勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~ の商品レビュー
安曇野の地域医療に関わる研修医と看護師の日々が、爽やかに描かれています。花がキーワードになっていて、重要な役割を果たしています。が、高齢化社会の問題を提起しています。
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「生」と「死」。 延命治療という選択が患者にとって、家族にとって最善な道なのか。 超高齢化社会と医療の限界。 高額な最先端の全ての治療を施して行かされる選択が、果たして患者にとって1番望む事なのか。 この本の全ページに日頃まだ「死」に直面する機会がない私に 見えない物、見えてい...
「生」と「死」。 延命治療という選択が患者にとって、家族にとって最善な道なのか。 超高齢化社会と医療の限界。 高額な最先端の全ての治療を施して行かされる選択が、果たして患者にとって1番望む事なのか。 この本の全ページに日頃まだ「死」に直面する機会がない私に 見えない物、見えているけど考えない様にしている事が たくさん書かれていました。 研修医、桂を取り囲む癖がある指導医達の 厳しい医療に対しての向き合い方。 また、その厳しさの中にある優しさと包容力。 「悩みなさい」そう·····悩む事を止めたら何も得るものが無くなってしまう。 何度も鼻の奥がツゥーンとした。 死神の谷崎の言葉が、とても重く·····ただ、現実にそれは間違っていなくて·····冷たさの中に谷崎本人が医者として悩み決断している姿が胸に残りました。 1人の研修医を育て上げていく谷崎や三島の指導の言葉に 何度、涙した事か。。 神様のカルテも凄く好きで似た感じではあったけど、納得いかない医療の現場の空気を「花」に絡めて伝えていくのは、花好きとして大変興味深かったです。
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神様のカルテとは別の舞台となる、看護師と若き研修医が成長する物語。 同じ松本が舞台であり、居酒屋「久兵衛」、栗原一止とのニアミスは、ファンとしては興味深い場面だった。 特に印象的だったのは、研修医の桂と死神谷崎とのくだり。 「父が言う、花の美しさに気付かない人間は信用するな。...
神様のカルテとは別の舞台となる、看護師と若き研修医が成長する物語。 同じ松本が舞台であり、居酒屋「久兵衛」、栗原一止とのニアミスは、ファンとしては興味深い場面だった。 特に印象的だったのは、研修医の桂と死神谷崎とのくだり。 「父が言う、花の美しさに気付かない人間は信用するな。そいつはきっと、人の痛みにも気づかない奴だと。でも先生はずっとその花を見つめていました。父の格言に従うと、先生は人の痛みがわかる人です。」 夏川さんの心の葛藤や、何気ない会話の場面に、強い意志やメッセージが表れていると思う。
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地方の高齢者がメインの病院。キラキラしたドラマの世界とは違うけれど、読んでいて辛いけれど、とても大事なこと。新シリーズなのかなぁ。続いてくれたら嬉しいけれど。 2020/2/10読了 2020年の12冊め
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
p.182 頭の中にあるもやもやとしたわだかまりを、一言一言、懸命に言葉に変えて吐き出していく。 自分自身の感情の揺らぎに対して、誠実に向き合いながら言語化していく美琴の姿がとても素敵でした。 その後の桂もたまらなかったです。
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現代の高齢者医療の日常を誇張することなく丁寧に綴っていました。 所々、花講座があり和みます。神様のカルテとのちょっとしたコラボも嬉しかったです。
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著者は本当に、気持ちのいい小説を書く。医療の現場は、恐らくこんなには綺麗にいかないのでしょう。全くの素人ながら、もっと理不尽な現場であろうと愚察する。でも作者は、理想と現実の狭間でもがく医療従事者があることを読者に周知しながら、理想に傾けて描くことで共感され、称賛され、結果的に衆...
著者は本当に、気持ちのいい小説を書く。医療の現場は、恐らくこんなには綺麗にいかないのでしょう。全くの素人ながら、もっと理不尽な現場であろうと愚察する。でも作者は、理想と現実の狭間でもがく医療従事者があることを読者に周知しながら、理想に傾けて描くことで共感され、称賛され、結果的に衆目を得ているんですよね。 奇麗事上等。本当に、読んでいて気持ちのいい小説です。
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神様のカルテの登場人物たちに比べると物足りなさを感じる。 地方の病院が抱える問題についてはあらゆる視点から考えさせられる作品。
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厳しいけれど日本のどこでもある光景であり これが地域医療、終末医療の現実だ。 谷崎医師の考え方も頭では理解できるけれど さて、自分の家族がとなるとどうだろうか。 駆けつける家族が到着するまでの数時間の延命など 考えさせられた。 看護師、月岡美琴と研修医、 桂正太郎のゆっくり...
厳しいけれど日本のどこでもある光景であり これが地域医療、終末医療の現実だ。 谷崎医師の考え方も頭では理解できるけれど さて、自分の家族がとなるとどうだろうか。 駆けつける家族が到着するまでの数時間の延命など 考えさせられた。 看護師、月岡美琴と研修医、 桂正太郎のゆっくり始まる恋愛が厳しい現実に 小さな花が咲いたようだった。 私は植物園でしか見たことないけれど 満開のカタクリの花は見たいなぁ。 可愛い花なんだよなぁと思いつつ読了。 きちんと?「神様のカルテ」とのリンクもあって嬉しい。 いつか行きたい夢見る信州、松本。 神戸から飛行機が飛んでいるではないか!
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『神様のカルテ』のスピンオフのような作品。爽やかだが、テーマは重い。医療も転換期になってきているのかなと感じた。
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