虹いろ図書館のへびおとこ の商品レビュー
本が好きな人なら「虹いろ図書館」というタイトルだけでもワクワクするはず。絵本や児童書がそこここに散りばめられていて、大人は懐かしい気持ちになったり、小学生なら新たな本との出会いに胸が高鳴ったりすると思います。 主人公・ほのかがつらい思いをする姿には胸が痛むけれど、彼女が一歩一歩自...
本が好きな人なら「虹いろ図書館」というタイトルだけでもワクワクするはず。絵本や児童書がそこここに散りばめられていて、大人は懐かしい気持ちになったり、小学生なら新たな本との出会いに胸が高鳴ったりすると思います。 主人公・ほのかがつらい思いをする姿には胸が痛むけれど、彼女が一歩一歩自分を奮い立たせて進んで行く様子には、大人も子どもも関係なく、勇気づけられ心動かされるものがあります。 こんな図書館が近所にあったらなぁと思わずにはいられません。そこにはもちろん「へびおとこ」の司書イヌガミさんや他の司書さんたちもいてほしい! 読んだ後にほっこりする、素敵なお話です。
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哀しみ、うまくいかない日常、達成感、ほのかな恋心…。小学校高学年女子の揺れる心を、とても丁寧に掬った見事な作品。少し年上、でも欠けたところのある魅力的な異性という存在は、やはりドキドキさせてくれますね。公立図書館が舞台で、絵本児童書に限らず、いろいろな名著が出てくるので、本好きに...
哀しみ、うまくいかない日常、達成感、ほのかな恋心…。小学校高学年女子の揺れる心を、とても丁寧に掬った見事な作品。少し年上、でも欠けたところのある魅力的な異性という存在は、やはりドキドキさせてくれますね。公立図書館が舞台で、絵本児童書に限らず、いろいろな名著が出てくるので、本好きにもたまらない作品です。
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良質な児童書。 転校後、いじめが原因で学校に行けなくなった小学校6年生の少女・ほのか。といって行くところはなく、図書館で時間を潰すようになる。そこには、顔の半分が緑色で、ほのかの同級生から「へびおとこ」と気味悪がられている図書館員・イヌガミがいた。 当初は同調したほのかだったが、図書館に通い、イヌガミらと接するうちに、自らの偏見にも気づいていく。 平日の朝から図書館に入り浸る少女を、静かに見守る図書館員たちの視線が温かい。(少し前に、図書館からのこういう子どもたちのための居場所としての呼びかけもありましたね。) 一方、それを糾弾する権威者や興味半分の問いかけに対しては「図書館は利用者の秘密を守る」と、毅然と拒否する矜持が素晴らしい。こういう大人でありたいし、こういう大人を守れる人でもありたい。 勇気が必要だが、傍観者でいたら何も守れない。小さくても声をあげ続けなければ、人権は画餅に過ぎないことになってしまうというのは、現実でいやというほど見せられている。
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ぐいぐい読んだ。高学年の子から読めると思う。 大人の目で読むと、トゥーマッチな表現とか、ご都合主義の設定とか、気になるところはあるものの、ぐいぐい読めたのは、共感できる人が複数いたからなのかな。
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いい作品だった! 主人公と図書館、そしてそこで働くスタッフ(司書)との関係性の変化の描写が見事だった。最初は偶然入った図書館だったのが居場所となり、そこから巣立っていく様…それと同時にただの図書館利用者とスタッフだったのが図書館の仕事を知り、次には見守ってくれる人となり、自分の存...
いい作品だった! 主人公と図書館、そしてそこで働くスタッフ(司書)との関係性の変化の描写が見事だった。最初は偶然入った図書館だったのが居場所となり、そこから巣立っていく様…それと同時にただの図書館利用者とスタッフだったのが図書館の仕事を知り、次には見守ってくれる人となり、自分の存在意義を感じさせてくれる人になり…。私も気付かないうちに感情移入していて、主人公がさよならする時はドキドキ、そして淋しくなってしまうほど。 それと、名作が,ズラリと登場。名作と本作をむりやりこじつけたり絡ませることなく、さりげなく主人公たちに薦めるという形で。それもまた良かった!他の方が書かれていたのだが、著者は元司書とのこと。児童サービスを担当されていたのだろうか…本作に登場する司書の言動や毅然とした姿勢等、心に留めておきたい。
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小学校高学年~中学生位の子達にぴったり! 虹色図書館を舞台に、いじめで不登校になってしまった女の子が図書館の人たちと関わって成長していく短編小説。 保健室登校ならぬ、まさかの公共図書館! 図書館で勉強したり、仕事を手伝いをするなかでだんだんと逞しくなり、いじめに立ち向かっていく。...
小学校高学年~中学生位の子達にぴったり! 虹色図書館を舞台に、いじめで不登校になってしまった女の子が図書館の人たちと関わって成長していく短編小説。 保健室登校ならぬ、まさかの公共図書館! 図書館で勉強したり、仕事を手伝いをするなかでだんだんと逞しくなり、いじめに立ち向かっていく。 作者は公共図書館に勤務しながら小説を書いているので、図書館の仕事が色々と書かれているところも読みやすい。
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・主人公のほのかが学校に行けなくなって、朝なんとか図書館が開く時間まで時間をつぶす算段をつけているところが、悲しかった。小学生がのあるこんなことに頭を使わなきゃならないなんて。リストラされたサラリーマンみたいで…。 ・担任の織田先生が最初あきらかにいじめをわかっていながら知らない...
・主人公のほのかが学校に行けなくなって、朝なんとか図書館が開く時間まで時間をつぶす算段をつけているところが、悲しかった。小学生がのあるこんなことに頭を使わなきゃならないなんて。リストラされたサラリーマンみたいで…。 ・担任の織田先生が最初あきらかにいじめをわかっていながら知らないかのような素振りだったのは、少し殺意がわいた。でもそのままの先生でなく、後々図書館で自分のいたらなさを反省してるところを読んだら、小学校の先生の苦労もわかるだけにやるせなさを感じた。担任1人で解決するのは無理だよね。他の先生と連携してほしい。 ・図書館のヤングアダルトの説明がよかった。私みたいなおばさんでも読んでいいんだね。 ・この本を読んでいると、たくさんの児童書や絵本の一場面が出てくるけど、それがこの物語の説明を上手く捕捉してて、さすが作者は元司書さんだね。 ・スタビンズくんメインの話はあるのかな。ぜひ読みたいな。
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図書室本。 嫌な世界。転校生にはじめは優しい。その後は、イビリ・いじめが続く学級なんて。 自主不登校で平日の居場所が図書館で良かった。
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冒頭から明るいテイストの、暗い話で慄く。秘密とか居場所とか大人が忘れて気づかない大事なことを思い出させてくれる。先生は最後までダメだったな。
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こんな素敵な本に出会えて良かったです。 主人公のほのかはいじめにあい不登校になるのだが家庭環境も複雑で迷惑をかけたくないほのかは学校にいったふりをしながら図書館ですごすようになる。 前に聞いたことがあった、学校にいきたくないんなら図書館にいこうってゆうのを実際に取り組んでいる県があると言うのを聞いた事がある。 この物語のほのかもそんな感じで図書館の職員さんに見守られながら図書館ですごすようになる。 図書館員はここに誰がいつ来ているのか、ここでどんなふうに過ごしているのか、どんな本を読んでいるのか、どんな本が好きなのか、その他いろいろ見たり聞いたりしたことを他の人に教えてはならない。そんな決まりが実際にあるのか、図書館員さんの事を気にした事がなかったけど、図書館という学校とも本屋とも違う雰囲気はそんなところからも現れるのかとも思った。 本のサブタイトルは実際にある本のタイトルで作中にもたくさんの本が登場する。 図書館員さんのイヌガミさんは顔半分に緑色のあざがあり、気味悪がられる時がある。生まれつきあるというアザにイヌガミさんはいっぱい傷ついて生きてきたんだと思う。だからこそ子供の心の傷に敏感で、優しく寄り添ってくれる。 ほのかの先生がお偉いさんと初めて図書館訪ねてきた時も、イヌガミさんは、ここに来られなくなった子供は次はどこに行くんですか?と、行き場を失った子供のことも考えていて、いつも冷静な彼がほのかのために声を荒げるシーンにグッときた。 原作よりも先に映画をみるのはお勧めしないとゆうくだりにも衝撃を受けた。映画を先に見てから本を読むと自分で想像する世界を作り出せない。本が先なら自分が想像するお話の世界と映画のスタッフの考える世界と両方とも楽しめる。分かってはいたつもりだけど、アニメ化や実写化にアンチがいるのを見ると、世界観を壊されたと言う消極的な意見を言う人ではなく、それはそれ、これはこれというように、別の世界のものとして両方を楽しむ人のほうが良いと思った。
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