縁 の商品レビュー
4編の短編の物語がそれぞれ繋がってストーリーが展開していく。人は誰しも人生の不条理、嫉妬、誹謗中傷等々で落ち込んだりすることを経験する。 そんな時に正直に生きることのホッとした気持ちになれる。どんな状況で読者が読むかによって受ける印象は気となるかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前回読んだ「ひと」からの小野寺史宜作品 登場人物が次の話の主人公へと続いていく短編連作 霧:サッカーコーチをする 独身 38歳 室谷 保護者のシングルママと噂になり 腑に落ちないままチームをやめて・・・ 塵:室谷のリペアショップで悪態をついた 真波 リュクの乗客、デートに予約を取らない恋人、さっさと玉の輿に乗った友人 すべてに不満を持って デートパパの田村に愚痴る・・・ こうやって どんどん人が繋がっていく。 自分が知っているソノ人は ほんの一部分 ただ 何かしら後ろめたいことでのエピソード展開なので、心がざわざわと落ち着かない。でも 気になる。情景が分かり易く一気に読める。 最終章 終 で回収されていくのだが すっきりしない。 とくに「塵」の春日真波は・・・付き合いたくないなぁ。 そして 突然 再び出てくる 間宮 ムカつく。 ぜひ 楽しみにして読み進めてください。笑
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身近な人たちの身近な営み 人の何気ない繋がり ありきたりな構成 淡々と話が続く 人は自分のことしか 考えない生き物
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連作短編集。 小野寺さんの作品は、頭の中で映像化しやすい。 登場人物の容姿を思い浮かべ読み進める。 ある章ではクセのある人が 別の章では、違う一面を見せてくれる。 イヤな人だと思っても (そういうことだったのか)とほっとする。 本作も優しい気持ちになれた。
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連作短編集。 「霧」…近所の少年サッカークラブでコーチをすることになった室屋。ある時、指導方針がもとで親御さんとの仲を疑われる。 「塵」…自分の意にそぐわない行動をした彼氏と別れることになった真波。かつてパパ活をしていた時に親しくなったパパに再び電話を入れる。 「針」…真波のパパ...
連作短編集。 「霧」…近所の少年サッカークラブでコーチをすることになった室屋。ある時、指導方針がもとで親御さんとの仲を疑われる。 「塵」…自分の意にそぐわない行動をした彼氏と別れることになった真波。かつてパパ活をしていた時に親しくなったパパに再び電話を入れる。 「針」…真波のパパ活相手田村のお話。息子が高校生と付き合っており、その親から呼び出され和解のためにお金を渡す。 「縁」…田村の同窓生、シングルマザーの友恵。息子の就職の口利き、田村に頼みお金で解決しようと思うが、そのお金に困っていた。 と最終章の「終」。 各章で登場人物が繋がっている。そして進むにつれその人の別の一面が見れたり。嫌な面が出ていたりするが、ありそうな人間味が出てて。癖のある人だって良い面もあるしその人に合うつながりがあり世の中は成り立っているんだな。救われたり救ったりだ。全体的に尖らずに一定のペース穏やかさで描かれているのが読みやすくよかったかな。小野寺さんの小説を全部読んでいるわけではないけれど、同じ空気感を感じる、温かみがあるもの、今回もあり。
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荒川沿いのある町に住む人たちの、皆違って、皆いい話。 ・霧 KIRI ・塵 CHIRI ・針 HARI ・縁 YUKARI ・終 OWARI サッカークラブのコーチの恋や、自分の非を認められないパパ活女、パパ活される中年、シングルマザーで家政婦の気の迷い、など。 全ての人が...
荒川沿いのある町に住む人たちの、皆違って、皆いい話。 ・霧 KIRI ・塵 CHIRI ・針 HARI ・縁 YUKARI ・終 OWARI サッカークラブのコーチの恋や、自分の非を認められないパパ活女、パパ活される中年、シングルマザーで家政婦の気の迷い、など。 全ての人が間接的につながりながら、日常のうまくいかない部分でひっかかったり、乗り越えたり。
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少年サッカーチームのコーチが少年の母親から言われる→28歳女性が彼氏から、感じが悪いと指摘される→息子が女子高生とホテルに行ったと彼女の親から激昂される→というような話が連作短編で繋がってゆく。 巧い。とっても巧い。面白い。とっても面白い。良い。とっても良い。 最初は独立した...
少年サッカーチームのコーチが少年の母親から言われる→28歳女性が彼氏から、感じが悪いと指摘される→息子が女子高生とホテルに行ったと彼女の親から激昂される→というような話が連作短編で繋がってゆく。 巧い。とっても巧い。面白い。とっても面白い。良い。とっても良い。 最初は独立した短編集かな?それならまあまあぐらいなのかなと思って読んでいたら、すべての話が繋がってる。それも絶妙な繋がり方で。 なんつーか、とにかくいいのだよ。 「みんな、する話は同じなんだよね。本音は隠すとかそういうことではなく、他人の価値観で話しちゃうんだ。誰かが決めた価値観でね。まあ、これは僕も含めて、ほとんどの人間がそうだけど」 「五十二歳。お肌の曲がり角を何度も曲がり、もはやどの方角へ向かっているのかもわからない年齢」 中に織り込まれている、「人間てそんなに悪くないよね?」という哲学がいい。人物描写がいい。そして台詞がいい。オススメ。
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縁と書いて"ゆかり"と読ませます。 「霧(キリ)」「塵(キリ)」「針(キリ)」「縁(ヘリ)」の4つの短編と「終(オワリ)」という短い(3頁)全体を締めくくる文章で構成されてます。 おやおや、短編の題は皆"り"で終わり、本のタイトル"...
縁と書いて"ゆかり"と読ませます。 「霧(キリ)」「塵(キリ)」「針(キリ)」「縁(ヘリ)」の4つの短編と「終(オワリ)」という短い(3頁)全体を締めくくる文章で構成されてます。 おやおや、短編の題は皆"り"で終わり、本のタイトル"ゆかり"の縁は短編タイトルでは"ヘリ"と読ませています。 前の短編の端役が次の短編の主役で登場する形で描かれる連作短編集です。 やさしいですね。 小野寺さんの描く主人公たちは、辛い状況にあっても酷く嘆いたり、怒ったり、恨んだりせず、どこか淡々と受け止め、日常生活にキチンと戻って行きます。途中で少し騙し誑かすような動きをする人物が現れ「小野寺さんらしくないなあ」とちょっと驚くのですが、結局はきわどい所で踏みとどまってしまう。人と人との繋がりが、本来の自分を取り戻させてくれる。 その当たりの扱い方が上手いなあ。 登場人物の中で唯一違和感を感じさせる自己中心的な春日真波。「終」では少し殊勝な感じになるのですが、収まりが着ききれて感じが残りました。
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