1,800円以上の注文で送料無料

営繕かるかや怪異譚(その弐) の商品レビュー

4

95件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/01/11

前作では語り手の家に起因する怪異を営繕で鎮める話がメインだったけど、今作は原因が家に限らない話も出てくる。 そして営繕によってハッピーエンドになるとは限らない話も… 古い家のリフォームや古道具のリメイクも、趣旨を履き違えてはいけないですね。『魂やどりて』の語り手には読んでてイラ...

前作では語り手の家に起因する怪異を営繕で鎮める話がメインだったけど、今作は原因が家に限らない話も出てくる。 そして営繕によってハッピーエンドになるとは限らない話も… 古い家のリフォームや古道具のリメイクも、趣旨を履き違えてはいけないですね。『魂やどりて』の語り手には読んでてイラッとしてしまった…

Posted byブクログ

2020/11/27

どのお話も、幽霊みたいなものが出てきて怖いのだけど、尾端さんが探偵よろしく(真実かどうかは誰にも分からないけど)納得できる説明をしてくれて、優しく営繕してくれるから安心して読めるしそういう意味ではスッキリする。でもなんともいえない余韻が残ります。理屈じゃない、白黒つかない距離感が...

どのお話も、幽霊みたいなものが出てきて怖いのだけど、尾端さんが探偵よろしく(真実かどうかは誰にも分からないけど)納得できる説明をしてくれて、優しく営繕してくれるから安心して読めるしそういう意味ではスッキリする。でもなんともいえない余韻が残ります。理屈じゃない、白黒つかない距離感がそうさせてるんだろうな。完全に理解はできないけど共存しましょう、その努力をしましょうみたいな。 尾端さんがギンコさんで脳内再生される。

Posted byブクログ

2020/10/23

前回よりその弍の方が怖かった 怖いけど全部解決してくれるから安心 特に最後の「まさくに」が怖かった

Posted byブクログ

2020/10/01

※ネタバレありです 読んで一話目で、「そういうタイプか…!」とぞくっときてしまった。夏のうちに読んでしまえば風流で済んだのに、へんに寒い季節に差し掛かろうとしていて電車内でものすごく気味 悪さを味わってしまった。確かお勧めしてくれた人が「自分は寺育ちなので非常に恐怖した」というよ...

※ネタバレありです 読んで一話目で、「そういうタイプか…!」とぞくっときてしまった。夏のうちに読んでしまえば風流で済んだのに、へんに寒い季節に差し掛かろうとしていて電車内でものすごく気味 悪さを味わってしまった。確かお勧めしてくれた人が「自分は寺育ちなので非常に恐怖した」というようなことをおっしゃってくれていたが、読み進めるにつれその恐ろしさが手に取るようにわかる。この本では、決定的な何かは最後まで起きない。でもそれが怖くて、不気味で、わびしい。侘しさの中に文学を感じる。全体的にこの鬱蒼とした雰囲気をじりじりと伝えてくる描写の仕方や、しこりを残したようなずるい終わりかたをする幕引きの一つひとつが非常に私の好みだった。気持ち悪さと静寂と人ならざるものの存在のドラマ性に小川洋子みを感じる。(全部そこに行く)てっきり御祓的なもので解決すると思っていたら、この作品では家というものの造りにこだわるのだ。そこをちょっといじってやる。それで解決するのだ。この家という一つのモチーフには「とある城下町の」という条件がついている。これが私好みの不気味さを生み出す装置になっていて、たぶん、読んでてここが気に入った。さらに読み進めるなかでちょっと転機になったのが、三作目の「雨の鈴」という話だった。ここまで、「家の中へ入ろうとする女」と「天井をはいずる河童」とか、はっきりと目視はできない「何か」がそこにいる、いるだけであるという話が2つ続いていた。私はこの本は「非常に怖いけれど、人間に危害を加えるわけではないもののけ」的なものがテーマなのだと考えつつあったので、3作目になって急に「曲がり角をまがりやがて行き着いた家の人間を死に至らしめる女」などというめちゃくちゃストレートに怖い、生死にかかわる展開になって驚いたのだ。でもここで引き込まれた。とにかく私は物寂しさがいっそ美しいような情景と、ちょっとした不思議さと、気持ち悪い生々しさという三拍子が揃った作品が大好きなので、この三話目に到達する頃にはすっかりこの作品の魅力に取り憑かれていた。どうしてだろう、一人語りが淡々と続きながら一歩ずつ非日常へ踏み込んでいく孤独さが大好きだ。一人であることを実感したい。ひとりぼっちは自分と二人きりという贅沢さの裏返しだからだろうか。とにかく一人の秋の夜長を存分に楽しめた。この方の他の著作、特に「屍鬼」は私でも名前を知ってる。今からもう読みたくてたまらない。もしかして私、映画はダメだけど、本ではホラーが好きなのでは…と気付いてきた (紹介してくださった方、ありがとうございました!)

Posted byブクログ

2020/10/01

安定のおもしろさ。 どの話も深く余韻を残す。 「まつとし聞かば」が特に好き。 尾端さんが直した猫用の戸を通って入ってくるものは何だったのか。 日毎に足音が軽くなる、というのもいい。 尾端さんが営繕するだけでなく、営繕に使う木材を古い家や神社から仕えそうなところを集めているのもわか...

安定のおもしろさ。 どの話も深く余韻を残す。 「まつとし聞かば」が特に好き。 尾端さんが直した猫用の戸を通って入ってくるものは何だったのか。 日毎に足音が軽くなる、というのもいい。 尾端さんが営繕するだけでなく、営繕に使う木材を古い家や神社から仕えそうなところを集めているのもわかって良かった。

Posted byブクログ

2020/09/26

前作も大好きですが、今回もとても面白く読みました。 どの話もぞくぞくするし、ちょっぴり感動があったりします。 続編がでたらまた読みたいです。

Posted byブクログ

2020/09/12

待ってました尾端さん! ゾッとするけどただの怪談・怖い話じゃなくて、この正体は何なのか、どう解決するのかミステリーのように楽しめる。結末もワンパターンではないので尾端さんがどう紐解き解決していくのか毎回予想がつかなくて面白い。 尾端さんがのキャラクターにクセがなく淡々としているの...

待ってました尾端さん! ゾッとするけどただの怪談・怖い話じゃなくて、この正体は何なのか、どう解決するのかミステリーのように楽しめる。結末もワンパターンではないので尾端さんがどう紐解き解決していくのか毎回予想がつかなくて面白い。 尾端さんがのキャラクターにクセがなく淡々としているのがまた良い。尾端さん出てきた瞬間の安堵感! 芙蓉忌と水の声が特に好き。じっとりとした湿気と薄暗さと匂いまで伝わってくるような怖さがあった。1巻もまた読み直したい。

Posted byブクログ

2020/09/06

営繕かるかやシリーズ第二弾。 最後の「まさくに」が好みだったかな。 正直なところ前作の方が良かった。 続きがでるならまた読みたい。

Posted byブクログ

2020/07/08

家にまつわる怪異譚。 どうしても「長屋」の雰囲気がイメージ掴めきれないので、見取り図ほしいなぁ…。 通りゃんせの歌にまつわる話が個人的には好き。

Posted byブクログ

2020/07/06

好きだなあ。短編が好きだし、ホラーの中でも家ものというのがまた好きだし、というかもはや小野さんの文章ならなんでも好きかも。恐怖は前作よりも落ちついているけれど、どこか人間味のある怪異が身近なものに感じられる。それを全面的に排除するのではなく、危険なところだけ修繕するという姿勢も好...

好きだなあ。短編が好きだし、ホラーの中でも家ものというのがまた好きだし、というかもはや小野さんの文章ならなんでも好きかも。恐怖は前作よりも落ちついているけれど、どこか人間味のある怪異が身近なものに感じられる。それを全面的に排除するのではなく、危険なところだけ修繕するという姿勢も好き。かたくなになってしまっている気持ちが、怪異と関わり、尾端と関わることでほぐれていく、そういう構成も好き。好きしか言ってないな。

Posted byブクログ