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勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~ の商品レビュー

4.2

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

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2021/03/30

「神様のカルテ」シリーズが好きでしたので、同著者で同じく医療モノの本書も期待して手に取りました。 松本市郊外にある梓川病院に勤務する、看護師の月岡美琴と研修医の桂正太郎の視点を交互に変えて綴られる、連作短編です。 地域医療の抱える問題だけでなく、本書は特に高齢者医療の現実も浮き彫...

「神様のカルテ」シリーズが好きでしたので、同著者で同じく医療モノの本書も期待して手に取りました。 松本市郊外にある梓川病院に勤務する、看護師の月岡美琴と研修医の桂正太郎の視点を交互に変えて綴られる、連作短編です。 地域医療の抱える問題だけでなく、本書は特に高齢者医療の現実も浮き彫りにされています。 「神様のカルテ」ほどの深い感動はなかったのですが、すごく考えさせられる重いテーマが背景のわりに、悲壮感はなくて寧ろ爽やかな読み心地なのは、主人公の美琴と桂先生の好感のもてるキャラと、この二人の微笑ましい恋が描かれているところですかね。勿論、安曇野の美しい自然描写も素敵です。 本文中に、“居酒屋「九兵衛」”が出てきたり(“患者を引く男”って栗原一止先生の事ですよね!)、「神様のカルテ」との軽いリンクもファンには嬉しいサービスでした。 ↓一部抜粋して音読しています♪ https://www.youtube.com/watch?v=HYXE0bJ-wiU

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2021/03/01

神様のカルテの著者だからと手に取った作品。恋愛が絡んでいるものの、ガッツリ恋愛ではなくて、どちらかといえば地域医療の現状や日本の介護看護の難しさについて考えさせられる作品だった。

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2021/02/21

「神様のカルテ」のスペシャルドラマを見たのをきっかけに、他の作品をふと調べてみて手に取った作品。 「神様のカルテ」とテイストはかなり似ているけど、高齢化社会における医療の課題についてより切り込んだ作品。 重たいテーマではあるけれど、主人公の美琴の前向きでカラッとした性格と、患者さ...

「神様のカルテ」のスペシャルドラマを見たのをきっかけに、他の作品をふと調べてみて手に取った作品。 「神様のカルテ」とテイストはかなり似ているけど、高齢化社会における医療の課題についてより切り込んだ作品。 重たいテーマではあるけれど、主人公の美琴の前向きでカラッとした性格と、患者さんに真摯に向き合う研修医である桂先生、そして素晴らしい指導医のおかげで、とても気持ち良く読めました。 「神様のカルテ」とちょっとだけリンクしているのも嬉しいポイント。 恋愛要素もあって、めちゃくちゃ微笑ましい2人。 ぜひシリーズ化して、続きを読みたいものです。

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2021/02/18

感動したけど神様のカルテの続きみたい。 悪くは無いけ次が見たいですね。 自分には次がどんなものかわからないけど。

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2021/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

松本市郊外にある梓川病院の内科病棟に研修医桂正太郎がやってきた。高齢の患者に対する谷崎医師の態度に考えさせられた。生きる術は色々議論されているが、死に行く術を自分自身しっかり考え、家族に伝えなくてはならないと思った。終末期のあり方という難しい命題の中、桂先生が花屋の息子という設定がよかった。サンダーソニア、エゾムラサキ、カタクリ。目に浮かぶ。看護師月岡美琴とのやりとりもほのぼのとしてて微笑ましかった。

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2021/01/23

現代の医療の問題と、死に向き合った作品。 私自身も高齢の祖父を先日胃がんで亡くした経験があり、とても小説の中だけの出来事とは思えなかった。 さらにこのコロナ禍で、医療の現場は常に命の選択を迫られている。 地方の医師不足、地域の高齢化、高度に複雑化した医療技術とどこまで用いるかを...

現代の医療の問題と、死に向き合った作品。 私自身も高齢の祖父を先日胃がんで亡くした経験があり、とても小説の中だけの出来事とは思えなかった。 さらにこのコロナ禍で、医療の現場は常に命の選択を迫られている。 地方の医師不足、地域の高齢化、高度に複雑化した医療技術とどこまで用いるかを決める延命治療、人間の死。 扱うテーマはすごく重いものなのに、読後、勿忘草の咲く季節のように清々しく、爽やかな風が吹き抜けるような心地よさがあるのは、芯のある思いを持った登場人物がとっても魅力的だからだと思う。 美琴の率直な素直さ、桂先生の人のために一生懸命なところ、大滝主任の人を動かす魅力、三島先生の多くは語らず見守る器の大きさ。 人として見習いたいと思う登場人物ばかりで、夏川さんの小説を読むと気持ちが晴れ、シャンとする。 嬉しいのは、神様のカルテの世界とつながっていること。 一止は相変わらず”患者を引いて”、登場することはなかったけど、本作は今後の布石なのかな? 大学病院を舞台に、一止と桂先生の新しい「神様のカルテ」に出会えることに期待!

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2021/01/16

出だしは「神様のカルテ」の看護師バージョンかな?と思いながら読み進めていくと、看護師と1年目の研修医を通して描かれる、地方の中規模病院のお話。 研修医が花屋の息子という設定から、様々なお花のエピソードも盛り込まれている。 2021年1月現在、日本では新型コロナウイルスの感染が拡...

出だしは「神様のカルテ」の看護師バージョンかな?と思いながら読み進めていくと、看護師と1年目の研修医を通して描かれる、地方の中規模病院のお話。 研修医が花屋の息子という設定から、様々なお花のエピソードも盛り込まれている。 2021年1月現在、日本では新型コロナウイルスの感染が拡大し続けており、病床の確保が困難になってきてトリアージが必要になるかもしれないと報じられている。救える命を優先せざるを得なくなる状況が迫って来ている。どうすることが正しいのか、簡単に線引きできることではないと思う。 このお話の中でも高齢化社会での医療の問題点が大きく取り上げられている。答えは一つではなく、悩んでも正解が見つかるとは限らない。命の選別、生と死の在り方について深く考えさせられる作品。

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2021/01/16

たまたま入院中に読んだもので、じわ〜ときてしまいました… 医療に関わる方にはホントに頭がさがります… ちょっとできすぎだな〜と思うところもありましたが、まあご祝儀相場で…

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2021/01/11

「神様のカルテ」は面白かった。この本もやはり信州の総合病院を舞台としている。お互いに惹かれ合って恋人となる研修医の桂正太郎と看護師の山岡琴美の二人の視点で物語は進んでいく。総合病院の医者や看護師たちの殺人的な大変さがよく分かるが、今回は高齢者の入院患者についての問題が提起されてい...

「神様のカルテ」は面白かった。この本もやはり信州の総合病院を舞台としている。お互いに惹かれ合って恋人となる研修医の桂正太郎と看護師の山岡琴美の二人の視点で物語は進んでいく。総合病院の医者や看護師たちの殺人的な大変さがよく分かるが、今回は高齢者の入院患者についての問題が提起されている。最終治療という難しいことなのだが、他人事とは言っていられないことだ。胃瘻というのも難しい。主人公の二人は立派すぎて…。

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2021/01/09

信州の松本市郊外の一般病院が舞台。 花屋の息子の研修医桂と看護師の美琴を中心に話が進んでいく。 患者は高齢者が多い。看護師も医師も老人の死といつも隣合わせ。 死期が迫っている高齢の患者には無駄と思われるような処置はしないで静かに看とることを提案する医師。 現在の医学はほんの何時間...

信州の松本市郊外の一般病院が舞台。 花屋の息子の研修医桂と看護師の美琴を中心に話が進んでいく。 患者は高齢者が多い。看護師も医師も老人の死といつも隣合わせ。 死期が迫っている高齢の患者には無駄と思われるような処置はしないで静かに看とることを提案する医師。 現在の医学はほんの何時間かの延命のための治療が行われていることもあるのだろう。 何よりも重いはずの人の命、しかし意識もない患者に数時間の延命のための高度な処置は必要なのだろうかと考えさせられた。 穏やかに看とることこそ人の最期に相応しいのではないのだろうか、と考えさせられた。 私は無駄な延命処置は要らない。 意識もなく機械に繋がれて生かされているなんて人ではないと思う。 死神と言われる谷崎医師の考え方には納得させられる部分があった。 「医療は今、ひとつの限界点に来ている。『生』ではなく『死』と向き合うという限界点だ。大量の高齢者たちを、いかに生かすではなく、いかに死なせるかという問題だ。」という三島医師の言葉が重い。 みんなが考えなければならない問題だろう。 研修医の桂の青い考えも感動的だが、経験を経た医師たちの現実を直視した言葉はもっと思い。 現役の医師だからこそ書ける物語なのだろうし、読み手の心にも響いてくる。 自分にとっても高齢者の医療が身近になってきたと言うこともある。 また、コロナ禍の今、医師や看護師の過酷な働き方にも目を向けながらこれからの医療を考えるきっかけにもなった一冊だった。 さあ、もしもの時のために子ども達に私は延命処置はいりません、と書き残しておかなくっちゃ。

Posted byブクログ