時間は存在しない の商品レビュー
私にはループ量子重力理論も関係量子解釈も選択できる能力が無いが、時間に関する結言には深く納得した。新しい人生観を知れて嬉しく思う。
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物理学は、物の理(ことわり)の学問。頭の体操にはよい。著者の本は毎回刺激的なのでこの本も一気に読めた。量子力学と一般相対性理論の先には時間は存在しないのだという。エントロピーの理解が進んで良かった。 時間は地球の中心に近い方が遅いのだという。へえと思うことが多く、狐につままれた...
物理学は、物の理(ことわり)の学問。頭の体操にはよい。著者の本は毎回刺激的なのでこの本も一気に読めた。量子力学と一般相対性理論の先には時間は存在しないのだという。エントロピーの理解が進んで良かった。 時間は地球の中心に近い方が遅いのだという。へえと思うことが多く、狐につままれた気分になることも。街で見かけたものもロヴェッリの解釈だとどうなるんだっけ?と考えることができる。まさに物の理。世の中の捉え方が複層的になってよかった。
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おもろかった。。と思う?ていうか、おもろいんだが、やっぱり理論物理学は良ぅわからん。本書、非常にわかりやすい平易な語彙と文章で、書かれた意味はわかるんだが、理解できないっちゅうか。わかりたくないというか(笑) 青く美しい装丁で、読み始めていきなり図にスマーフが、、ほんで青なんかい...
おもろかった。。と思う?ていうか、おもろいんだが、やっぱり理論物理学は良ぅわからん。本書、非常にわかりやすい平易な語彙と文章で、書かれた意味はわかるんだが、理解できないっちゅうか。わかりたくないというか(笑) 青く美しい装丁で、読み始めていきなり図にスマーフが、、ほんで青なんかい!とツッコミながら、どうしてもなんでスマーフなんか気になりすぎて序盤内容が入ってこん(笑)。ともかく、アルバート氏の相対性理論も、特殊までは理解できんこともなかったが、一般のほうはお手上げだったので、本書を楽しむためにはそもそもそこらへんからやり直すべきなのかもしれない。でも、嫌じゃ。 簡単な事実、時間の流れは場所によって違う。低地では遅く、高地では速く流れる。高額な高性能の時計とちょっとその計測の技術を学べば誰でも時間が減速するという事実を確かめることができる。ラボレベルだと、数センチの高さの違いで生まれる時間の減速を検出できるらしい、、らしい、、。時間だけでなく、低いところではあらゆる事柄の進展がゆっくりになる、ちゅうことが序盤で説明される、、しかもスマーフが、スマーフ、、。今は、計器で測れるんだが、そんな精密機械のないころにアルバートは時間が至るところで同じように経過するわけでないことを理解してた、ちゅうことである。なんかもう、Aweしかない。 つうことで、重力。地球と太陽が直接引き合っているのではなく、その中間にあるものに順次作用していると仮定すると、この2つの間には空間と時間しかないので、時間構造の変化が2つの天体の動きに影響を及ぼして、結果2つの天体がお互いにむけて「落ちる」。簡単に言うと、簡単にいうと、物体は周りの時間を減速させるので、地球は巨大な質量があるのでコアに近いほど周りの時間速度が遅くなる。ちゅうことで、山より平地のほうが減速度合いが大きく、よって、山で住むより、平地で住む方がゆっくり歳をとる、ちゅうことになるんだそうだ。ゆうて、誤差程度だろうが、ミリでもミクロンでも長生きしたい人は平地で暮らせということか。なんならマリアナ海峡の底とか(どないすんねん) ともかく、物が落ちるのは時間の減速のせいなので、惑星間空間では時間が一様に経過するので、物が落ちないんだそうだ。 >もしも「現在」に何の意味もないのなら、宇宙にはいったい何が「存在するのか」。「存在する」ものは、「現在」にあるのではないか。 じつは、何らかの形態の宇宙が「今」存在していて、時間の経過とともに変化しているという見方自体が破綻しているのだ。 話は身近な物になるが、コップいっぱいの水、H2Oという水素と酸素が結合したやつで、熱い時(日本語だとお湯やね)はその分子が大騒ぎしている状態、逆にひゃっこい時(氷っちゅう状態)は、スンってしてるんやけど、お湯にしたい時は外から熱を加えて(火にかけて)、凍らしたい時は冷凍庫に入れりゃ、なんも考えんでも、状態がかわるんだが、分子のわちゃわちゃ度で状態が変わることを理解していれば、攪拌したり、振動を加えたら状態が変わるちゅうことでもあるな。身近なところで電子レンジちゅうやつである。これを、人為的に振動させることができたなら、領域展開できるちゅうことになるな、、、と言うようなことを妄想しながら、読んだ。結局何考えとんねん、ってことである。 >この世界は、物ではなく出来事でできている。 時間はすでに、一つでもなく、方向もなく、事物と切っても切り離せず、「今」もなく、連続でもないものとなったが、この世界が出来事のネットワークであるという事実に揺らぎはない。時間にさまざまな限定があるいっぽうで、単純な事実が1つある。事物は「存在しない」。事物は「起きる」のだ。 ちゅうことで、時間は存在しているんではなく、時間は起きてるもん、ちゅうようなことなんやろねぇ。屁の理屈的なもやもやを感じる凡人たる私。 まあ、なんちゅうか、理論物理学て哲学とか宗教とかに近しいノリを感じてしまうんだが、実は哲学とか宗教とかが理論物理学に寄せてるんではなかろうか、と本書を読んで感じたのであった。ちゅうことで、人生とは?と考えるのにとっても良い書であった(個人的な感想です) 量子場の複雑な振動っていわれてもなぁ、、
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NHK出版 カルロロヴェッリ 「 時間は存在しない 」 「時間や空間が根源的ではない」と主張する物理学(ループ量子重力理論)の本。エネルギーを扱うと思っていた物理学が 世界の認識を扱うことに驚く 世界の根源にあるのは「時間や空間に先立つネットワーク」であり「時間のな...
NHK出版 カルロロヴェッリ 「 時間は存在しない 」 「時間や空間が根源的ではない」と主張する物理学(ループ量子重力理論)の本。エネルギーを扱うと思っていた物理学が 世界の認識を扱うことに驚く 世界の根源にあるのは「時間や空間に先立つネットワーク」であり「時間のない世界」を前提としている。ただ 時間のない世界でも、過去から未来に向かう「時間の流れ」は 当たり前の事実のように感じられる という、ややこしい論理。さらに「時間の流れ」という感覚を 記憶とエントロピー増大の法則から説明 アインシュタイン の一般相対性理論による時間の描写「この世界は、ただ一人の指揮官が刻むリズムに従って前進する小隊でなく、互いに影響を及ぼしあう出来事のネットワークなのだ」 主な内容 *時間は、一つでなく、空間の各点に異なる時間が存在する *時間は、方向もなく、事物と切り離せず、今もなく、連続でもない *時間という特別な変数はなく、過去と未来に差はなく、時空もない *過去と未来が違うと感じるのは、過去の世界が、私たちのぼやけた目に「特殊」に映るから *時間が流れるリズムは、重力場によって決まる 量子重力物理学は 時間のない世界を理解し、意味を与えようとする試み この世界は事物でなく出来事でできている
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イタリアの理論物理学者による本です。数式は全く出てこず、一般読者を対象とした本です。3部構成になっていて、第1部は「時間のない世界」ということで、一般の人々が考える時間の概念を1つずつひっくり返していく作業が科学史をひもときつつ行われます。アリストテレスの時間論に対するニュートン...
イタリアの理論物理学者による本です。数式は全く出てこず、一般読者を対象とした本です。3部構成になっていて、第1部は「時間のない世界」ということで、一般の人々が考える時間の概念を1つずつひっくり返していく作業が科学史をひもときつつ行われます。アリストテレスの時間論に対するニュートンの時間論、そしてアインシュタインがこれら2つを統合する形で一般相対性理論を完成させ、我々の時間の概念が正しくないことを示します。ここまでは多少科学の知識がある読者であれば、「そうそう時間は高度や速度によって流れ方が違うんだよね」ということになるかと思いますが、ここからがなかなか難しいパートに入ります。著者は「ループ量子重力理論」というものを推進しているとのことなのですが、それが記述され始める第2部あたりからは正直ついていけませんでした(純粋に私自身の能力不足ではあります)。第3部では「時間の源へ」ということで、時間を議論するというより実は人間とは何かという問いかけに戻ってくるのですが、こちらも哲学者と文学者の引用が多く、個人的には著者が自分の文章に酔っている感じがしてあまり好印象は持てませんでした。最後の章は詩人モードになっていたと思います。本書は一般読者を対象にしているとはいえ、読み込むのはそこまで容易ではない、ということを念頭に置きつつ読まれることをお勧めします。
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著者はループ量子重力理論者 客観的で確実な空間や時間はこの世界に存在しない。 一応物理の本なのだが、哲学的でもあり、数多くの古典からの引用がある。
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Kindle Unlimitedです。 『なぜ時間は存在しないのか』に比べると非常に読みやすい良訳でした。 物理学の知見を深めていくと、「時間」が持っている(とわたしたちが思っている)様々な性質は特殊な条件でのみそう言えるようなもので、本質的には必ずしも必要のない仮定であること...
Kindle Unlimitedです。 『なぜ時間は存在しないのか』に比べると非常に読みやすい良訳でした。 物理学の知見を深めていくと、「時間」が持っている(とわたしたちが思っている)様々な性質は特殊な条件でのみそう言えるようなもので、本質的には必ずしも必要のない仮定であることがわかります。 たとえば、すべての点であまねく同じ時間が流れている。時間は過去から未来へ一方向に流れている。時間は連続変数である。など。 時間も粒からなり、それをより大きな系から眺めると、なめらかに流れるように見えているだけ。そして、その流れは、エントロピーの低い方から高い方へという熱力学の法則に従い変化する世界の流れ(熱時間)と表現されるものだということです。 このあとに読んだ『アフォーダンス』もそうですが、「わたしと環境の相互作用」が読み解く鍵になりそうで、なにか精神に関わるものと物理に関わるものが融合されて論じられるような世界も近いような気がしてきました。
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面白かったけれど、読み進めるのに苦労した本。物理学の話と哲学の話が混ざっていて、あとは著者自身の考え方も物理学的に証明されていない中で色々と入っているので、どこまでが事実で、どこまでがアイディアなのかを整理するのに苦労した。 いくつか気になったポイント。 相対性理論の方程式に...
面白かったけれど、読み進めるのに苦労した本。物理学の話と哲学の話が混ざっていて、あとは著者自身の考え方も物理学的に証明されていない中で色々と入っているので、どこまでが事実で、どこまでがアイディアなのかを整理するのに苦労した。 いくつか気になったポイント。 相対性理論の方程式には、単一ではなく無数の「時間」がある。二つの出来事の間の持続時間は一つに定まらない。物理学は、事物が「時間のなかで」どのように進展するかではなく、事物が「それらの時間のなかで」どのように進展するか、「時間」同士が互いに対してどのように進展するかを述べている。 →つまり、一様な時間なんぞ存在しないし、私たちが生きている世界の物理学は、結局その一様の時間の中での出来事の解明なのである。 時間の概念は、確定する際の精度によって決まる。ナノ秒単位で確定する場合の「現在」の範囲は、数メートル。ミリ秒単位なら、数キロメートル。わたしたち人間に識別できるのはかろうじて一〇分の一秒くらいで、これなら地球全体が一つの泡に含まれることになり、そこではみんながある瞬間を共有しているかのように、「現在」について語ることができる →遠く離れている世界では、時間の概念は全く異なってしまう。私たちの認識できる世界が、地球の規模だと一様でいられるということ。 量子力学の世界において、時間には最小幅が存在する。その値に満たないところでは、時間の概念は存在しない。もっとも基本的な意味での「時」すら存在しない →ここにはゆらぎがあって、予測不能の世界があり、過去も未来も存在しない わたしたちはずっと、この世界をある種の基本的な実体の観点から理解しようとしてきたが、調べれば調べるほど、そこに「在る」何かという観点ではこの世界を理解できないように思えてくる。出来事同士の関係にもとづいたほうが、はるかに理解しやすそうなのだ。 →全ては出来事の集合体である ボルツマンの理論の核心にはこのぼやけがあって、そこから熱やエントロピーの概念が生まれ、さらにそれらの概念が、時間の流れを特徴づける現象に結びつく。 →出来事が起きるのはエントロピーが高いところと低いところがあり、それが流れるから。一様であれば物体は変化しないし、物事は起きない 要約すると 万物に共通で一様な時間というものは存在せず、物事は出来事の集合体。ミクロな世界になれば過去も未来もない状態となり、ゆらぎが発生する。このゆらぎを人々は過去という形で記憶をして生きている。また、出来事があるのは熱力学の法則によるもの、つまりエントロピーの違いがあるから起きる。 みたいなところかな。相対性理論はたまに読んでるので概念を理解していたが、私たちの体の変化もエントロピーの増大によるものか、と思いつつ、結局彼のこの見解から「時間は存在しない」と言い切る(表題)は乱暴に思えた。 超ひも論とかはやや難解で理解しきれなかった。
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元々時間論に興味があり、主に哲学系の時間論を読んできたのだが、よく訪れる大型書店で、目立つカバーと書名の本書が目に留まり、物理学系時間論の入門書であることを期待して購入。 本書を読み進めてみてまず驚くのは、その文体である。 訳者の冨永星氏の訳も秀逸であるが、一般向けとはいえ物理...
元々時間論に興味があり、主に哲学系の時間論を読んできたのだが、よく訪れる大型書店で、目立つカバーと書名の本書が目に留まり、物理学系時間論の入門書であることを期待して購入。 本書を読み進めてみてまず驚くのは、その文体である。 訳者の冨永星氏の訳も秀逸であるが、一般向けとはいえ物理学系の書籍であるにも関わらず、詩的・文学的な表現が極めて多く読みやすい。数式も、いわゆる熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則)で"時間の矢"を表す「ΔS≧0」の一本しかなく、一見しただけでは物理系書籍とは思えない。 しかしながら本書は、相対性理論や量子力学を勉強したことのない読者に対しても、独特の文体で一般的に浸透している時間概念を次々に打ち破っていく。 時間には向きがなく、「今」には何も意味はなく、したがって普段当たり前のように使用している「過去」「現在」「未来」という言葉でさえ、時間構造を語るには不適切であるとしているのだ。 自分がこれまでに触れてきた時間論においては、時間というものは、古典物理学の立場では座標上に変数tで表されるような絶対的なものであり、相対性理論の立場では場所によって伸びたり縮んだりする相対的なものであり、現象学の立場では記憶(未来予持と過去把持)により表出されるものである、といった漠然とした理解はしていたものの、量子重力理論の立場や熱力学的視点で考えたことなどなかったので、読み進めるほどに知的好奇心をくすぐられた。 本書で述べられている論考は、著者のカルロ・ロヴェッリが研究している「ループ量子重力理論」がベースになってはいるが、本理論について簡単に述べられているものの深く解説することはせず、時間を多角的な視点で捉えつつ本質に迫っているところが、多くの読者を獲得した理由なのではないか。 物理学視点だけでなく、デカルト、カント、ヘーゲル、フッサール、ハイデガー、ベルクソンなどといった近代哲学者の他にも宗教家、神話、詩、文学などから得た言葉や脳科学までにも言及しつつ"時間の非存在性"が熱く述べられているため、本書は理論物理学的時間論というよりも、"学際的時間論"と表現した方が相応しいかもしれない。 とにかく、これまで広く受け入れられてきた時間概念に一石を投じる内容であることは間違いなく、個人的にも久し振りに霧が晴れる読後感であった。 これをきっかけに最新理論物理学にも興味を持てたので、著者の他の作品も読みたくなったとともに、まだ読んだことのない時間論にも触れて更に見識を広めたいと思える作品であった。 時間を探求することは、人間そのものを探求することに繋がると改めて実感した次第である。 やはり、時間は深い。
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時間は絶対的な尺度ではなく、相対的である。つまり、時間は空間と一体化した広がりであり、それはゴムのように伸び縮みする。そもそも、時間と空間は過去と未来を区別する方向性もない。では、なぜ我々は過去から未来に至る時間軸をありありと感じているのか?この結論について、残念ながら私は著者の...
時間は絶対的な尺度ではなく、相対的である。つまり、時間は空間と一体化した広がりであり、それはゴムのように伸び縮みする。そもそも、時間と空間は過去と未来を区別する方向性もない。では、なぜ我々は過去から未来に至る時間軸をありありと感じているのか?この結論について、残念ながら私は著者の考えを理解するに至っていない・・・。人間のあまりにも当たり前に感じている感覚から脱却し、科学や論理により真理を追究していこうとする研究者の努力と熱意には大変頭の下がる思いがする。
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