1,800円以上の注文で送料無料

森があふれる の商品レビュー

3.3

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作家の妻がある日発芽する。 空想ではなく、物語では普通の人間だった妻がだんだんと発芽し、自宅の寝室でどんどん森になっていきます。 妻のことを題材にして本を書き、それがヒットしていた夫はまず、面白いと思い、そのことをテーマにまた本を書き、それがまたヒットして賞をとる。始めはそれでうまくいっているからいいんだと思っている作家の夫や編集者もだんだんと異常さに気がついてきます。そうこうしている間にも森は窓を抜けて隣の敷地にまで侵食することに。 後半では夫と妻の人柄に触れます。 男とは女とはこういうものといった固定観念が当然のようにはびこり、おかしいと思うことは否定できなかった人が弱いだけという、昔の考え方を信じて疑わない常識の中に、発芽というファンタジーを取り入れて夫と話をしようとする妻を描いているのが新鮮に感じました。 正直ここまで固まっている夫なら、別れるか殺すかの2択になりそうなのに、森になるつて、それだけ愛しているんでしょうね。ラストで立場が入れ替わり自分の本棚を作っていくのかと思いました。

Posted byブクログ

2023/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妻が発芽するという珍しい設定に惹かれて読み始めた。男女の間にある固定観念や世界の見え方の違いについて面白い切り口で攻めた作品。設定は面白いのに、終わりに向かって急にストーリーが展開され、よくわからない終着点で降ろされた感じ。

Posted byブクログ

2023/03/31

230331.14 妻を小説の題材にしてきた夫。ある日夫の浮気を疑った妻が大量の種子を飲んで発芽、やがて家を飲み込むほどの森となり.... . 男はこうあるべき。良い妻の言動とは。若手女性社員らしい服装とか...「らしさ」に束縛されている人達のお話でした。 . 読んでいて少しずつ...

230331.14 妻を小説の題材にしてきた夫。ある日夫の浮気を疑った妻が大量の種子を飲んで発芽、やがて家を飲み込むほどの森となり.... . 男はこうあるべき。良い妻の言動とは。若手女性社員らしい服装とか...「らしさ」に束縛されている人達のお話でした。 . 読んでいて少しずつしんどくなってくる内容...。身に覚えがある事ばかりでなおさらそう感じました。 このモヤモヤした気持ち、言葉にならない、できない感情が発芽するという事なのかな。 . 結局夫婦は話し合えないままだったのが寂しいな。小さい時から植え付けられてきた「らしさ」の価値観からはそう簡単には逃げられない...

Posted byブクログ

2024/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2つ目と3つ目の言葉、 私は去年の1月くらいから読書が趣味と言えるくらい読書が好きになったけれど、だんだん自分が読んだ本が多くなっていくうちに自分の中で決めつけが多くなってきたのかもと最近思う。 例えば、私が今まで読んだ本は、仲良い夫婦がほとんど登場しなかった。むしろ、不機能家族やすれ違っている夫婦のストーリーだった。 だから私は「結構したら自由がなくなる」とか、「育児についての父親の自覚がない人がほとんどなんだろうな」とか、極端にマイナスイメージばかり持ってる。(実際にはそれがありふれたものなのかもしれないけど) でも、私が結婚してそうなるかは分からないし。というか、本で読んだからってそんなイメージで決めつけて諦めてしまうより現状を変えようと相手ととことん向き合って話し合わないと。 私は私の生き方があるし。 私の人生における環境も、登場人物たちも私だけのオリジナルだし。 そんな、全く違う他の人の人生と重ねてしまうなんてもったいないな。。 野球選手(?)かな、聞いた事があるけど 『思い込みは可能を不可能にする』って言葉。 思い込みが激しい私よ、その度に思い出せーー!!

Posted byブクログ

2023/02/22

ちょっと前までは苦手な分野の本だったけど、成長したのか最近こういう本の良さが分かるようになった。現実なのか夢なのか。ファンタジーなのか狂気なのか。微妙なスレスレラインを行ったり来たりするのが心地良い。彩瀬さんの本、初めて読んだけど、この本のストーリーはともかく、文体がフワフワして...

ちょっと前までは苦手な分野の本だったけど、成長したのか最近こういう本の良さが分かるようになった。現実なのか夢なのか。ファンタジーなのか狂気なのか。微妙なスレスレラインを行ったり来たりするのが心地良い。彩瀬さんの本、初めて読んだけど、この本のストーリーはともかく、文体がフワフワしてて幻想的で柔らかく好きだった。他の作品も読んでみたい。

Posted byブクログ

2023/02/14

冒頭、ボウル一杯のミックスナッツを無心に食べ続ける作家の妻、琉生(るい)の描写から物語はスタートする。 このシーンだけで、夫であり作家の埜渡徹也への鬱憤や溢れ出すストレスを感じる。 ところが琉生が食べていたのはナッツではなく植物の種で翌日には発芽してしまい、森へ姿を変え街まで...

冒頭、ボウル一杯のミックスナッツを無心に食べ続ける作家の妻、琉生(るい)の描写から物語はスタートする。 このシーンだけで、夫であり作家の埜渡徹也への鬱憤や溢れ出すストレスを感じる。 ところが琉生が食べていたのはナッツではなく植物の種で翌日には発芽してしまい、森へ姿を変え街まで浸蝕し始める。 突拍子もない話だがその根底には夫婦間、男女間の気持ちの相違や在り方が潜んでいて、それがリアルな感情と共に描かれ作者のメッセージとして伝わる。 抽象的な表現で理解し辛い所もあったが、頭で読み取ると言うよりも心で感じるような物語。

Posted byブクログ

2022/11/29

琉生がミックスナッツを黙々と食べ続けるシーンから、「妻が発芽した。」へと続く、自宅二階の寝室が森であふれる情景が音や匂い肌の感覚を伴って五感で映像化出来る。独特の世界観、好きです。男と女の物語。

Posted byブクログ

2022/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小説家の夫・徹也に、書くことを通じて奪われてきた妻・琉生。 愛の果ての果て、女が見たものは、光か、地獄か? (アマゾンより引用) どういうこと??

Posted byブクログ

2022/08/04

不思議な作品でした(^^) 植物の種を食べ続け、一夜明けると、体から発芽……どんどんと生育し、先が見通せないほどの驚愕の森に…… 巷でよく耳にする夫婦間のちょっとしたすれ違いが、実は底が分からないほど、深く暗い。。。そんな2人は言葉を交わすことを諦め、森に 不倫相手、編集者...

不思議な作品でした(^^) 植物の種を食べ続け、一夜明けると、体から発芽……どんどんと生育し、先が見通せないほどの驚愕の森に…… 巷でよく耳にする夫婦間のちょっとしたすれ違いが、実は底が分からないほど、深く暗い。。。そんな2人は言葉を交わすことを諦め、森に 不倫相手、編集者など、さまざまな視点でも描かれ、本音と建前の狭間に溺れていきますね^^;

Posted byブクログ

2022/06/13

夢なのか現実なのか?るいの森に吸い込まれるように私にもわからなくなった。男女の先にある世界を私も見てみたいです。 絶妙なセンスが光る表現がやっぱり好きです。

Posted byブクログ