ソフトウェア・ファースト の商品レビュー
新型コロナウイルスの感染拡大は、私達の生活を一変させた。ワクチンや治療法が未確立の今、ニューノーマル(新常態)に適応して外食、小売、教育などの新たなサービスが生まれている。リモートやディスタンスが新たな付加価値となり、適応できない企業は撤退せざるを得ないかも知れない。 これらの潮...
新型コロナウイルスの感染拡大は、私達の生活を一変させた。ワクチンや治療法が未確立の今、ニューノーマル(新常態)に適応して外食、小売、教育などの新たなサービスが生まれている。リモートやディスタンスが新たな付加価値となり、適応できない企業は撤退せざるを得ないかも知れない。 これらの潮流は以前から明らかであった。amazonやUberなどデジタル技術でリアルビジネスを塗り替える破壊者(ディスラプター)が台頭し、追われる側の企業もデジタルに対応する必要に迫られた。経産省の調査では、日本の多くの企業でもデジタル担当役員やDX推進部署を作っている。そういう企業の多くは、ITベンダーやDXコンサルにお金を払い、POCやアジャイルと言われて、とにかくいろいろなデジタル技術を試行、導入したものの、ビジネス上の成果が出ていない。 本書に言わせれば、それも当然である。日本企業は、製造業的な技術開発プロセス、SIerとユーザー企業との相互依存、ユーザーの課題ではなく社内の課題に注力、という根本的な問題を解決せずに、デジタル技術を取り入れればDXができると思っているのである。 そこで本書では、IT活用を「手の内化」することを提言する。「手の内化」とは、重要な技術を自分たちが主導権を持って企画・開発し、事業上の武器にすることである。 そのためには、経営者もITに詳しくなるべきであり、プログラムをやったことがなければ勉強してみる、ましてやエンジニアなら尚のこと、ベンダー丸投げなんて論外、エンジニアの評価・待遇を見直し、ジョブディスクリプションで職務を明確にして採用し、プロダクトマネージャーを置き… などなど、本書のステップはデジタルの要素がない企業にはあまりに高いハードルである。 そこで大切なのは、経営者の役割である。(経産省のガイドやコンサルのレポートでもそうだが)。 本書では、既存事業のデジタイゼーション、デジタライゼーションの先に、新事業・事業変革としてのDXがあると考えており、デジタライゼーションまではCIOの管轄である。DXは事業に技術を適用するため、デジタルが本業であればCTOが担い、そうでなければCDOを設置し、経営層がデジタルを理解できるようにする必要がある。 多くの企業のDXの取り組みで、ここまでフルセットなものはなかなか無いかもしれない。だが本書を読んで「勉強になった」で終わってはならない。コロナ後の世界はもう来ており、本気で変われない企業はコロナとともに退場せざるを得ないだろう。
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組織をデジタル技術やデザイン思考にて変革させていく上で、多くのヒントを得られた。「このままじゃ、まずい」と強く思わせてくれる本。
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DXとかが分かっていない企業の上の人向けの本。丁寧に書いてあるが、必要な項目に絞れば1/3〜1/4ぐらいにできそう。内容は素晴らしくよくまとまっている。
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ソフトウェアはあくまで手段ですが、威力がすごい事を改めて認識。 開発の内製化(本書では「手の内化」)が重要と言うことで、大事なソフトウェアの「実装」を外部パートナー企業に任せているのが、いかに危ういことが改めて認識。 Slerの現場にいる私自身も激しく共感する内容でした。 その他...
ソフトウェアはあくまで手段ですが、威力がすごい事を改めて認識。 開発の内製化(本書では「手の内化」)が重要と言うことで、大事なソフトウェアの「実装」を外部パートナー企業に任せているのが、いかに危ういことが改めて認識。 Slerの現場にいる私自身も激しく共感する内容でした。 その他、日本企業特有の問題、経営者が持つべき認識、戦略面、人事など、かなり読み応えがありました。
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面白かった。 本質とは何か、目的は何かを常に考える必要がある。 逆にそれらを考えない人が多いということでもある。
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「ソフトウェア・ファースト」は良い本だ。 「ソフトウェア・ファースト」のターゲットは、特にメーカーの経営陣、中間管理職の人達だと思う。 そういう言葉は書かれていないが、トヨタの話やメーカーの生産管理とソフトウェア開発の比較、などの話が多いので、メーカーの人にはとても響くだろう。 ...
「ソフトウェア・ファースト」は良い本だ。 「ソフトウェア・ファースト」のターゲットは、特にメーカーの経営陣、中間管理職の人達だと思う。 そういう言葉は書かれていないが、トヨタの話やメーカーの生産管理とソフトウェア開発の比較、などの話が多いので、メーカーの人にはとても響くだろう。 特に、メーカーにいて、ITに詳しくないが、ITが経営に直結している立場の人達、つまりメーカーで経営上の意思決定をする人達が読むべき本だ。 どのメーカーも、トヨタが生み出したJIT生産、なぜなぜ分析、自働化など数多くの概念を自社に取り入れようと努力してきたから、あのトヨタも変わっているのか、と気づくだろう。 ソフトウェア・ファーストの感想: プログラマの思索 https://forza.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-62ed27.html
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門外漢の私にも読みやすい文書で仕事へ気づきもたくさんあったのに、途中で間が空いてしまい忘れてしまったものも多々( ´⚰︎` ) 再度読み直すか、次に進むか。。
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日本企業がどのようにしてソフトウェアの可能性を理解し、ハードウェア重視ではなくユーザーの感情に訴えるプロジェクト開発を行う姿勢がソフトウェア・ファーストであるらしい。 現在の職種であるプロダクトマネージャーやエンジニアリングマネージャー、管理職の魅力についても言及しており、私はこ...
日本企業がどのようにしてソフトウェアの可能性を理解し、ハードウェア重視ではなくユーザーの感情に訴えるプロジェクト開発を行う姿勢がソフトウェア・ファーストであるらしい。 現在の職種であるプロダクトマネージャーやエンジニアリングマネージャー、管理職の魅力についても言及しており、私はこの本を読むまでは管理職の魅力がわかっていなかったぶん参考になった。 また、Sierを頼るだけでなくソフトウェアの内製化の重要性を開発のスピードにも照らし合わせて紹介している。 どの役職、職務になっても自分を俯瞰して感度高く精力的に学びに行く姿勢こそが大切と再認識させてくれる良書でした。 What robots do(and don't do)at Amazon fulfillment centersは興味を持ったので合間にでも見てみようと思います。
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筆者のマイクロソフトでの実体験を元に、IT社会でどう生きていくべきかが述べられた本だった。 ■個人とて取り組むべきこと ・常に最新の知識を習得する ・プログラムの基礎は、学ぶべき ・キャリアプランを考え、進化する ■企業として取り組むべきこと ・出来るだけシステム開発をベンダ...
筆者のマイクロソフトでの実体験を元に、IT社会でどう生きていくべきかが述べられた本だった。 ■個人とて取り組むべきこと ・常に最新の知識を習得する ・プログラムの基礎は、学ぶべき ・キャリアプランを考え、進化する ■企業として取り組むべきこと ・出来るだけシステム開発をベンダに委託しない ※時代の流れは早く、業務もすぐに変化するため ※開発に時間やお金かかるため ・DXは段階的に行うべき ・インナーソースを取り入れる ※開発技術を他部署でも共有するべき ・ソフトウェアは、パッケージ→SaaSが主流になる 1度では理解しきれていないところもあるので、読み返したい。
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ビジネスの中心をソフトウェアと考えて取り組むという内容の本。 ページ数も多く、1ページに対する文字数も多かったので、結構な量の内容で、経営者にも一社員も、IT企業もそうでない企業も参考になる箇所があると思える本だった。 ようは、ソフト開発は下請けに頼らず、内製化して自分のものにす...
ビジネスの中心をソフトウェアと考えて取り組むという内容の本。 ページ数も多く、1ページに対する文字数も多かったので、結構な量の内容で、経営者にも一社員も、IT企業もそうでない企業も参考になる箇所があると思える本だった。 ようは、ソフト開発は下請けに頼らず、内製化して自分のものにするのが大事ということなのだろうと思った(本書ではこれを「手の内化する」と表現していた)。話にはよく聞くけど、日本と欧米の国を比較すると、日本だけが情報通信系の人材というと7割がIT企業と呼ばれるところにいるのにたいし、他国はIT企業の割合は半分にも満たないらしい。それだけ、日本はIT企業以外にソフト開発が分かる人がいないということなんだろうなと思った。 まあ、これは日本が解雇が難しい国ということもあるだろうけど、そもそもこの本に書いてあるように、SIerは工期が長くなれば収益があがるという、むしろ効率化せずに長引かせた方がいいんじゃないかと思えるようなビジネスという部分もあるので、そういう問題はうまく解決していかなきゃいけないのだろうなと思う。 品質に関する指標の狩野モデルというのは初めて知った。ソフト開発でも参考になるらしいので、ちょっと覚えておきたいと思った。 自分の「取扱説明書」を公開するという話はちょっと面白かった。ホリエモンでいうと、「電話してくるな」とかそういうことをいうのだろうな。西野カナの「トリセツ」はビジネスでも役に立つのか。 ユーザーインタビューの話で、ユーザー自身は意外と本音を話さないということにたいして、「周りで困っている方はいらっしゃらないですか?」というようなことを聞くと、自分を含む人たちとして話してくれるという話は、なるほど、と思った。このへんは心理学を勉強したら分かるものなんだろうか。 後、会社にCTOを置くことによるデメリットに「その人よりも優秀な技術者を採用できなくなる可能性がある」とあって、ちょっと驚いた。そりゃ、CTOが優秀であるにこしたことはないだろうけど、そんなもんなのかなと。上司が自分より技術力が劣っていると、転職したくなるという人もいるからということだけど、技術に寛容で認めてくれる人なら大丈夫じゃないかなと思った。 後、個人的に、というより一エンジニアとして一番身近に感じたのは、5章のキャリアについての話。エンジニアにもいくつかキャリアパスがあって、スペシャリストになるものいいけど、エンジニアリングマネジャーやプロダクトマネジャーという道もあるということらしい。自分は、昔はスペシャリストのほうがいいと思った時期もあったのだけど、この本を読んだらマネジャーという道もいいのかなと思った。そもそも、最近気づいたけど、技術動向調べるのはそこそこ好きでも、実際にそれを試そうとまでは思わないし、誰かにその技術を試してもらえるぐらいの人になったほうがいいのかもと思えてきた。 最後に全体をとおして思ったのが、本当にこの本のようになっていくとしたら、技術者はどんどん、ユーザー企業に転職していって、人がいなくなるんじゃないかと。そういうことがすぐに起こることは考えにくいけど、うちの会社含め、SIer企業は事業変革していったほうがいいのだろうなと思った。
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