営繕かるかや怪異譚(その弐) の商品レビュー
この手の不思議話好きだわ。 実際には体験したくないけどね。こういう問題に対処してくれる人がいるなら心強いんだけど。
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営繕とは、建造物の新築と修繕、また模様替なども含む。 「かるかや」とは、山野に自生するススキに似た多年草。 屋根を葺 (ふ) くために刈り取る草 優しさと哀しみと恐怖に満ちた全6篇。 古い町や建物が連なる場所に現れる、 日常に紛れ込んできた怪異。 その原因を営繕屋・尾端が建物を...
営繕とは、建造物の新築と修繕、また模様替なども含む。 「かるかや」とは、山野に自生するススキに似た多年草。 屋根を葺 (ふ) くために刈り取る草 優しさと哀しみと恐怖に満ちた全6篇。 古い町や建物が連なる場所に現れる、 日常に紛れ込んできた怪異。 その原因を営繕屋・尾端が建物を修繕したり、 アドバイスしたりして解決していくお話ですが、 尾端の登場は少ないです。 そこがまた、ひかえめでいいんですけどね。 「芙蓉忌」「関守」「まつとし聞かば」 「魂やどりて」「水の声」「まさくに」 恐怖だけでいうなら、前作の方が怖かったと思いますが 今作の方が自然な感じで入って来たので、 これはこれで好きです。 カバーイラストから、本作で尾端さんの関わる怪異がわかる。
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いつも結末は予定調和で終わるシリーズなのに、どの話もぜんぜんワンパターンじゃなくて、ビックリ。同じなのに同じじゃない。 どんな作家も、初期から読み続けていると、どこかで「あれ?またこのパターン?」って思う時があるものなんだけど、この人の場合、どの作品も似てるけど、どれも同じじゃ...
いつも結末は予定調和で終わるシリーズなのに、どの話もぜんぜんワンパターンじゃなくて、ビックリ。同じなのに同じじゃない。 どんな作家も、初期から読み続けていると、どこかで「あれ?またこのパターン?」って思う時があるものなんだけど、この人の場合、どの作品も似てるけど、どれも同じじゃない! ほんと不思議。 そして、キャラクター同士が多弁になり過ぎず、べたべたしてないところも好き。 今回は怖さ控えめで良かった。このくらいのヒンヤリ感だと安心して夜も読める。 それでも、尾端さんが登場した時の安心感はハンパない。 読んでいて「尾端さん出たー! いえーい」とつい思ってしまう。(なんか古臭いリアクションですいません) そして次の作品に入ると、「さ、次はどんな登場の仕方かなー?」と思ってわくわく。その繰り返し。 でも、断じてワンパターンじゃない。 安心とわくわくの繰り返し。非凡な作家にしかできない技だと思う。 尾端さん以外のレギュラー陣も全員好きです。といっても、隈田さんと植木屋くらいしか他にいないけど、きっとゆっくり少しずつ少しずつキャラが増えていくのかな?と期待している。 余談ですが、古い家のあの「生き物」みたいな感じ、今の人は知らないだろうなぁと思う。きっと戦前に建てた家ならではなんじゃないかな? あの暗さ、怖さ、最近の家とはなんかもう、ジャンルが違うものだとしか言いようのないもの。 うちの実家ももうずいぶん昔に建て替えたので、すっかり忘れてるけど、以前はこの暗いタイプの和風建築物だった。 この本に出てくる家とは全然違って、やたらデカかったけど、でも、まったく同じ印象だ、と思う。 普段はすっかり忘れているんだけれど、このシリーズを読むと鮮明に思い出します。 あれは、生き物、としか言いようがないものだったな、と。
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前作を読んだのがかなり前だったので、その時の記憶がないのだが、怖いというより物悲しいお話が多い。 短編だが独特の共通した雰囲気があり、それを心地よくすら感じる。 余談だがオムツの漢字なんてこの小説で初めてみた。
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第二弾だが、今回もひたひたと静かに怖い。どうすれば解決するかと言う点でお祓いの仕方がお祓いっぽくないのが面白いのだが、今回は解決しない話もあり不気味さがあった。毎回こういう静かでひたひたとした何かがある感じの恐怖を描くのが上手いなぁと思う。
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シリーズ二作目。今回も怖い! ひっそりと夜中に読んでいるとぞくぞくが止まらなくって要注意です。だけれど、読み終えた後はどこかしら温かく穏やかな気分になれる、優しい物語ばかり。恐怖があとを引くことはない……かな?(あ、でも「芙蓉忌」だけはずっと怖いかも) お気に入りは「まつとし聞か...
シリーズ二作目。今回も怖い! ひっそりと夜中に読んでいるとぞくぞくが止まらなくって要注意です。だけれど、読み終えた後はどこかしら温かく穏やかな気分になれる、優しい物語ばかり。恐怖があとを引くことはない……かな?(あ、でも「芙蓉忌」だけはずっと怖いかも) お気に入りは「まつとし聞かば」。猫好きならやはりこれでしょう。正直言うと怪異はとんでもなく恐ろしかったし、おそらく実害があるとして一番怖かったのもこれ。けれどだんだん変化していく怪異にはなんだかほろりとさせられてしまったのでした。たとえ異形のものであったとしても、こういう形であったとしても、来てほしいと願ってしまいそうです。 「水の声」も怖かったけれど、うわあ、これはミステリだったのか! という心境。手掛かりと伏線はいろいろあったのですねえ。 「まさくに」もかなり怖かったのだけれど、結末のほっこり度もかなり高くて。わかってみればほんの少しだけユーモラスでもある、のかもしれません。
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2020.3.4 待ちに待って図書館で借りられたシリーズ2作目。 1話目「芙蓉記」と6話目「まさくに」が怖かった!夜に1人で読んだから余計に。 共通するのは隙間?隙間って怖い…でも覗いちゃうよね。 怖いながらも読後はなぜか爽やか。まさに小野不由美節! シリーズ1作目は5年前に...
2020.3.4 待ちに待って図書館で借りられたシリーズ2作目。 1話目「芙蓉記」と6話目「まさくに」が怖かった!夜に1人で読んだから余計に。 共通するのは隙間?隙間って怖い…でも覗いちゃうよね。 怖いながらも読後はなぜか爽やか。まさに小野不由美節! シリーズ1作目は5年前に読んでもうすっかり忘れてるのでまたいつか読み直したい。
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「芙蓉忌」 二階の窓から見えるは。 彼女に魅入られたから彼の弟は自死してしまったのか心を病んだ末の出来事だったのか分からないが、どちらも合わせた結果だったのかもな。 あの場に壁が出来た訳は分からないが、そのおかげで彼は命拾いしたと言っても過言ではないだろうな。 「関守」 過去に...
「芙蓉忌」 二階の窓から見えるは。 彼女に魅入られたから彼の弟は自死してしまったのか心を病んだ末の出来事だったのか分からないが、どちらも合わせた結果だったのかもな。 あの場に壁が出来た訳は分からないが、そのおかげで彼は命拾いしたと言っても過言ではないだろうな。 「関守」 過去に彼女に起きた事。 矛盾を言い始めたら終わりがないのではと思えるぐらい違和感のある話だが、対価も払わず何事も無く無事に帰る事が出来て良かったな。 童歌は意味を考えてみると実際には違う意味だとしても、都市伝説などと混同されがちだからな。 「まつとし聞かば」 夜な夜なやってくる物。 正体は結局分からず終いだったが、猫婆さんの元で飼い主を待ち続け亡くなった者と愛してくれた人に別れを言えなかった者の集合体だったのかもな。 彼女が事故にあった時、どの様な状況だったか両親なら聞かされているはずなのに良くそんな事が言えるな。 「魂やどりて」 自らの手で作り上げる。 彼女の様に中途半端な事ばかりで折角使える品も雑に扱う人間では、本来どの様な用途でどんな風に使われていたかなんて考えた事もないだろうな。 まだまだ本来の姿で使えるからこそ売りに出しているのだろうに、それを雑に扱われたら業者も嫌になるだろうな。 「水の声」 腐った様な水の匂いと。 お調子者は一歩間違えれば狼少年と紙一重であり、何処からか本気なのか分からないからうえ馬鹿にする様な態度もとっていたら冗談だと捉えられても仕方ないだろうに。 何故亡くなったのかは分からないが、彼の傍に近づいていたのは唯一の友に気付いて欲しかったのだろうな。 「まさくに」 ボロボロになった身体。 田舎の様にある古い家だと、どこに居ても常に誰かの気配を感じられ安心する一方で逃げたい時に逃げ場がないのが辛い所なんだよな。 突然あんな状態で出てきたら化け物としか思えないが、彼は自らの身体を通じて家の危機を知らせていたのだな。
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怖いような、怖くないような… 面白いような、そうでもないような… 読みやすかったというのは、その通りなのですが。
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