虹いろ図書館のへびおとこ の商品レビュー
学校に行くのをやめて図書館に通い出したほのか。 たくさんの出会いがあって、楽しいことを選べるってことがだんだん分かってくる。 知れば知るほど、心と世界は豊かになった。 人の中に何かが芽生える瞬間がたくさん、たくさん。 愛おしい初めてがたくさん、たくさん。 図書館や本が主役じゃ...
学校に行くのをやめて図書館に通い出したほのか。 たくさんの出会いがあって、楽しいことを選べるってことがだんだん分かってくる。 知れば知るほど、心と世界は豊かになった。 人の中に何かが芽生える瞬間がたくさん、たくさん。 愛おしい初めてがたくさん、たくさん。 図書館や本が主役じゃなくてそれらに触れて成長していく女の子がしっかり主役で、児童文学、青春小説、ヤングアダルト、呼び名は色々あるだろうけどほんと素晴らしかった。特に中盤は無敵。ラストシーンも美しかったなあ。 いつか終わる、いつか離れる、だけど残るのは懐かしさだけじゃない。ずっと初めての気持ちで。
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家庭環境の激変&ひっこし転校のあげく学校にいけなくなってしまった小6の主人公がいよいよ追い詰められ、登校するふりをして図書館通いを始める。そこにいても怪しまれない(見て見ぬ振りをしてもらえる)安全な居場所で、勉強したり考え事をしたり本を読んだり…そして少しずつ職員さんや思いがけな...
家庭環境の激変&ひっこし転校のあげく学校にいけなくなってしまった小6の主人公がいよいよ追い詰められ、登校するふりをして図書館通いを始める。そこにいても怪しまれない(見て見ぬ振りをしてもらえる)安全な居場所で、勉強したり考え事をしたり本を読んだり…そして少しずつ職員さんや思いがけない仲間と知り合っていく。 図書館や本が大好きな子なら、館内の描写や登場するタイトルににまにましてしまいそう。そうではない子にも、図書館や本のすてきなところに気がついてもらえるかな? そう、できることならいつまでも漬かっていたい温泉、終わってほしくない物語のようなものなのだけれど…主人公のつらい現実は主人公にそれを発見させつつ、そこに安住させてはくれない。図書館でつちかわれた人との絆や読書から知識とエネルギーを得て、後半はたたみかけるように話が大きく動き出し、ぐっと引き込まれて一気に読み終えてしまった。 小学校高学年あたりから読める児童書だけれど、大人が読むにも耐える中身が詰まっている。まず、作者が現役の図書館司書ということもあり、図書館をめぐる現実(図書館の自由、民間委託など)がていねいに盛り込まれているのがいい。その他にも学校をめぐる問題や多様性・個性の尊重と偏見といったいまや大人も子どもも避けて通れない身近な問題がもりこまれていて、読みながら知識を得ていろいろ考えられる。なるべくたくさんのひとに出会って(そして救われて)ほしいと願わずにはいられない作品。 そしてなにより、物語に登場するなつかしい絵本や児童書のタイトルの数々…カバー挿絵や巻末などにもうれしい大サービス。本のタイトルは巻末にリストとしてまとまっているので、興味が出たら探して読むこともできる。とりあえず少年筆耕の登場する『クオレ』をひさびさに読みたくなって夜中に市立図書館に予約を入れた。赤木かん子さんの「Little Selectionsあなたのための小さな物語」シリーズも、たしか一冊ぐらい借りて読んだことがあったと思うけれど、いろいろ読んでみたくなった(しかし市立図書館には全シリーズ揃ってはいないみたいだ…)。 追記) 12月4日、中3次女一気読み。読みやすく、「かがみの孤城」に似ておもしろかった、こんな図書館が近くにあったらなぁという感想。
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