ソフトウェア・ファースト の商品レビュー
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【この本を読んだきっかけ】 自社に閉じた開発ノウハウや知識しかもっていないのは危険だと感じ、体系的にまとめられた本を通じて視野を広げ自業務に活かそうと思ったから。 SIer業界で働くうえで必読の一冊と評判が高かったから。 【概要】 ITに携わる全てのビジネスパーソンを対象とした一冊。 IT化に後れを取る日本の課題及び今後の指針や、ソフトウェアファーストに必要なマインドや組織体制や開発手法、さらにソフトウェアファースト人材のためのキャリアパスに対する筆者の考えがまとめられている。 【感想】 非常にボリューミーで読み応えのある一冊だった。 私はIT業界に身を置いてさほど年月は経っていないが、今後この業界で仕事をしていくには読んでおくべき本だと感じた。 特にソフトウェア化するうえでのマインド、特に組織論まで踏み込んでどうあるべきかが記載されていたので、少し難しさもあったが非常に勉強になった。 やはり、自社内にとどまらず外に目を向けることは非常に重要であると再認識した。 3年後、5年後にまた読み返したらより深く理解できるのだろうなと感じた。 【この本から得た学び】 ・ソフトウェアファーストで最も大事なことは、変化しないもの(≒ビジョンやミッション。それらに関連する社会課題や価値観)を理解すること。 ・「プロダクトの骨太の方針」を決め、適宜そこに戻ることが必要。相手の要望に応えて機能を際限なく追加したことで、結局誰のための何のプロダクトかわからなくなる事態を避けよ。 ・使われないプロダクトはゴミ。ということを肝に銘じよ。開発者の自己満足の塊とならないように注意せよ。そのためには、リリース後の運用を最初から考えよ。 ・進化を止めたユーザーに合わせては、プロダクトの進化も止まる。「今いる社員」を満足させるより、「将来の社員」を満足させ、新たに価値を提供するユーザの満足度を最大化することを考えよ。 ・重要なのは100%自社内でシステムを内製化を目指すことではなく、制御権を保持すること。 ・挑まなければ得られない。 ・「考えること、変化し続けること」 →ソフトウェアファーストな人材は常に学ぶ必要がある。学び、思考、変化を止めるな!
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人々は、利用に価値を置くようになった。 ハードのスペックではなく、 ハードを使って何をするか。 ハードを使って、ユーザーがしたいことを 支えるのが、ソフトウェアであり、 ソフトウェアによって、顧客体験が向上する。 顧客体験により、感動につなげる。 ただし、ソフトがすべてではなく、...
人々は、利用に価値を置くようになった。 ハードのスペックではなく、 ハードを使って何をするか。 ハードを使って、ユーザーがしたいことを 支えるのが、ソフトウェアであり、 ソフトウェアによって、顧客体験が向上する。 顧客体験により、感動につなげる。 ただし、ソフトがすべてではなく、 人の力を最大限つかったり、ハードでまかなう べきこともある。 ユーザーを理解して、顧客体験を高め 続けるには、変わり続ける必要がある。 そのためには、アジャイル型で試しつつ進み、 開発と運用を同時に行うDevOpeの考え方が必要になる。 顧客体験を最大化する武器たるソフト領域を 外だしする手はない。 自分たちにノウハウがたまる、 すぐに試せる、と言ったメリットがある。 プロダクト開発に当たっては、 プレスリリースからはじめてみる。 と、大幅に意訳。
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日本のIT業界で、依然としてウォーターフォールモデルが採用される事が多い。採用されるに至った背景やその問題点を分かりやすく説明されている。 開発方式を変化させるという短絡的で実現困難な課題提起ではなく、組織の在り方を変える、そしてそのために経営者だけでなく現場も変わる必要があると...
日本のIT業界で、依然としてウォーターフォールモデルが採用される事が多い。採用されるに至った背景やその問題点を分かりやすく説明されている。 開発方式を変化させるという短絡的で実現困難な課題提起ではなく、組織の在り方を変える、そしてそのために経営者だけでなく現場も変わる必要があると言う点が深く心に残った。 筆者の経験に基づく内容が多く、説得力があり熱い想いが伝わってくる。 何度も読み返したくなる名著。
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「ソフトウェア•ファースト」の切り口からプロダクトの企画•開発•運用の在り方まで踏み込んだ内容で 分かりやすかった。現在のIT業界の課題や業界に関わる人物に求められる役割等が、一読するだけである程度理解できる。今流行りの「DX」を「ITの手の内化」と定義しており、腹落ち感があった...
「ソフトウェア•ファースト」の切り口からプロダクトの企画•開発•運用の在り方まで踏み込んだ内容で 分かりやすかった。現在のIT業界の課題や業界に関わる人物に求められる役割等が、一読するだけである程度理解できる。今流行りの「DX」を「ITの手の内化」と定義しており、腹落ち感があった。
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伝統的な製造業でのデジタライゼーションをどうするか、という視点で学べるところがないかという気持ちで読んだ。 結論としては、ソフトウェアを内製化する組織体を作れ、それを支持する人を増やせ、ということになるのだろうが、ではソフトウェアに何ができるのか、何をソフトウェアで実現するのか、...
伝統的な製造業でのデジタライゼーションをどうするか、という視点で学べるところがないかという気持ちで読んだ。 結論としては、ソフトウェアを内製化する組織体を作れ、それを支持する人を増やせ、ということになるのだろうが、ではソフトウェアに何ができるのか、何をソフトウェアで実現するのか、という部分は、当たり前だけど個々の現場によって異なる。 現実の問題をどのようにデジタル、ソフトウェアでより良くしていくことが可能なのか?という問いに対しての答えがある程度見通せないことには人を雇って内製化して、などというステップには進むことはできない。 検品のための画像処理のような個別の分野はわかりやすい例としては挙げられるだろうが、もっと大掛かりな事業オペレーション全体のようなものの問題をどう切り分けてソフトウェア視点の課題に落とし込むのか、というところが悩ましい。 そこがMicrosoftやGoogleのようなプロダクトそのものがソフトウェアという著者の経験ではカバーされないのではないかと感じてしまう。
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とあるビジネス書で紹介されていたので、遅ればせながら読んでみたら、ともて良かった。会社の組織文化とか組織構造にも踏み込む内容。最近はやりのDXを考えるにあたっても前提としてぜひ理解しておきたいヒントがいっぱいあるように思いました。
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以前(かなり前)、著者の出演するテレビ番組を見て、 この方おもしろい人だな~と思っていたのですが、 ようやく著作を読むことができました。 で、実際に読んでみましたが、想像以上のクオリティの高さに驚きました。 とても勉強になります。 特に、自分のような非エンジニアで、今後DXなど...
以前(かなり前)、著者の出演するテレビ番組を見て、 この方おもしろい人だな~と思っていたのですが、 ようやく著作を読むことができました。 で、実際に読んでみましたが、想像以上のクオリティの高さに驚きました。 とても勉強になります。 特に、自分のような非エンジニアで、今後DXなどの影響により、 IT領域も少しずつ勉強していかないといけないという問題意識を持っているビジネス系の人には、 まさにピッタリの書籍ではないかと思います。 IT用語も出てきますが、最低限に抑えられていますし、 脚注に解説が載っているので、本の中で大体解決・完結してしまいます。 最後の章のエンジニアのキャリアパスについては、 エンジニアの人(と著者のキャリアに興味を持った人)だけ読めばよいかと思いますが、 3章(できれば4章)まで読むとソフトウエア開発について、 網羅的に理解ができ、ビジネスサイドの考え(新規事業開発)と 接続することができるのではないかと思います。 これは絶対に買い!の一冊です。
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SaaS や、クラウド、アジャイルなどの流れが、顧客における評価ポイントで、何故、日本がおくれているのかが、描かれていて読みやすい内容だとおもいます。ソフトウエアで日本にも変化をおこせが著者のメッセージととらえました。
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■要約 日本がデジタル後進国となった背景にはIT(ソフトウェア)をツール、工業製品としか捉えず外注が主であったため。 本当の意味でDXするためにはITを手の内化しなくてはならない。 ■感想 キャリアパートはエンジニアフォーカスだったが、それ以外のパートは非エンジニア向けの内容 日常業務で感じるモヤモヤがうまく整理されており腹落ちしやすかった 弊社もDXを推進する身として、某競合他社のように手の内化を早急に促進すべきではないか 20%プロジェクトは明日上司に提案してみよう ■メモ ・日米欧のソフトウェアに対する考え方への違い 日・・・ソフトウェア=工業製品 生産性重視 米・・・ソフトウェア=ビジネス 利益重視 欧・・・ソフトウェア=美 社会価値重視 ・狩野モデルでいう当り前品質にこだわりすぎない (全ユーザーの声が価値につながるわけではない) ・DXするならITを手の内化することに拘れ (スピード、ノウハウ面) ・いつでも主役は現場社員 ・Googleの5daysデザインスプリント (1.理解 2.発散 3.決定 4.プロト開発 5.検証) ・ユーザーは悪意なく嘘をつく ・T型→T'型(厚み) or π型 ・スキルを島と捉える
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どちらかというとエンジニア向けではあるが、ビジネスサイドとしてもサービスの潮流を理解するのに役立つ一冊。
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