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2019/10/19

縁と書いて"ゆかり"と読ませます。 「霧(キリ)」「塵(キリ)」「針(キリ)」「縁(ヘリ)」の4つの短編と「終(オワリ)」という短い(3頁)全体を締めくくる文章で構成されてます。 おやおや、短編の題は皆"り"で終わり、本のタイトル"...

縁と書いて"ゆかり"と読ませます。 「霧(キリ)」「塵(キリ)」「針(キリ)」「縁(ヘリ)」の4つの短編と「終(オワリ)」という短い(3頁)全体を締めくくる文章で構成されてます。 おやおや、短編の題は皆"り"で終わり、本のタイトル"ゆかり"の縁は短編タイトルでは"ヘリ"と読ませています。 前の短編の端役が次の短編の主役で登場する形で描かれる連作短編集です。 やさしいですね。 小野寺さんの描く主人公たちは、辛い状況にあっても酷く嘆いたり、怒ったり、恨んだりせず、どこか淡々と受け止め、日常生活にキチンと戻って行きます。途中で少し騙し誑かすような動きをする人物が現れ「小野寺さんらしくないなあ」とちょっと驚くのですが、結局はきわどい所で踏みとどまってしまう。人と人との繋がりが、本来の自分を取り戻させてくれる。 その当たりの扱い方が上手いなあ。 登場人物の中で唯一違和感を感じさせる自己中心的な春日真波。「終」では少し殊勝な感じになるのですが、収まりが着ききれて感じが残りました。

Posted byブクログ

2019/09/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

ひねくれ者のわたしが珍しくクセになってしまっている"ちょっといい話"を書いてくれる作者さんの最新作。

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