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時間は存在しない の商品レビュー

3.9

117件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/01/03

とても面白かった。全てを理解したわけではないが理解出来ないのはやはり「時間」という単語が表しているものが場面場面でぶれる事、しかしながらそのブレまで含めて私達は「時間」というものを認識しているのだという事なのだろうと思った。

Posted byブクログ

2022/12/27

難解で全部理解したわけではないが、時間というものに対する考え方が少し変わった。 一生分のエントロピーって言葉を読んだ気がする。

Posted byブクログ

2022/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カルロ・ロヴェリ氏の書籍3冊目だが、この本が一番難解だった。いやはや、事実の説明を淡々と述べるのではなく、形而上的な論点まで舞い上がってついていくのがやっと。ですが、時間は存在しないという衝撃が脳内を刺激して、心もとない浮遊感に誘われます。理解もそこそこに、一つの物語として感性に訴えるものがあります。 物理学の面は何度目かのループ量子重力理論ではあるが、どうも自分の実感からの乖離がすさまじくて腹落ちがどうしてもできず頭が追い付かない。その反面、著者の文学的が文章の卓抜さは胸いっぱいに受け止めることを務めた。氏は古代戯曲や詩歌に精通しており、哲学や生物進化学といったところまでカバーしていてまさに博識強記といったところ。そういった洗練された表現を心に留めておこう。 P119 第八章 関係としての力学 だが、不在だから悲しいのではない。愛着があり、愛しているから悲しいのだ。・・・だからこそ、不在がもたらす痛みですら、結局は善いもの、美しいものなのだ。なぜならそれは、人生に意味を与えるものを糧として育つのだから。 P173 第十二章 マドレーヌの香り 「考える ゆえに、 我あり」はデカルトによる認識の再構築の第一歩ではなく、第二歩なのだ。第一歩は、「疑う、ゆえに、考える」であって、デカルトは、主体としての存在の経験と直結した先験的な仮定を再構築の出発点としたわけではない。これはむしろ、一つ前のデカルトが疑うに至った過程の、経験的で合理的な反映なのだ。・・・自分自身を主題とする思考は、その人の一次的な経験ではなく、ほかのさまざまな考えにもとづいておこなわれる複雑で文化的な推論である。・・・わたしたちは、自分自身の同類から受け取った「己」という概念の反映なのである。 最新作もでているので、理解を深めるためチャレンジしてみようかな。

Posted byブクログ

2022/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シーラーズのサアディー 国連の本部入り口に刻まれている詩の作者=人間は同じ脊髄から作れらていて、一か所が痛めば他の場所も痛む。人々の苦しみに無頓着な人は、人の名に値しない。 熱は熱いところから冷たいところに移る。この方向にしか動かない=過去と未来を区別できる。ほかの法則は過去と未来を区別益ない。 エントロピー増大の法則=熱力学の第二法則。熱は冷たい物体にしか移動しない。 エネルギーではなくエントロピーが世界を動かす。 低いエントロピーが高いエントロピーになること、が運動の本質。エントロピーが平衡すれば、動けなくなる。 太陽の光子が届くと、その10倍の光子が放出される。その結果、エントロピーが低下する。 物質は、薪でも水素でも低いエントロピーに閉じ込められている。増大すればエネルギーになる。石が落ちると位置エネルギーを失う。そのかわり地球と衝突することで熱に代わる=力学的エネルギーが熱に代わる。=エントロピーが増大する。逆は起こらない。熱の存在がなければ、石は永遠に跳ね続ける。エントロピーが石を地面にとどめている。 アインシュタインの相対性理論=速度があると時間が遅れる。飛行機に時計を載せると、地上にある時計に比べて遅れた。=動いている物体にいると静止している物体にいるより、経験する時間が短い。動いている物体に対しては時間が縮む。 恒星にいる人の今、は地球にいる人の今ではない。地上で観測できるのは数年前の光や電波だから。 光の速度で1/10秒程度=地球程度であれば、現在を定義できる。宇宙全体で同じ瞬間はない。 祖先と子孫の関係=円錐形の半順序。時間的先行性。宇宙の出来事は部分的な順序があるだけ。 ブラックホールに時間ごと吸い込まれると、そこから出るには現在に向かって動く必要がある。宇宙が時間とともに変化しているという見方が間違っている。 ニュートンの方程式には、時間tが役割を持つ独立した変数。 真空は、トリチェリの実験によって裏付けられたが、素粒子などのブル知的実体は残っている。真空はニュートンの理論的概念で、実際には存在しない。 事物は、存在しない。起きる、もの。 量子重力の方程式には時間の変数はない。 ループ量子重力理論の方程式も同じ。 量子論と重力理論の統合のための理論として、超ひも理論とループ量子重力理論がある。 量子論で重力を扱えない理由は、重力に量子論的なゆらぎを仮定すると、揺らぎの影響で重力理論が成り立たなくなる。重力は核力や電磁気力に比べて弱いため、精密実験ができない。 宇宙が始まったときエントロピーが低かったのは、特殊な状態だった。だから熱力学(エントロピーの増大)だけが時間の概念を持つ。マルチバース宇宙論。 理論物理学は数式をいじるだけになり勝ちだが、発送も大事。

Posted byブクログ

2022/09/03

物理学的に時間は存在しない。哲学のようなわかりやすさ(わかりづらさ)であっても、半分程度しか理解できていないかもしれない。 宇宙全体に共通な今はなく、時間の速度も異なる、世界の基本原理には時間も空間もなく、ある物理量からほかの物理量に変化するだけ。 世界のごく小さなわたしたちの視...

物理学的に時間は存在しない。哲学のようなわかりやすさ(わかりづらさ)であっても、半分程度しか理解できていないかもしれない。 宇宙全体に共通な今はなく、時間の速度も異なる、世界の基本原理には時間も空間もなく、ある物理量からほかの物理量に変化するだけ。 世界のごく小さなわたしたちの視点からは時間が流れるのが見える。部分的相互作用で量子の不確かさでぼやけて見え、それはエントロピーの増大が過去と未来の差を生み出している。 われわれは「日が満ちて」死ぬまでの短いサイクルを喜怒哀楽と共に輝き、目を閉じて休むことの公平さが時である。 246冊目読了。

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2022/08/31

最初の方はかなり面白いと思ったけど、後半ちょっとしんどくなった感じ。 きちんと並べたトランプを切っていくとグチャグチャになることを、エントロピーの説明によく使うけど、それは私も違和感があり、赤と黒にきっちり分けて、数字順に並んでいるのを秩序立っている、エントロピーが低いとするの...

最初の方はかなり面白いと思ったけど、後半ちょっとしんどくなった感じ。 きちんと並べたトランプを切っていくとグチャグチャになることを、エントロピーの説明によく使うけど、それは私も違和感があり、赤と黒にきっちり分けて、数字順に並んでいるのを秩序立っている、エントロピーが低いとするのは恣意的だと思う。なので、うん、それでそれで?と思ったのだが、話の方向はちょっと違った。 ただ、エントロピーが常に増大する前提から、低い状態と高い状態を比べ、低い方が先にあった、つまり過去と判断してしまう、というのは良くわかる。 そして、熱力学とか相対性理論とか量子とかの話だったのが、最後は哲学的になったり詩的になったりするのは、こういうテーマの本にありがち、かも。

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2022/08/29

「すごい物理学講義」でカルロ・ロベッリにハマりすぐさま「時間は存在しない」読みました。ほとんど数式の登場しない物理学の本です。唯一の例外はエントロピー増大の法則「ΔS≧0」のみ。この式は人間が時間を捉える感覚のベースになるものであり、カルノーからのクラウジウス、からのボルツマン、...

「すごい物理学講義」でカルロ・ロベッリにハマりすぐさま「時間は存在しない」読みました。ほとんど数式の登場しない物理学の本です。唯一の例外はエントロピー増大の法則「ΔS≧0」のみ。この式は人間が時間を捉える感覚のベースになるものであり、カルノーからのクラウジウス、からのボルツマン、は前著ではあまり触れられなかった軸です。数式の登場しない物理学の本は、人間が何を感じて何を考えて来たかという歴史になり、それは哲学であり、また著者はそれを非常に詩的に表現しています。第11章でアウグスティヌス、カント、フッサール、ハイデガーを辿り、プルーストの『失われた時を求めて』にたどり着くのはこの本の領域の広さの証明です。広範、というだけでなく著者のバックボーンである「ループ量子力学」まで断絶なく繋がっているので最先端であるのです。結果的に「宇宙」と「人間」についての物語なので、本書では使われていませんが「人間性原理」に近いところにあるのでは、という読後感でした。ここらへんが微妙にモヤモヤも残っているので、もう一度読みたい気もしますが、いや、次の『世界は「関係」で出来ている』もすぐ読みたい!どっちだ?

Posted byブクログ

2022/08/07

ループ量子重力理論の研究者だが、一般向け書物多数。理論物理学者が時間を語る書物は面白くて考えさせられるが、意外にも哲学的で叙情的な傾倒もあって驚いた。同理論が万物の理論となりえることを目指しているわけではないとのスタンスだった。一文一文が短くて読みやすいが、ぼやけた視点がエントロ...

ループ量子重力理論の研究者だが、一般向け書物多数。理論物理学者が時間を語る書物は面白くて考えさせられるが、意外にも哲学的で叙情的な傾倒もあって驚いた。同理論が万物の理論となりえることを目指しているわけではないとのスタンスだった。一文一文が短くて読みやすいが、ぼやけた視点がエントロピー増大を感じさせる点について疑問が残った。量子の位置と速度の非可換性、この相互作用の順序が量子論を特徴づけるもので時間的な順序の原始形態なのだという。これをアラン・コンヌが数学的に定義したとのことで、もう少しこの点を掘り下げてほしかった。 我々の身の回りはあくまで特殊な系にあって、エントロピーの増大を感じる根源は、自分自身や意識を認識することと時間を感じることが表裏一体になっているポイントにあるとのこと。紹介されている「脳と時間」も非常に気になる書物。

Posted byブクログ

2022/07/19

高所と低所では時間の流れる速度は変わる。 との冒頭で、面白い!! ってワクワクしたけど、以降物理的な説明はチンプンカンプン でも気になってた本だし、「三体」でこんなの言ってたなって部分もあって、読めて良かった

Posted byブクログ

2022/07/09

詩的な表現が印象に残る、筆者の思いが伝わってくる文章だった。 時間は存在せず、エントロピー増大などの出来事の積み重ねでしかない、という趣旨でなるほどではあるのだけれども、やはり感覚としては受け入れ難いものだった。しかし事実は事実。 後半触れられていた、時間がないなら意識って何なの...

詩的な表現が印象に残る、筆者の思いが伝わってくる文章だった。 時間は存在せず、エントロピー増大などの出来事の積み重ねでしかない、という趣旨でなるほどではあるのだけれども、やはり感覚としては受け入れ難いものだった。しかし事実は事実。 後半触れられていた、時間がないなら意識って何なの?という部分がものすごく気になるので色々量子力学の本を読んでみたいと思った。

Posted byブクログ