わたしの美しい庭 の商品レビュー
屋上に縁切り神社があるマンションで暮らす、統理と路有と百音。3人やその周りの人達が、日常で感じるモヤモヤや生きづらさから解放されるための連作短編集。 縁切り神社と聞くと人との関係性を断ち切る願いというイメージがあった。けれどこの物語で扱われているのは特定の人物との縁ではなかった...
屋上に縁切り神社があるマンションで暮らす、統理と路有と百音。3人やその周りの人達が、日常で感じるモヤモヤや生きづらさから解放されるための連作短編集。 縁切り神社と聞くと人との関係性を断ち切る願いというイメージがあった。けれどこの物語で扱われているのは特定の人物との縁ではなかったし、自分の弱さや自分を揺らがせる周りの目を断ち切ろうという意志のようにも思えた。 どの物語も、今ある状況は変わらないけれど、それでも自分らしくいられたらいいんだよと優しく伝えてくれるような着地だったのが良かった。 3人の支え合う関係性や、微笑ましいやり取りが魅力的だったので、続編ができてその後のみんなを見ることができたらいいなと思った。
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男二人がそれぞれ過去と向き合う場面が好きでした。 ふふっと笑ったポイント↓↓↓ “過去の恋人に一緒に逃げようと乞いながら、嫁の作ったカレーをのんきに食べる。こいつは昔の文豪か。” 凪良ゆうさんの小説、何作か読みましたが、いつもいつも人の内面というか通常運転時の人の心の内側を丁...
男二人がそれぞれ過去と向き合う場面が好きでした。 ふふっと笑ったポイント↓↓↓ “過去の恋人に一緒に逃げようと乞いながら、嫁の作ったカレーをのんきに食べる。こいつは昔の文豪か。” 凪良ゆうさんの小説、何作か読みましたが、いつもいつも人の内面というか通常運転時の人の心の内側を丁寧に描いていて落ち着く。
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他人に自分は可哀想、不幸だと思って欲しくないよね。「自分がされて嫌なことはしない」これが思いやりというものらしいが、なんか違う気がする。人それぞれ感受性が違うから同じ経験をしても同じ考えと感情が生まれるとは限らない。みんなちがってみんないい。
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今年読んだ本の中で5本の指に入るくらい、お気に入りの本になりました。 図書館で借りて読みましたが、返却した後、結局購入しました(*´艸`*)
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どん底で、人生投げ出したいと思う時に、ふっと手を差し伸べてくれる人がいる。その人は大切にした方がいい。 みんな色々あるし、色々言われるし、色々考える。けど、自分の気持ちを大切に、自分でまず考えることが大事だと思った。
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このお話で出てくる登場人物は、 両親を失ったり、 恋人を失ったり、 仕事を失ったり。 哀しみを抱えながら、 もがきながらも、 こんな自分を愛してあげたい。 思い込みや常識と呼ばれるもの、 自分を縛りつけるものを手放していく。 美しい庭園で。 『たった一度の恋が、永遠になって...
このお話で出てくる登場人物は、 両親を失ったり、 恋人を失ったり、 仕事を失ったり。 哀しみを抱えながら、 もがきながらも、 こんな自分を愛してあげたい。 思い込みや常識と呼ばれるもの、 自分を縛りつけるものを手放していく。 美しい庭園で。 『たった一度の恋が、永遠になってもいいじゃない』 恋人を事故で失って20年。 想いを心に秘め続ける女性のお話には泣けてしまいました。 どんな生き方を選んでも大丈夫。 読み終わって、 じわーんと温かさを感じられました(^^)
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優しい作品でした。人生に息苦しさを感じたり生きづらかったり…。「理解できないならしなくてもいい。黙って通りすぎればいい」そうなんだよなぁ、言葉の上での思いやりとか理解なんて苦しいだけだったりするものだし。少しづつ、本当に少しづつ強くなっていく登場人物たちが幸せでありますように。
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図書館で予約待ち、忘れた頃に順番がきました。 わたしの美しい庭『百音園』屋上庭園チューリップ、紫陽花、モッコウバラ、スカビオサ、サルビアなど手入れされた空間で癒されながら、縁切り神社へお参りして、いろんなものを手放したい。 登場人物の台詞がドラマのようにやりとりが生き生きしてい...
図書館で予約待ち、忘れた頃に順番がきました。 わたしの美しい庭『百音園』屋上庭園チューリップ、紫陽花、モッコウバラ、スカビオサ、サルビアなど手入れされた空間で癒されながら、縁切り神社へお参りして、いろんなものを手放したい。 登場人物の台詞がドラマのようにやりとりが生き生きしている。 「幸せに決まった形なんてないんだから。」 「生きていく中でなにかが根っこから解決することなんて滅多にない。」 「とりあえず明日がんばるための小さな愉しみを拾い集めていくことが優先」 「誰と誰が手を取り合っていいんだって、それが世界を救うこともわかった」 それぞれの登場人物の抱える想いにじっと息をひそめて事のなりゆきを見守るように読み進める。心の整理ができたときは、長旅を終えて安堵と疲労が混じったような心持ちになる。 「大人になるにつれ、感覚には思い出という付加価値がつく」 「大切な人を亡くすということは、あらゆる場所に目に見えない傷をつけられる」 自分の想い出に重ね合わせる辛さもあるけれど、浄化するような効用も感じる。ブグ友さんのレビューを読みながら復習しています。
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「縁切りさん」の異名を持つ神社を屋上に構えるアパートには、さまざまな事情を抱えた人々が思 いを断つためにやってきます。登場人物たちは「30 歳過ぎたら結婚するのがあたりまえ」「男は女 と結婚するのがあたりまえ」「親子は血のつながりがあるのがあたりまえ」など、「あたりまえ」を窮 屈に思い、疑問を感じている人たちです。集団社会に生きる私たちは、自分が属する社会が作った 「あたりまえ」という枠に収まること、「ふつう」を全うすることで、他人の視線から守られています。 それはみんな一緒であれば目立たず目につかないからです。この本を読むと、「ふつうって何だろう?」「ふつうじゃないと いけないのはなぜだろう?」という疑問が湧いてきます。目の前にいるのはあなたではない別の誰かであること。あなた とは異なる個性を持っていること。自分の個性を認めてもらうためには相手の個性も受け入れる必要があること。視野を 広げることができれば今よりもっとこの世界は生きやすくなるのにな、と思わせてくれる 1 冊です。
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縁切り神社の下のマンションで暮らす家族の物語。読みやすい文章で場面の画が浮かぶ。家族の形は家族の分だけ違っていい。一緒に居たい人と居心地よく生活するのが一番いい形なのだと思う。読んでいると、大人達が百音の無邪気さに助けられている気がした。年齢を重ねた分の過去と今、そして未来を受け...
縁切り神社の下のマンションで暮らす家族の物語。読みやすい文章で場面の画が浮かぶ。家族の形は家族の分だけ違っていい。一緒に居たい人と居心地よく生活するのが一番いい形なのだと思う。読んでいると、大人達が百音の無邪気さに助けられている気がした。年齢を重ねた分の過去と今、そして未来を受け入れて、時には受け流して、自分の人生を生きていくしかないんだなと思った。人間は結局1人でしかないのだけど、気の合う人と手を取り合って生きていけばいいんだと感じた一冊。 日常生活の仕事や人間関係の場面で「うまくいかないな」とか「私、変なこと言ってないかな?大丈夫かな?」って度々、思うことがある。この本を読んでいて、いつもふと思う、あのトゲのような不安は言葉にするとこうゆう表現になるのか!と自分の感じていた感情が本の中の所々にみつかって、なんともいえない気持ちになった。 凪良ゆうさんの作品はいつも言葉で表現できない切ない空気感に胸がキュっとなる。
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