わたしの美しい庭 の商品レビュー
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総理と百音(もね)、路有(ろう) 百音ちゃんの家はかわってると 友達から言われる、そんな暮らし お友達からの「変な思いやり」にむっとする時 総理は「百音の感情は百音だけのものだ」と話す そしお友達や先生の気持ちも否定せずに色々な感情の違いを “段階を踏む事が大事”と話す 「失うことや持ってないことで得られるものもあるんだ」 「考えることは百音の頭や心を強く賢くしてくれる」と 百音は『違うけど認め合おう』そんなことを 屋上庭園のあるマンションで暮らしながら体感していくんだろうなぁ 自分に置き換えて、違いを受け入れられず 距離をおくことで過ごして来たので 総理くんの考えは“すとん”と響いた 2024年 mybest本になりそうです 最後涙が出たのは何の感情だったのか 心が辛くなった家族が身近にいたからかな
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優しく包み込まれるようなストーリーで、煌めくいい言葉が沢山あった。 「縁切り神社」と呼ばれている、マンションの屋上にある神社が舞台。その境内とも言える屋上庭園が表題のこと。 血のつながらない統理と百音、ゲイの路有、高校生の時亡くした恋人を想い続ける桃子、恋人の弟で鬱で会社を辞め...
優しく包み込まれるようなストーリーで、煌めくいい言葉が沢山あった。 「縁切り神社」と呼ばれている、マンションの屋上にある神社が舞台。その境内とも言える屋上庭園が表題のこと。 血のつながらない統理と百音、ゲイの路有、高校生の時亡くした恋人を想い続ける桃子、恋人の弟で鬱で会社を辞めた基など、登場人物はみんな複雑な事情を胸に抱えている。 「幸せに決まった形なんてない」 「誰かにあかす必要なんてなく、私は私を生きていけばいい」 「善い行いも悪い行いも、全部自分に返って来る」 「何も持ってないのは哀れかもしれないけど、気楽でいい場合もあるよ」 「どんなに素晴らしい主義主張も人の心を縛る権利はない」 「失うことや持ってないことで得られるものもある」 「嫌な思いをすることも、まるっきり無駄ではない」 「事実というものは存在しない、存在するのは解釈だけ」 「手を取り合ってはいけない人なんていないし、誰とでも助け合えばいい。それは世界を豊かにするひとつの手段」 統理の、小学生の百音相手にも嘘偽りのない言葉の数々が特に良かった。
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思いやりとか 人と違うということとか 関係性のラベリングとか この小説が初読の作者さんなのだけど、 できる限り皆んなが幸せな気持ちで人生を過ごせたら、って気持ちになった 心地良い距離感で一緒に生活するそれぞれ血の繋がらない3人 朝ごはんの献立も何だかちぐはぐだったり でもと...
思いやりとか 人と違うということとか 関係性のラベリングとか この小説が初読の作者さんなのだけど、 できる限り皆んなが幸せな気持ちで人生を過ごせたら、って気持ちになった 心地良い距離感で一緒に生活するそれぞれ血の繋がらない3人 朝ごはんの献立も何だかちぐはぐだったり でもとても美味しそう 提供されるお酒も 何かを失ったとしても 自分の庭はどんな花が咲く、どんな庭になるだろう 2020年に本屋大賞となった作品も読んでみたい (図書本)
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とても読みやすくて物語の中に入り込めました。 最後の章の統理が百音ちゃんに言った言葉で、「百音の感情は百音だけのものだ。誰かにこう思いなさいと言われたら、まずはその人を疑った方がいい。どんなに素晴らしい主義主張もその人の心を縛る権利はない」という言葉が好きです。他の作品も読んでみ...
とても読みやすくて物語の中に入り込めました。 最後の章の統理が百音ちゃんに言った言葉で、「百音の感情は百音だけのものだ。誰かにこう思いなさいと言われたら、まずはその人を疑った方がいい。どんなに素晴らしい主義主張もその人の心を縛る権利はない」という言葉が好きです。他の作品も読んでみたいと思いました。
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全体的に綺麗なお話 両親が亡くなり母親の元旦那に引き取られた大人びた女の子とゲイのイケメンバーテンダーとの3人で仲良く朝食を食べる描写は良かった。 縁切り神社が屋上にあるマンションは面白いので行ってみたい。 日によってお店の場所を変える屋台バーって素敵だなあ。そんな所に通う大人になりたいねえ。 高校生の時に亡くなった恋人を40までひきづってる女性というのも、羨ましさと驚きを感じる。
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凪良さんの作品はいつも認めて心を広げてくれます。 周りの人と違う、からこそ向けられる他人からの善意の重さ。その善意に救われる場合も、苦しめられる場合もあるということを考えていたいと感じました。
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マンション屋上にある縁切り神社に訪れる人たちのエピソード 読みやすかった 両親を亡くし 母親の元夫(統理)と暮らす百音 幸せに決まった形なんてない 桃子 交通事故で亡くなってしまった彼(坂口くん)を忘れられない たった1日っきりの 稲妻のような真実を 抱きしめて生き抜いている人もいますもの ゲイで男に捨てられた路有 家庭を持ったその男を忘れることに 鬱になって引きこもってしまった基(桃子の彼氏の弟) 自分を愛せるようになる 失うことや持っていないことで得られるものもある 僕たちは違うけど認め合おう 事実は存在しない 存在するのは解釈だけ
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マンション屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。生きづらさを抱えた人たちの視点から、5つの物語が美しい文体で語られています。 自分に純粋に生きているだけなのに、周囲からは、ちょっとかわいそうな人と思われてしまう登場人物の心理描写がすごいです。巧みな心理描写のおかげで、苦しんで生きて...
マンション屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。生きづらさを抱えた人たちの視点から、5つの物語が美しい文体で語られています。 自分に純粋に生きているだけなのに、周囲からは、ちょっとかわいそうな人と思われてしまう登場人物の心理描写がすごいです。巧みな心理描写のおかげで、苦しんで生きている人々への共感を呼び込み、登場人物達を好きになってしまいます。事実と真実は違うこと、改めて実感できます。 ニーチェの言葉「事実というものは存在しません。存在するのは解釈だけです。」 ストーリーでリングが見事で、最後までノンストップで読んでしまいました。凄い作家さんですね。
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縁切りの神社が屋上にある、少し変わったマンションに住む人たちの日常を描く。 登場人物は、神社の宮司であり翻訳者の仕事を持つ、統理と養女の百音(10歳)、マンションの住人で病院スタッフの桃子(39歳)、小ぢんまりとした移動バーのマスターであり同性愛者の路有、元マンション住人で鬱を患...
縁切りの神社が屋上にある、少し変わったマンションに住む人たちの日常を描く。 登場人物は、神社の宮司であり翻訳者の仕事を持つ、統理と養女の百音(10歳)、マンションの住人で病院スタッフの桃子(39歳)、小ぢんまりとした移動バーのマスターであり同性愛者の路有、元マンション住人で鬱を患っている基。 彼らが何かにつけ集うのが、季節の花が咲く屋上の神社だ。 日常生活とは言え、設定は比較的複雑な人間関係がある。ただそれは、ともすれば、私たちが出会う環境でもある。 物語の中での会話や行いから、不思議と共感の波に浸っていることを感じた。 「思いやり」とは何か、を考えさせられた。 物語の登場人物だが、桃子さんがいれば恋をしてしまいそう。 心に残ったことばたち。 けれど歳月だけではないでしょぅ たった一日っきりの 稲妻のような真実を 抱きしめて生き抜いている人もいますもの 良心の呵責はおまえらの荷物だよ。人を傷つけるなら、それくらいは自分で持て。 大人になるにつれ、感覚には思い出がつく。どれだけうまい味を知っても、母親の料理にほっとするのはそのせいだ。 事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけ。 ニーチェ
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最近話題になっている作者だったので読んでみたら、思いがけず胸に染みた。何かしらに傷ついてもがいて生きている人びとの連作短編集。私もそのひとりになったかのよう。背中を押してもらった。
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