熱源 の商品レビュー
「樺太」も「サハリン」も、もとからある名前ではない。 「アイヌ」の意味は「人間」ということ。 「日本」も「ロシア」も「ポーランド」も、「和人」も「ロシア人」も「土人」も……何が「優」で何が「劣」なのか。 文明とは「馬鹿で弱い奴は死んじまうって言う、思い込みだろうな」(チコビロー...
「樺太」も「サハリン」も、もとからある名前ではない。 「アイヌ」の意味は「人間」ということ。 「日本」も「ロシア」も「ポーランド」も、「和人」も「ロシア人」も「土人」も……何が「優」で何が「劣」なのか。 文明とは「馬鹿で弱い奴は死んじまうって言う、思い込みだろうな」(チコビロー) ひとりひとり、何を想いどう生きたか。 イベカラの五弦琴の調べが、「滅ぶ」ことのないヒトの営みに、希望を添える。
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樺太について何も知らなかったことを改めて知らされた。少数民族が平和に暮らしていくことはできなかったのか、その平和な生活を脅かす資格は、誰にもないはずなのに。
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「戦争もも何もかも、生きてる人間が始めたんだ。生きてる人間が気張らなきゃ、終わんないだろ。あたしもあんたも、まだ生きてる。なら、できてることがある」 終戦のタイミングでこの本と出会ったのは、何か意味があったのだと思う。
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読書備忘録599号。 ★★★★☆。 東京オリンピックで一気に読書量が激減。笑 やっと読み終わりました。 樺太生まれのアイヌ、ヤヨマネクフ。ロシアと日本の覇権争いの狭間で国境線がころころ変わるなかで、ただただ其処に生きてきたアイヌ。 日露戦争から太平洋戦争。時代に翻弄されながら、ア...
読書備忘録599号。 ★★★★☆。 東京オリンピックで一気に読書量が激減。笑 やっと読み終わりました。 樺太生まれのアイヌ、ヤヨマネクフ。ロシアと日本の覇権争いの狭間で国境線がころころ変わるなかで、ただただ其処に生きてきたアイヌ。 日露戦争から太平洋戦争。時代に翻弄されながら、アイヌは絶滅する運命なのか。国という形を持たないアイヌ。ただそこに生きるということ。ただそれだけなのに、なぜか文明への同化を求められる。なぜこれほど苦しめられる。 一方、ロシア皇帝暗殺を謀ったという罪で樺太に流刑となったポーランド人ブロニスワフ・ピウスツキ。東ヨーロッパの幾度にも及ぶ戦争により、常に強国の支配下に置かれてきたポーランド。自分たちの国を取り戻すため苦しむ。 その場所に生きたいというアイヌのささやかな願いと、自分たちの国を取り戻したいという切なる願いを持つ二人が樺太で出会い、惹かれ合い、それぞれの信念で道を切り開こうともがく。 そしてこの作品。樺太の厳しい自然の中でのアイヌの生き生きとした文化・風習が描かれるのも魅力。 心に熱く残る熱源。一読の価値ありです!
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北海道に縁があったので、読み始めてから調べて知ったのですが、ほとんど史実なのですね。山辺安之助やブロニスの存在も金田一京介がアイヌに造詣が深い事も知りませんでした。風景が目に浮かぶような描写で、テーマが明確に伝わって来ました。また北海道に行く際に、これまでと違った視点でアイヌ文化...
北海道に縁があったので、読み始めてから調べて知ったのですが、ほとんど史実なのですね。山辺安之助やブロニスの存在も金田一京介がアイヌに造詣が深い事も知りませんでした。風景が目に浮かぶような描写で、テーマが明確に伝わって来ました。また北海道に行く際に、これまでと違った視点でアイヌ文化を見る事が出来るように思います。
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国が争いせめぎあう間で淘汰され、消えていこうとする民族の文化やアイデンティティを守ろうと奮闘する人たちの話。 ハッピーエンドとは言えず、努力も無駄になる姿に悲しさはあるけれども、懸命に足掻いた人達の熱意が心に残る作品。
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ずっと探していた作品。 道産子の私もほとんど接点のないアイヌが登場。アイヌとか日本人とか関係なく、その時代を生きた人々が力強く描かれていた。 最近、どちらかというとわりと繊細な作品ばかり読んでいたので新鮮だった。
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祖国のために生きる人々。 未来に生きるひとに何を残すか。 私はまだ生きている。 ならば、誰かのために。大切な人の幸せのために。 生きた証を残す。
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ロシアと日本の覇権争いに翻弄されながらもがく、北海道と樺太に住むアイヌの物語。 図書館で予約し、半年以上待ってようやく読了。氷の世界で様々な不条理を受けつつ、なお最良を尽くして生きようとするのは胸を打たれる。これまで勉強不足だったアイヌの苦難を知るきっかけにもなった。 一つ引っ掛...
ロシアと日本の覇権争いに翻弄されながらもがく、北海道と樺太に住むアイヌの物語。 図書館で予約し、半年以上待ってようやく読了。氷の世界で様々な不条理を受けつつ、なお最良を尽くして生きようとするのは胸を打たれる。これまで勉強不足だったアイヌの苦難を知るきっかけにもなった。 一つ引っ掛かったのは終わり方。本書の主人公たちの死があっさり描かれており、熱源が彼らの人生にどのような結果をもたらしたのか伝わらなかった。至らない語彙力だが、個人的には逆に諸行無常という言葉が浮かんでしまった。
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2章まで読んだのだがなんか入り込めなくて断念。 評価高いからそれを私も味わいたかったのだが、そこまで読み進めるのが辛そうなのと読みたい本が他にもあるから2章途中で断念。。。 2021.5.29 72
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