている。 医療制度が完全に崩壊してしまえば、医者も患者もみな不幸になる。彼は必死に、その未来を回避しようとしているのだ。 できれば谷崎を主人公とした物語をいくつか読んでみたいと思う。『神様のカルテ』シリーズは、キャラクター造形が漫画っぽくて「こんな人現実にいない」感じが強かった。本作はそういった「漫画っぽさ」がなくごく自然で、クセのない読みやすさがある。長く読んでいきたい作品だと思う。 KADOKAWAさんの文芸情報サイト『カドブン(https://kadobun.jp/)』にて書評を書かせていただきました。 https://kadobun.jp/reviews/a0qjlp1hm9kw.html
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基本辛い話だけど。 若い二人が安曇野で愛を育む話でもあって、松本が素晴らしい土地だから、なんとか読むことが出来る。 そこが上手。
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神様のカルテの別バージョンかな。 看護師の美琴と研修医の桂とが、地域医療が抱える問題をテーマとした物語をすすめていく過程で、お互いに成長していく様が描かれています。 この本を通じて、医療とは生と死とはについて考えさせられます。また、「花」をうまく題材に組み込んでいるなと思いました...
神様のカルテの別バージョンかな。 看護師の美琴と研修医の桂とが、地域医療が抱える問題をテーマとした物語をすすめていく過程で、お互いに成長していく様が描かれています。 この本を通じて、医療とは生と死とはについて考えさせられます。また、「花」をうまく題材に組み込んでいるなと思いました。 二人の関係も発展していくので、その意味でも今後が楽しみです。
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安曇野の病院に研修医としてやって来た桂正太郎。ここでは入院患者は老人ばかりで胃瘻など終末期医療について悩む。月岡美琴は3年目の看護師。無茶を言う患者家族や事なかれ主義の上層部に噛みつく。 とっても面白かった。 「神様のカルテ」とは別のシリーズだけれど流れる哲学は同じ。 回復...
安曇野の病院に研修医としてやって来た桂正太郎。ここでは入院患者は老人ばかりで胃瘻など終末期医療について悩む。月岡美琴は3年目の看護師。無茶を言う患者家族や事なかれ主義の上層部に噛みつく。 とっても面白かった。 「神様のカルテ」とは別のシリーズだけれど流れる哲学は同じ。 回復の可能性のない老人を生かし続ける事の意味や、医者に任せるだけで考えようとしない患者家族など色々かんがえされられる。 「テレビや小説では"劇的な死"や"感動的な死"ばかりが描かれる一方で、地味で汚くて不快な臭気を発する"現実の死"は、施設や病院に押し込んで黙殺する。そういう現代の医療が直面している闇の一端が、社会の縮図が、桂の前に立ちはだかっている問題なのである」 続編をぜひ読みたいけれど、連載が3年もかかっているので、いつになることやら。
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現在の日本で避けることができない地方の高齢者医療についての物語。難しいテーマだが大変読みやすい物語となっており、色々考えさせられる本。 医療物語だけでなく、主人公の恋愛模様もあり大変面白い。 さすが夏川さんと感じた。
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