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熱源 の商品レビュー

4.1

347件のお客様レビュー

  1. 5つ

    118

  2. 4つ

    137

  3. 3つ

    66

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2021/04/23

面白かった、、。かなり好きな作品だった。 少数民族のあり方、文化をどうやって残すか、そこにある差別は今でも大きな課題だと思う。 また、この時代ならではの戦争という圧倒的な力があるなかで、そのなかに取り込まれていくアイヌたちの考えは、戦争の知識が少しある分余計読んでてハラハラした...

面白かった、、。かなり好きな作品だった。 少数民族のあり方、文化をどうやって残すか、そこにある差別は今でも大きな課題だと思う。 また、この時代ならではの戦争という圧倒的な力があるなかで、そのなかに取り込まれていくアイヌたちの考えは、戦争の知識が少しある分余計読んでてハラハラしたし苦しかった。 二葉亭四迷や金田一京助といった馴染みがある人物たちが出てくるのも、リニューアルしたイッツアスモールワールドみたいで楽しい。 個人的には大好きなゴールデンカムイとも繋がるところがあって、余計イメージができた。 ファンタジーと史実のバランスがちょうどよくて、1番ワクワクできる作品だと思う。ワクワクレベルはハリポタくらい。 ラストの伏線回収は感動してしまった。

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2021/04/19

どんな話か前知識なく読んだので、 前半「これは…どこへ行く話?」と思いつつ、 読み進めました。アイヌを軸とした歴史話だったとは。 いくらかは想像も入っていると想定しますが、 話の大枠は史実だと思われます。 読後の感想はまず、 「わたし、勉強不足…」でした。 そして戦争の空しさ...

どんな話か前知識なく読んだので、 前半「これは…どこへ行く話?」と思いつつ、 読み進めました。アイヌを軸とした歴史話だったとは。 いくらかは想像も入っていると想定しますが、 話の大枠は史実だと思われます。 読後の感想はまず、 「わたし、勉強不足…」でした。 そして戦争の空しさ、 民族ってなんだろう…という悲しい気持ち。 元々はその地で皆生きているはずなのに 我々春の優っていて、あの民族は劣ってると 決めつけてきているんだな…。 そしてこれはまだ世の中に残っている。 悲しいけど、 それだけ根深いんだな、と再認識。

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2021/04/18
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※このレビューにはネタバレを含みます

第162回直木賞受賞作、だからというので読んだわけではないが、確かにこの小説はすごかった。 文明ってなんなんやろと、改めて思う。火や道具を使うことを知った人類が、それまでより生存の可能を高くし、使い方道具自体をより使いやすく発展させ、言葉を複雑化させ文字を発見し、世の理を数値で理解できることに気づき… 全ては生き抜くための工夫、生きやすくなるための工夫であったはずの知恵工夫。生に彩を添え意味付けをするために作ってきた倫理宗教。それらは総じて文明文化と呼ばれるにいたる、 それら、すべては人間が楽に楽しく生きていくための工夫や手段であったはずなのに、文明は人殺しの武器を先鋭化させ、文化は少数民族を滅ぼす手段となる。なんと愚かな人類。 しかしその愚かさは、我々一人一人に宿っているものである。自分より劣っている(と見える)ものは排除しようとする、自分の意志や意見は押し通すためにある。そんな傲慢は誰でも持つものであろう。 この小説に出てくる虐げられた少数民族の叫びは、明日の我々かも知れない。いや、虐げる側になるのも明日の我々かも知れない。国家や民族、思想をないがしろにするものではないが、一番大事なのは人と人という最小単位のつながりと個人の尊重であろう。この本は最初から最後まで、人が個人として生きることの熱さを説いている、実に素晴らしい! が、油断するなかれ。この素晴らしい本を出版した会社は別の表情で個人を殺している、かの「文春砲」を用いて…。それが文明の恐ろしさでもある。

Posted byブクログ

2021/04/17

アイヌの視点でのお話。昨年読んだ『チーム・オベリベリ』とはまた違う視点でアイヌと北海道のことを知ることができて良かった。サハリン、言ってみたなぁ。 2021/3/20読了

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2021/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主に樺太(サハリン)を舞台とした小説 明治14年(1881)から1945第二次世界大戦終戦まで 日本もロシアも、アイヌ民族やギリヤーク(サハリンの先住民族)など少数民族やその文化を、自国のためにすりつぶしちゃってる。 人が生きる熱源となるのは、「人」ということ。 人として生きるとは、自己決定。 どの文化を生きるか、どういう信念をもつか。弱肉強食で勝つことに意味を見出すのか、弱肉強食と言う摂理自体と戦うのか。 アイヌのチェフサンマがポーランド人の夫プロニスワフの留守中に入れ墨を入れたときの、 「わたしは、アイヌだから」 〜〜〜 「正直なところは、好きになれない。嫌悪はまったくないが、慣れない料理のような感覚がある。だが、自分が誰であるかを決定した妻のふるまいは、何より美しいと思った。」 のところが一番好き。 アイヌ民族については何も知らなかったから、服装や女性の入れ墨、トンコリという楽器など調べながら読んだ。ウポポイ行ってみたい。

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2021/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み進めていくのが辛かった。アイヌの人たちの暮らしが奪われていく様子、戦争の様子。そんな中で、自分たちのルーツ、生きていた証を残そうとした人たちのお話。強い人たちだった。

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2021/04/03

アイヌに興味があるので読んでみた。アイヌ民族が減って来ている昨今。何かしらの形で、ずっと語り継いで欲しい。白老の「ウポポイ」に行って知識を深めたいな。

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2021/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

樺太(サハリン)、ロシアを中心にした、そこで生きてきた人々のお話。明治初期から、第二次大戦後までを描いている歴史小説。 とにかく、知らなかったことがたくさんあった。アイヌは知っていたけど、恥ずかしいことにオロッコ、ニクブンは知らなった。興味深く面白かった。アイヌの人や、当時の日本、ロシアの考え方に、少し触れることができたような気がする。 熱源、のタイトルが、生きていくのに必要なエネルギーのことだと自分は解釈したのだが、どうだろう。寒い舞台設定の中において、その熱はとても印象的で魅力的にうつった。 樺太、アイヌ、ロシア、その辺の歴史や事実を、もっと知りたくなった。珍しく他人におススメしたくなった1冊。

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2021/03/26

よかったー!アイヌの事や樺太のことなど、不勉強だったから読んで知る事ができてよかった。日本人でござい、と簡単に言ってはいけなかったんだ、と思った。先住民族はアイヌだけではなかったし、日本でも、同じ人間なのに人種差別する光景が普通に繰り広げられていた。ポーランドの独立運動とか、南極...

よかったー!アイヌの事や樺太のことなど、不勉強だったから読んで知る事ができてよかった。日本人でござい、と簡単に言ってはいけなかったんだ、と思った。先住民族はアイヌだけではなかったし、日本でも、同じ人間なのに人種差別する光景が普通に繰り広げられていた。ポーランドの独立運動とか、南極探検は民間事業だったとか大隈重信の活躍とかブロニスワフ・ピウスツキとか、歴史ものの好きな人にはたまらない、と思う。

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2021/03/16

アイヌ、ポーランド人、日本人、ロシア人。 多くの人たちの人生。 漠然と、昔の人たちは強いな、と思った。 あの時の別れが今生の別れになる、なんてことがザラにあって、生き別れ、死に別れた、夫、妻の分も、一人で子どもを育てる。 昔と比べてすごく恵まれてるはずの現代でも、それが出来る人...

アイヌ、ポーランド人、日本人、ロシア人。 多くの人たちの人生。 漠然と、昔の人たちは強いな、と思った。 あの時の別れが今生の別れになる、なんてことがザラにあって、生き別れ、死に別れた、夫、妻の分も、一人で子どもを育てる。 昔と比べてすごく恵まれてるはずの現代でも、それが出来る人はそんなにいないのに。 アイヌ女性イペカラが、ロシア人女性伍長に「あなたは大学を出てるんだから大丈夫」と言った。それは、学校を作るために奔走した大人たちの姿を見ていたからだ。 また、ヤヨマネクフは、アイヌを後世に残したいたいからと、命をかけて南極点を目指そうとする。アイヌの誇りのために。 私は泣きそうになった。 それならば、私たち現代人はどれだけ多くのものを背負っているんだろう。 この本の話ではないけど、たとえば、昔は育児休暇なんてなかった。 先人たちが勝ち取ってくれた権利を、現代の私たちは享受している。 多くの先人たちの努力や思いを受け継いでいるはずなのに、私はそれにあぐらをかいているだけではないのか。自分の置かれている環境が当たり前ではないことを思うと、切なく、涙が出た。 一方で、イペカラはこうも思う。 ここ樺太に人がいて、生きている、それだけでは駄目なのか、と。 先人たちが現代に残した功績の影で、失われたものもたくさんあったのだ。 何が正しいのか、私にはわからない。 それでも生きていくしかない。 それだけは、この本に登場する人物たちと、私は同じなんだ。

Posted byブクログ