罪の轍 の商品レビュー
普段刑事物語は好んで読まないのですが、これ、entertainmentとして面白かったです。テーマは勿論重いんですが、グイグイと引き込まれてラストは久しぶりに徹夜してまで読んでしまいました! 寛治も落合もでてくる人物みんな魅力的です。おすすめ。
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奥田さんの本は読み始めたら止まらなくなる、一気読み必須でこれもまた同様にのめり込んで読んだ。まず作品全体を覆うトーンが暗い。主人公はこれでもかというくらい客観的には不幸で救いがない生い立ち。だから犯罪を犯して良いということではないけれど、どうしようもなく彼のやることを肯定したくな...
奥田さんの本は読み始めたら止まらなくなる、一気読み必須でこれもまた同様にのめり込んで読んだ。まず作品全体を覆うトーンが暗い。主人公はこれでもかというくらい客観的には不幸で救いがない生い立ち。だから犯罪を犯して良いということではないけれど、どうしようもなく彼のやることを肯定したくなる。そう思わせる力がある。でないとこの長編を読み通せなかったと思う。 なにせ読み終わったのは2ヶ月近く前なので細部は忘れた。 でも、最後に捕らえられた主人公が、救済されてほしいと願う。
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吉展ちゃん誘拐事件がモデルになった話なのかなぁと。 舞台は戦後初の方の東京オリンピックの開催が決まり、高度経済成長中の日本。 親に恵まれずに育だち、空き巣を繰り返していた男目線と、誘拐犯を追う刑事の目線。(たまに、東京で旅館を切り盛りしている女性目線もあり)で進みます。 身...
吉展ちゃん誘拐事件がモデルになった話なのかなぁと。 舞台は戦後初の方の東京オリンピックの開催が決まり、高度経済成長中の日本。 親に恵まれずに育だち、空き巣を繰り返していた男目線と、誘拐犯を追う刑事の目線。(たまに、東京で旅館を切り盛りしている女性目線もあり)で進みます。 身代金の番号を控えていなかったりなど、まさかと思うミスが連発。 少しの失敗も、重なれば大きくなってきてしまうこと。それがテーマなのかなぁと思いました。 今のように携帯などがない時代。捜査も大変だったと思いました。
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やっぱり奥田英朗は最高モノが違う 背景も人間関係も無駄にリアル 刑事小説作家になっている 長編だが5日で読んだ 50年前も今も変わらない終末観があったのが驚き
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最初は寛治のこと可哀想だなぁと思いながら読んでたけど吉夫ちゃんの事件から胸のザワザワが止まらなくてイッキ読みでした。 吉夫ちゃん。。。 読後感、、なんとも言えない気持ちに。。
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オリンピックを翌年に控え東京はどんどん変わろうとしていた。 その最中誘拐事件が起こる。 犯人を追う刑事たち。そして事件に巻き込まれる人たち。 とにかく物悲しい。色々考えると辛くなるほどに。 ぐいぐいとものすごい力で引き摺り込まれるように読みました。 オリンピックの身代金も読み応え...
オリンピックを翌年に控え東京はどんどん変わろうとしていた。 その最中誘拐事件が起こる。 犯人を追う刑事たち。そして事件に巻き込まれる人たち。 とにかく物悲しい。色々考えると辛くなるほどに。 ぐいぐいとものすごい力で引き摺り込まれるように読みました。 オリンピックの身代金も読み応えありましたが、この本もとにかくすごい!というしかありません。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この誘拐事件のモデルになっているのは吉展ちゃん誘拐事件。この事件の時自分は幼稚園生だったが、当然ながら全然覚えていない。 その後、平塚八兵衛という刑事の物語やマンガで知った。 被害者は当時4歳というから自分と同年配。 生きていれば色々あったし遺族も報道や二次被害で大変だったろうな。 作品紹介・あらすじ 刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く――。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描く社会派ミステリの真髄。
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舞台は昭和38年、読み始めて読み進められるか不安になったが、するすると読めた。2019年の作品。 不遇な生まれの「莫迦」な寛治が、短絡的な犯罪を重ねていく。 ちょっと助長なところもあったけど、時代背景が伝わってきて、興味深かった。 電話が普及していない頃で、途中電話を使った誘拐...
舞台は昭和38年、読み始めて読み進められるか不安になったが、するすると読めた。2019年の作品。 不遇な生まれの「莫迦」な寛治が、短絡的な犯罪を重ねていく。 ちょっと助長なところもあったけど、時代背景が伝わってきて、興味深かった。 電話が普及していない頃で、途中電話を使った誘拐事件が出てきた。被害者宅が報道されて、悪意の電話が相次いだのは、現代にも通じるものがあった。
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吉展ちゃん誘拐殺人事件を題材にした作品。 莫迦と呼ばれていた青年は、なぜこんな事をしたのか。全く罪の意識がないまま起きてしまった犯行。 警察小説の迫力、当時の社会風景が生々しく浮き上がってくる。青年の悲しい生い立ちも、影を押してくる。人はどうやって悪の道に導かれていくのだろうか。
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親ガチャという言葉があるように、大なり小なりこの透明な轍の存在は多くの人が実感していることと思う。特に驚きも無く、長い時間をかけて読了した。
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