わたしの美しい庭 の商品レビュー
ひと口に言うと、染みる。刺さる。 表面張力のはたらいたグラスをそっと揺らすみたいに、心が動いて、ぽとぽとと水が溢れるみたいに、涙が溢れた。なのに明るくて前向きで強い。すごく良い本だった。
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2020/01/18 両親を5歳で亡くした百音は、統理に引き取られる。統理の同級生、路有は同じマンションに住み、彼の仕事終わりに三人でご飯を食べる。 血の繋がりが無いのに、ものすごく濃い人間関係。 百音のあまりに物分かりの良すぎるところは、出来過ぎな感じもするが、こんな関...
2020/01/18 両親を5歳で亡くした百音は、統理に引き取られる。統理の同級生、路有は同じマンションに住み、彼の仕事終わりに三人でご飯を食べる。 血の繋がりが無いのに、ものすごく濃い人間関係。 百音のあまりに物分かりの良すぎるところは、出来過ぎな感じもするが、こんな関係があったら、いい世界だなと思う。
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「わたしの美しい庭」この題名通りの作品だった。 最後の “わたしは、ここが、とても好き。“ に全てが集結している。凪良ゆうさんは、どうしてこんなにも優しく美しい言葉を生み出せるんだろう。ただ読み進めるのではなく、彼女の創り出した一つ一つの言葉を噛みしめながら読みたい作品だった。 ...
「わたしの美しい庭」この題名通りの作品だった。 最後の “わたしは、ここが、とても好き。“ に全てが集結している。凪良ゆうさんは、どうしてこんなにも優しく美しい言葉を生み出せるんだろう。ただ読み進めるのではなく、彼女の創り出した一つ一つの言葉を噛みしめながら読みたい作品だった。 流浪の月を読んだ後にこの本を手に取った私には、少し物足りなさがあった。それだけ読みやすい作品ではあるけど、すぐに読み終えてしまうのが少し寂しく思う。もう少し彼女達の生活を覗きたいと思う反面、これはこれでいいのだと思わせられる様な気がする、不思議だ。 著者を知ったのはここ最近のことだけど、彼女がBLの作品に長けているからなのか、センシティブな事柄の表現が抜群に上手いように思う。言葉にしにくい感情や、表現しにくい物体を文にするのが本当に上手。 今回の作品にも、アラフォー独身女性やゲイの男性、そして鬱の男性に名前の付かない関係の2人が出てくる。前作と同様に、「本人達の知る事実」と「他人の勝手な解釈」の間に生じる「余計なお世話とへんな思いやり」について書かれていて、読み終えた後に自分自身について考えさせられる作品である。 幸せとはなにか、不幸とは何か。それは誰かが上面だけを見て判断することではなく、当人達が決めることだ。これが著者の伝えたいことなのではないかと勝手に解釈している。 『ぼくたちは違うけど認め合おう、それでも認められないときは黙って通り過ぎよう』このフレーズが好きでした。
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なんて優しい物語なんだろう。 下世話なことを言う人。 世間体を押し付けてくる人。 世の中はそんな人がたくさんいる。 屋上庭園に縁切りさまを奉るマンションに住む、血の繋がらない親子、百音と統理。 同性愛者の路有。 この3人も悩みがないわけではない。でも、世間体にとらわれず、自分...
なんて優しい物語なんだろう。 下世話なことを言う人。 世間体を押し付けてくる人。 世の中はそんな人がたくさんいる。 屋上庭園に縁切りさまを奉るマンションに住む、血の繋がらない親子、百音と統理。 同性愛者の路有。 この3人も悩みがないわけではない。でも、世間体にとらわれず、自分たちながらの価値観で歩んでいく姿や百音の何気ないストレートな一言に、はっとさせられる。 桃子さんも悩んでいたけど、桃子さんの生き方も素敵だと思う。 疲れている自分の心を浄化してくれる、そんな物語でした。 何度でも読みたい本。
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血の繋がりのない人たちが疑似家族のようにひとつ屋根の下で暮らしている話というのが昔から何故かツボにはまる。 登場人物がやや作り込まれすぎている感はあるけれど、伝えたいことがストレートに伝わってきて、クスッと笑えるところもあり読後感の良い作品だった。 何かを捨てても身軽になるわ...
血の繋がりのない人たちが疑似家族のようにひとつ屋根の下で暮らしている話というのが昔から何故かツボにはまる。 登場人物がやや作り込まれすぎている感はあるけれど、伝えたいことがストレートに伝わってきて、クスッと笑えるところもあり読後感の良い作品だった。 何かを捨てても身軽になるわけではなく、代わりの何かを背負わされて、荷物の重さは変わらない、それなら何を持つのかは自分で決めたい、という旨の言葉が印象的だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
色んな人がいて色んな形があって色んな問題をそれぞれ抱えている。問題を抱えながらも「それでもいいんだよ」と言ってもらえるような、そんな温かいお話。独特な?事情を持った登場人物たちが清々しい気持ちで「美しい庭」でほっと一息する様が、読んでいるこちらまで肩の力を抜くことができる(^-^)読後感がよい一冊。
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連作短編4編 マンションの上に庭があって神社がある.しかも縁切り神社と言う設定がとてもほっこりしていて,そのお庭もカフェが似合いそうなぐらい手入れされている.羨ましい.そこを管理している宮司さんの統理の真っ当なきっちりさが,天真爛漫な百音といい音楽を奏でている.お隣さんの統理の友...
連作短編4編 マンションの上に庭があって神社がある.しかも縁切り神社と言う設定がとてもほっこりしていて,そのお庭もカフェが似合いそうなぐらい手入れされている.羨ましい.そこを管理している宮司さんの統理の真っ当なきっちりさが,天真爛漫な百音といい音楽を奏でている.お隣さんの統理の友達でゲイの路有も死んだ坂口君を思い続ける桃子さんも登場人物が皆素敵で優しい.自分も含めて人との関わり方を大切に冷静に描いていてとても共感できる部分が多かった.
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統理は両親から引き継いだ「縁切り神社」の宮司をしている。 神社があるのはマンションの屋上庭園の奥。 そして、統理は小学生の百音を男手ひとつで育てている。 そこには、複雑な事情があるのだが。 同じマンションに住む個性的な路有も加わり家族のようだ。 統理も路有も、軽く息を吸い ため...
統理は両親から引き継いだ「縁切り神社」の宮司をしている。 神社があるのはマンションの屋上庭園の奥。 そして、統理は小学生の百音を男手ひとつで育てている。 そこには、複雑な事情があるのだが。 同じマンションに住む個性的な路有も加わり家族のようだ。 統理も路有も、軽く息を吸い ため息を吐くように生きている。 そう思っていた。 フワフワと柔らかな話だと思っていた。 P174 「人生はめんどくさいものだ」 そうだよね。 めんどくさくても、しっかりと生きる人たちが描かれていた。
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王様のブランチで注目作品で紹介! 屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。 そこを訪れる「生きづらさ」を抱えた人たちと、「わたし」の物語。
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初読みの凪良ゆうさん。 人生のままならない感じや、普段思うけど言葉に出来ない微妙な所を上手く言葉にしてくれている。 色んな人の重大ではないけれど、心に抱えて行くしかない悩み達。そんな悩みとどう向き合って一緒に生きていくか。 読んでいてきっと救われる人も沢山いると思う。 パワフルに...
初読みの凪良ゆうさん。 人生のままならない感じや、普段思うけど言葉に出来ない微妙な所を上手く言葉にしてくれている。 色んな人の重大ではないけれど、心に抱えて行くしかない悩み達。そんな悩みとどう向き合って一緒に生きていくか。 読んでいてきっと救われる人も沢山いると思う。 パワフルに元気をもらう小説と言うよりかは、じんわり心に静かに染みていく…そんな小説だった。
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