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罪と祈り の商品レビュー

3.4

90件のお客様レビュー

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    11

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/06/26

貫井さんはとことんまでに誠実だ。読者にとっても出てくる人物にとっても。読んでいる間そんなことばかり考えていた。それが貫井さんの良いところであり弱点である気がしてならない。物語としてはシンプル。真面目な警官だった父が殺され、その理由を主人公と警察官の親友が調べていく現代パート。殺さ...

貫井さんはとことんまでに誠実だ。読者にとっても出てくる人物にとっても。読んでいる間そんなことばかり考えていた。それが貫井さんの良いところであり弱点である気がしてならない。物語としてはシンプル。真面目な警官だった父が殺され、その理由を主人公と警察官の親友が調べていく現代パート。殺された父とその親友(これが現代の警察官の男)の罪をなぞっていく過去パート。2つの時間軸を2つの視点で描く。とにかく可哀想な展開である。それはならないだろう、という過去の出来事が全て。それには全く同感出来ない。ただ読む手は止まらない。

Posted byブクログ

2024/02/26

警察官の賢吾剛と倒産後フリーターの亮輔が主人公。 亮輔の父が殺された背景を回想も踏まえながら追っていくもの。 結局昔賢剛父と亮輔父が共謀した誘拐殺人事件に罪を感じた賢剛父が自殺。 数十年経過後、共謀グループに属していた女性のことを慕っていたカレンという女が思い込みで亮輔父を間接的...

警察官の賢吾剛と倒産後フリーターの亮輔が主人公。 亮輔の父が殺された背景を回想も踏まえながら追っていくもの。 結局昔賢剛父と亮輔父が共謀した誘拐殺人事件に罪を感じた賢剛父が自殺。 数十年経過後、共謀グループに属していた女性のことを慕っていたカレンという女が思い込みで亮輔父を間接的に殺した。 けど実は思い違いで恨むべきは共謀グループ内の他の男だった。間違えて殺されてしまった。

Posted byブクログ

2023/09/18

親世代と子世代を同時に進行させながら、綺麗に伏線回収。謎も一つずつ丁寧に明かされて、正しい方程式を解いていく流れは、安心して読み進められて行った。ホワイダニットに重きを置いているからか、トリッキーなところは全然ないものの概ね満足した一冊。

Posted byブクログ

2023/07/20

昭和から平成に代わるバブル時代に生きた2人の男たちの話と、その息子たちが生きる現代の話が交互に進んでいく。 どちらの時代でも親友同士の2人。 父親たちの過去を探していくなかで別々の感情をもっていく。 同じ結果を知っても、許せない人もいれば、寄り添える人もいる。

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2023/03/28

サクサク読み進めていたら、急に違和感が… ページを戻ると、いつの間にか現在から過去の話になっていた。 子供世代と親世代の出来事を交互に描く作風で、すごく相関図が描きたくなったので最初からリスタート。 事件後、誰がどうなったのかがよくわかった。 爽快感がある作品ではないので、また読...

サクサク読み進めていたら、急に違和感が… ページを戻ると、いつの間にか現在から過去の話になっていた。 子供世代と親世代の出来事を交互に描く作風で、すごく相関図が描きたくなったので最初からリスタート。 事件後、誰がどうなったのかがよくわかった。 爽快感がある作品ではないので、また読みたいかと問われればそんな事はないのたが、貫井徳郎さんの他の作品を読んでみたいなとは思った。

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2023/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼馴染で親友の息子ペアと父親ペアのお話。途中まですごく面白かったけど、最後の父親たちの罪を許すかどうかで相容れず10年離れることにする、という結末が何だかなー。時代を思えば誘拐事件を企てた気持ちは分かる。アレルギーで死んじゃうなんて、殺人に値するのか。今ほどアレルギーについて知られていなかったというのに。しかし小2にもなって、自分は牛乳がダメって知らなかったのかよ、とも思う。でも実家では豆乳でグラタンを作ってくれてたかもなーと思ったり。当時も豆乳はあるよね、きっと。しかし、バブル時代は悲しい話がいっぱいあるんだろうなぁ。それが知れただけでも良かった。

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2023/02/15

「亮輔と賢剛」「辰司と智士」息子達と二人の父親、それぞれの視点で、現在と過去が交互に語られていく構成。 人間の仄暗い感情、憎悪、良心とのせめぎ合い、様々な思いが行間から溢れ、苦しい読書時間だった。 全ての発端は、バブル景気時の強引な地上げ。 辰司と智士の義憤も、やり場のない...

「亮輔と賢剛」「辰司と智士」息子達と二人の父親、それぞれの視点で、現在と過去が交互に語られていく構成。 人間の仄暗い感情、憎悪、良心とのせめぎ合い、様々な思いが行間から溢れ、苦しい読書時間だった。 全ての発端は、バブル景気時の強引な地上げ。 辰司と智士の義憤も、やり場のない憎しみも痛い程伝わるが、彼らが犯してしまった行動は、短絡的で浅はかだ。 計画通りに行かなかった後の行動も、数十年に及ぶ後悔すらも、亮輔の言葉を借りれば馬鹿だとしか思えない。 望んだ復讐も叶わず負の連鎖も断ち切れず、やり切れない。 全ては因果応報だ。

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2023/02/11

見る方向により、いろんなことを感じ取れる作品だった。最後の2ページ、涙が出た。今の私にとって、読むべき本であり、考えさせられたり 励まされたり、とても糧になった。

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2022/08/08

元警察官の父親の死をきっかけに、父親の過去を紐解いて行く主人公。 なぜ、父は死ななければならなかったのか。 ともに育ってきた警察官の親友との関係、過去と現在を行き来しながら、徐々に明らかになるバブル期の悲しいエピソード。 ミステリとして読める作品ではあるが、登場人物たちの行動原理...

元警察官の父親の死をきっかけに、父親の過去を紐解いて行く主人公。 なぜ、父は死ななければならなかったのか。 ともに育ってきた警察官の親友との関係、過去と現在を行き来しながら、徐々に明らかになるバブル期の悲しいエピソード。 ミステリとして読める作品ではあるが、登場人物たちの行動原理が物語主導になっている気がしないでもない。

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2022/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

元警察官の父が他殺され、真相を追う息子が過去に起きた昭和史に残る未解決誘拐事件に辿り着く。親同士、子供同士の視点で時代も行き来しながら話が進むのがめちゃくちゃ面白かった。 運が悪かったで済ませられない程の悪い結果は因果応報かな〜。 俺らの怒りもわかるけど、だからって罪を犯していい理由にはならないし。正しくはないことをしたから償う、償なった所で失われた命は返ってこないなら償いさえも自己満かもしれない。 でも私は、正しくないと思うけど、5人が事件を起こしたその気持ちはすごくわかる。間違ったことをしたとも思う。同じ立場ならしないけど、それは臆病だからか、守るものがあるからなのか。でも彼らにも守るものはあったよなあ…。あー感情がぐちゃぐちゃで、とてもいい本を読んだ。

Posted byブクログ